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約束  作者: ヒロ
18/22

第18話 迫る危険

9月最初の更新です!


何者かに襲われて命を落とした優斗。

優斗を襲ったのは本当に武美なのか?

大切な友人を失った学の心は…?

 『学、友美を頼んだぞ…』家に帰ってきた僕は何度も優斗の言葉を思い出していた。優斗は最後に何を伝えたかったのか…僕にはわからなかった。とにかく優斗は「友美を守れ」と言っていた。僕に何ができるかわからない。けど、僕ができること…それは友美の側にいることだ。そう思い、病院へと向かおうとした。その時だった。


『プルルルル』


 家の電話が鳴った。嫌な予感しかしなかった。僕は恐る恐る電話を手に取った。


「はい…」

「学くん! 助けて!」


 僕は優斗から電話が来た時と同じように身体が固まった。いや、優斗の時より動けなくなった。


「…武美?」


 僕は今、話している相手が信じられなかった。どうしたらいいのかパニック状態になった。警察でも連絡がつかなかった武美が僕の家に電話をしてきたのだ…


「学くん、お願い! 助けて!」


 武美はずっと『助けて』と言っている。優斗に続き、武美まで危険が迫っているのか? 僕は一体、どうすればいいんだ…


「どこにいるんですか?」

「駅前の廃墟になったビルの中! すぐに警察に連絡して! 学くんも来て!」


 僕は最初、武美の演技だと思った。しかし、ここまでの話を聞いていて僕には武美の今の状況が演技には聞こえなかった。それに武美は『警察を呼んで』と言った。もし、自分が事件に関わっているとしたら…『警察を呼んで』なんて言うだろうか…


「学くん!」

「はい?」

「愛してる…友美ちゃんを守るのよ!」


 そこで電話は切れた。僕は何も言えず、数秒間、立ち尽くしていた。


「警察…」


 少しして、我を取り戻し始めた僕は今、やらなければならないことを思い出した。警察に連絡をして、僕は駅前の廃墟になったビルへと向かった。









 「………」


 僕と警察が到着した時、武美はすでに息を引き取っていた。僕は何もできずに大切な人たちが殺されていくことに苛立ちを隠せなかった。


「くそっ!」


 一体、誰が、何の目的でこんなことをしているのか…僕は限界だった。


「お気持ちはわかりますが…まずは署の方に同行をお願いします」


 僕はただ頷くだけだった。警察署での事情聴取は2回目ということもあり、かなり厳しかった。『犯人はあなたじゃないですか?』なんてことも言われた。長い長い警察署での事情聴取。僕は友美のことが気になって仕方がなかった。一刻も早く友美のところへ行きたい。そんな僕の思いとは裏腹に事情聴取は終わりそうにない。


「一旦、休憩入れますか。疲れたでしょ」


 そう言い、警察は部屋を出て行く。僕はそんな休憩より、早く解放してほしかった。


「あなたも大変ですね」


 休憩中、1人の女性警察官が話しかけて来た。僕が何も言わずにいると、


「もう話すのも疲れたでしょ」

「まあ…」


 僕は素っ気ない返事をした。どうでもいい。早くここから解放してくれ。何度もそう思っていた。


「次は友美さん…が危ないわね」


 僕はその言葉で怒りが限界を超えた。


「ふざけないでください! そう思うなら早く僕を解放してくださいよ!」

「あなたが犯人じゃないっていう証拠はあるのかしら?」


 僕の怒りを鎮めるかのように女性警察官は意地悪なことを静かに言った。僕は『僕は犯人じゃない』としか言えなかった。









 結局、僕が解放されたのは辺りが真っ暗になってからだった。僕は真っ直ぐ病院へと向かった。面会ギリギリの時間。僕は数分でもいいから友美の顔が見たかった。


「すいません、面会時間は終わりました」


 病院に着いた時、僕は希望を打ち砕かれた気がした。わずかだが面会時間を過ぎていたのだ。


「お願いします! 5分だけでいいんです!」


 僕は何度も頭を下げて、お願いをした。看護士たちは困った顔をしていたが、何とか5分だけ許された。たくさんの注意事項を言われ、僕は一礼をして病室へと向かった。病室に入ると中は真っ暗で静まり返っている。その光景に思わず僕は身震いをした。


「友美…?」


 他の人を起こさないように静かに名前を呼ぶ。暗闇なので友美の顔がはっきりとは見えない。


「友美」


 もう一度、静かに名前を呼ぶ。友美はゆっくり顔を上げた。そして僕を見て、ビックリしていた。僕は友美が叫ばないようにすぐに口を塞いだ。


「友美、静かに」


 僕がそう言うと友美は、ゆっくりと頷いた。


「ゴメン、こんな時間に」

「ううん。どうしたの?」


 僕は思わず黙り込んでしまった。


「学くん…?」


 不思議そうに僕を見る友美。どう説明しようか僕が考えてると、


「今日は変な学くんだね」


 そう言って友美は静かに笑った。僕はこの笑顔を見てホッとした。


「今日はって何だよ。今日はって」


 僕は笑いながら、そう言った。すると友美は笑っていた。僕たちは時間を忘れて話していた。しかし、僕と友美は誰かの足音が少しずつ近づいていることに気が付いていなかった…。


読んでくださってありがとうございます!


犯人かと思われていた武美も犠牲に…

一体、犯人は誰なのか?

そして2人に迫る足音とは…?


第19話目もよろしくお願いします!

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