第19話 絶体絶命の中で
第19話目です!
楽しい時間を過ごす学と友美。
しかしそこへ忍び寄る足音…。
その正体とは…?
あっという間に5分という時間は大幅に過ぎていた。もう30分くらいになるだろうか。看護士の人たちも諦めたのか呆れているのか僕を呼びに来なかった。僕と友美は最初こそ変な空気になってしまったが、その後は普段通り楽しく話をしていた。
「学くん、それ失礼じゃない?」
「そうかな〜? それなら友美だって失礼じゃない?」
「何で私になるの!」
こんなたわいない話をずっとしていた。時間どころか、周りのことすら忘れていた。まるでこの病室には僕と友美しかいない…そんな感覚だった。
『コツ…コツ…』
誰かの足音が近づいている。しかし、僕も友美も話に夢中で全く気づいていなかった。
「でも、友美が元気そうでホッとしたよ」
「私はいつも元気だよ?」
「そっか。じゃあ今日はそろそろ帰るよ。これ以上いたら本気で怒られそうだし」
そう僕は言ったが、もう怒られても文句は言えない。5分という約束だったのに30分以上も友美と話していた。僕自身すっかり時間を忘れていた。気づいた時には…5分どころか30分以上過ぎていた。
「ファイト!」
友美が笑顔で言う。僕は親指を立ててニコッと笑った。そんな僕を見て友美は笑う。僕にとって本当に幸せな時間だった。僕は病室から出ようドアノブに手をかけた。その時、初めて僕は足音に気づいた。
「ん? どうしたの?」
不思議そうに僕を見る友美。そんな友美を見ながら僕は足音に耳を澄ます。足音はどんどん近づいてきた。
「友美、隠れてろ」
「え? 何で?」
「いいから。僕の言う通りにして」
「う、うん…」
友美は納得できないという感じだったが、布団をかぶって中に隠れた。僕はそれを確認して再び足音に耳を澄ました。
「あれ…?」
今まで聞こえてた足音がピタッと聞こえなくなっていた。不思議に思った僕はドアを開けて廊下の様子を見た。廊下は真っ暗で何も見えなかったが、人がいる気配は感じなかった。気のせいかと思い、僕はドアを閉めようとした。その時だった。
「うわっ!」
僕は何者かに身体を引っ張られ、廊下に倒された。一瞬、何が起こったのかわからなかったが、目を開けてから初めて自分が倒れていることに気がついた。
『バタン!』
それから数秒。病室のドアが乱暴に閉められた。僕はすぐに起き上がろとしたが、倒された時の痛みと恐怖で身体が動かない。どうすることも出来ない僕に僕を襲った犯人は口を手で塞ぎ、僕の首を絞めようとする。必死に僕は抵抗したが、相手が馬乗りの形で体重をかけているので思うように力が入らない。
『助けて…誰か…』
一瞬でも気を抜いたら意識を失いそうになる中、声には出せないが心の中で何度も呟いた。
「学くん…?」
僕の意識が限界を迎え、失いそうになった時のことだった。友美が病室から出てきたのだ。犯人は友美の声に驚き、僕から手を離した。僕はチャンスと思い、犯人を倒した。
「友美! 廊下の電気を点けて!」
「わかった!」
形勢逆転となり、僕は犯人が逃げれないようにしっかり押さえつけた。犯人も必死に抵抗してきたが、僕は自分の力の全てで押さえる。そして…
『パチン』
友美が電気のスイッチを入れた。真っ暗だった廊下が一気に明るくなる。僕も友美も犯人も急に明るくなったため、目を開けれなかった。だんだんと明るさに慣れてきた僕は静かに目を開ける。
「……何であなたが」
僕は目を疑った。犯人を確認してから友美を見ると友美も信じられないというように膝から崩れ落ちていた。
読んでくださってありがとうございます!
危機一髪、絶体絶命の中で犯人を捕まえることに成功した学と友美。
犯人とは一体、誰なのか…?
どうしてこうなってしまったのか…?
物語も終盤。第20話目もよろしくお願いします!




