表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
約束  作者: ヒロ
15/22

第15話 僕の心

第15話目です!


少し更新が遅れてすいません…

また1週間に1話のペースに戻せるように頑張ります!

 「あなた誰?」


 静かに僕に言う女の子。女の子の姿は見えず、誰だかわからない。友美なのか?


「僕は…」


 僕が言おうとした時だった。


「言わないで! 私はあなたのことを思い出したくないの!」


 僕にはこの言葉が胸に突き刺さった。苦しい…辛い…悲しい…怒り…いろんな感情が僕の中で生まれていった。そして…


「うわあああああ!」


 絶望感から僕は叫び出していた。


『ジリリリリ』


 目覚まし時計が鳴る音がした。僕はゆっくりと身体を起こす。目を開けるといつも通りの自分の部屋があった。


「夢…か」


 それにしても嫌な夢を見たものだ。誰かわからない女の子に『思い出したくない』なんて言われるんだから、僕はきっとその女の子に相当嫌われていたのだろう…。もしあの女の子が友美だったら…そう考えると震えが止まらなかった。


「よし、今日も頑張るか!」


 僕は今日の夢のことを気にしないことにした。きっと僕も疲れているんだ。そう言い聞かせながら僕は大学へと向かった。












 大学に着くと僕は急に寂しい気持ちになった。それは優斗がいないからだ。優斗は昨日、退学届けを大学に提出した。僕はそれを今朝、メールで知った。メールの最後には『ゴメン』と書かれていた。僕はこのメールを見た時、複雑な気持ちになった。確かに優斗と武美がやったことは許せない。けど…結果的に僕は優斗という大切な友達を失うことになった。講義を受けながら何度もいつも優斗の座っていた席を見つめた。数日前まで優斗は元気に僕と話していたのだ…それなのに、たったこの数日で僕との関係は儚くも散ってしまった。胸が苦しかった。痛かった。息をするのもやっとの状態だった。そんな苦しみに耐えながら、僕は講義を受けた。


「はあ、はあ、はあ…」


 講義が終わり、大学から出た僕は息切れ寸前だった。大学から出た瞬間に涙が溢れ出た。単に悲しいだけの涙じゃない…この涙にはいろんな感情が含まれている。


「優斗…バカだよ…」


 僕はしばらく動けなかった。気持ちを整理するのに時間がかかった。


『ブーブー』


 僕の携帯電話が鳴っていた。最初は無視していたが、僕は電話に出た。


「もしもし?」

「あ、学くん?」


 電話は友美のお母さんからだ。また何かあったのだろうか。僕は思わず電話を切りそうになった。


「友美が学くんに会いたいって」


 僕は友美のお母さんからの予想外な言葉に腰が抜けそうだった。


「えっ? でも友美は僕のことを覚えてないんじゃ…」


 僕は困惑しているのを隠せなかった。昨日の様子からしても友美は僕のことを覚えてはいない…それなのに今日は会いたいだって? 僕は状況が掴めなかった。


「とにかく病院に来て」

「わかりました」


 僕は電話を切り、不思議に思いながらも病院へと向かうことにした。













 病院に着くと、すぐに友美のお母さんが迎えてくれた。友美の様態は安定していて、今日は脳の検査をしたらしい。脳には異常は無く、担当の医師によると記憶を失っているのは一時的で原因としては事故に遭ったことと最近の過度なストレスということだった。まだ友美は全てを思い出したわけじゃないが、断片的に記憶が戻ってきてるらしい。


「学くんのことは、なかなか思い出せないみたい」


 そこで直接会った方がいいんじゃないか、と友美のお母さんは考えたみたいだ。僕は友美のお母さんと数分話し、友美の病室へと向かった。病室の前に立つと昨日のことが呼び起こされた。今日も昨日のようになったらどうしよう…不安を抱えながら僕は病室へと入った。


「友美」


 今日の友美は待ってましたというかのようにすぐに身体を起こした。


「学くん、昨日はごめんなさい」


 急に謝られた僕は何かおかしくて笑ってしまった。これがいつもの友美だ。僕は何か嬉しかった。


「何で笑ってるの?」

「何でもないよ」


 そう言いながら僕は笑いが止まらなかった。


「もう笑わないでよ」


 友美も一緒に笑っていた。僕は今なら嫌なことを全て忘れれる気がした。


「友美、ゴメンな」

「ん? 何で学くんが謝ってるの?」

「いや…ちょっとな」


 友美は何も言わずに笑顔で僕を見ていた。そして僕の頭を撫でながら、


「私は何が起こったのか今はわからないよ。でも、学くんがそこまで気にする必要あるのかな? 私は気にしなくていいと思うな」


 友美の言葉に今まで堪えてきた僕の心が音を立てて割れた気がした。涙が今にも出そうだった。


「学くん?」


 心配そうに僕を見る友美。友美は少しして笑顔で、


「学くん、泣きたい時は思いっきり泣いていいんだよ?」


 と言った。僕の心は限界だった。涙が止まらなかった。今まで流してきた涙とは違う、温かな涙だった。


読んでくださってありがとうございます!


学の心はかなり苦しいだろうな…

そんな心を救った友美。しかし、友美には記憶がほとんど無い…

そんな中、物語は再び少しずつ動き出します…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ