第13話 悲劇
第13話目です。
元気に見える友美だが…
友美に別れを告げ、家に戻ってきた僕を待っていたのは説教だった。友美のお母さんから事情を聞いていたうちの両親は僕の顔を見るなり説教を始めた。そして、たっぷり説教を受けた僕は自分の部屋へと入り、自分の頭の中を整理していた。友美は本当に大丈夫なのだろうか、優斗と武美は僕たちへの恨みが溜まっていたとはいえ、何故このような復讐をしたのだろうか。考えれば考えるほど疑問ばかりが僕の頭を埋めていく。
「はぁ~」
出てくるのはため息ばかり…そして底知れぬ不安に僕は襲われた。優斗と武美の復讐はきっとまだ終わらないだろう。友美と会わない方がいいのではないか、そう思った。
『ブーブー』
僕の不安を感じ取ったのかマナーモードにしたままの僕の携帯電話が鳴った。
「誰だろう?」
そう思って僕は携帯電話を手に取る。友美からの電話だった。
「もしもし? 友美、どうした?」
「………」
電話からは何の返答も無かった。一体、何が起きているのだろうか。
「…ぐすっ」
耳を澄ますと、かすかに音が聞こえる。どうやら友美は泣いているみたいだ。
「友美、何かあったのか!? 今、どこにいる!?」
「公園…」
「わかった! すぐに行くから待ってろ!」
僕は不安を感じずにはいられなかった。ただ…今は一刻も早く友美の場所へ、そう思いながら僕は公園へと走り出した。僕は無我夢中だった。友美の行く公園といえば1ヶ所だけ思い当たる場所がある。
「友美ー」
僕は公園に到着すると同時に友美の名前を叫んだ。返答は無いが、ここにいるはずだ。ここは僕と友美がよく遊んでいた場所だから。
「友美ー」
名前を叫びながら僕は公園を走り回った。しかし、どこを探しても友美はいない。ここにはいないのか。それともまたあの二人に巻き込まれて…嫌な想像が頭をよぎる。その時だった。
『ガサガサッ』
草むらから何か音がした。
「と…友美か?」
僕はゆっくりと草むらに近づいた。そこにいたのは…大泣きしている友美だった。声は押し殺してるものの涙が流れ続けている。
「友美…」
僕はその場に立ち尽くすことしか出来なかった。
それからどれくらい経っただろうか。僕は友美の隣に座り、頭を撫でていた。何も話すことのない、重たい空気…僕は経験したことのない気まずさを感じていた。
「…学くん」
先に口を開いたのは友美の方だった。さっきまで泣いていたせいか、目が赤く腫れている。
「何?」
「私…怖い…」
僕はその言葉に何も反応できなかった。
「私…学くんと会わない方がいいのかもね」
僕も友美と同じことを少し考えていただけに何も言えなかった。
「じゃあね、学くん」
友美は僕の答えを待つことなく、強引に話を終えた。そして走って公園から出て行こうとする…その時だった。
「おい! 友美待て!」
公園から出た先の道路を一台の車がこっちに向かって走っていた。このままでは友美は…
「友美!」
僕の叫びは青い空へと消えていくばかり。友美には届いていない。そして…
『キキーッ』
車の急ブレーキの音がした。それと同時に…
『ドンッ』
僕はゆっくり目を開ける。そこには…横たわっている友美と車を運転していた男女がいた。僕はゆっくり近づいていった。
「友美…」
何の運命か、車に乗っていたのは優斗と武美だった。二人は近づく僕に何度も謝った。僕は二人を無視して友美のところへ向かった。友美は静かに寝ているかのようだった。傷は一つもなく、血も出ていない。しかし、友美に意識は無かった…。
事故から15分。救急車と警察の事故処理班が到着した。すぐに友美は救急車で病院へと搬送された。優斗と武美は事情聴取のため警察署へパトカーに乗っていった。友美のお母さんは警察からの連絡で病院へと向かった。僕は一人、公園のベンチに座っていた。どうしてあの時、僕は友美を止められなかったのか…それだけが後悔として残っていた。僕は頭を整理しようと目を閉じた。しかし、僕の脳裏に事故の光景がはっきりと焼き付いていた。僕はどうしたらいいのかわからず、ただ公園のベンチに座っていることしかできなかった。
読んでくださってありがとうございます!
友美の事故…学には予想外の出来事…様々なことが起きる中、14話では…
第14話目も頑張りますのでよろしくお願いします!




