第11話 本性
第11話です!
友美の行方はどこ…?
どのくらい走っただろうか。僕は街外れの路上を歩いていた。携帯を開く。メールも電話も来ていない。そのことが僕の不安を煽った。そんな時だった。携帯が鳴った。どうやら電話のようだ。
「もしもし?」
「学くん、友美は!?」
僕が出ると同時に叫び声がした。電話の相手は友美のお母さんだ。
「わからないです…僕も会ってません」
「会ってませんって…」
僕は全てを友美のお母さんに話した。話しながら僕は泣いていた。
「そうだったの…わかったわ。何かあったら連絡ちょうだい」
「はい…すいません」
そう言って電話を切る。僕は変な脱力感を感じた。『どうでもいい』そんな言葉が思い浮かんだ。僕は力なく歩き出す。家に帰ろうと思った。歩いていると再び携帯が鳴った。また電話のようだ。
「もしもし?」
「学、今すぐ俺の家に来い。わかったな」
「えっ? 優斗?」
電話の相手は優斗だった。しかし、優斗は要件を伝えるとすぐに電話を切った。何があったと言うのだろうか。こんな遅い時間に優斗が僕に用事って…僕は何もわからなかったが、とりあえず優斗の家に行くことにした。
優斗の家に到着した頃には午後11時を回っていた。優斗は一人暮らしなので、この時間でも問題は無いのだろうが…詳しい要件もわからないまま来た僕は不思議に思いながらもインターホンを押した。
「学か。入れよ」
機嫌が悪いのか優斗はいつものような口調ではない。僕はゆっくりドアを開けた。中は真っ暗で一部屋だけ電気が点いていた。あまりの不気味さに僕は身震いをした。
「優斗?」
「学、まあ部屋に来いよ」
優斗に言われ、部屋へと入る。そこで僕が見たのは…
「なっ…!」
言葉が出てこなかった。部屋にいたのは優斗だけではなかった。
「こんばんは」
僕を見た途端にニコッと笑う。何故かわからないが武美さんがいる。さらに床には、ぐったりとして寝ている友美がいた。
「優斗! どういうことだよ!」
状況を徐々に把握して落ち着いてきた僕は怒鳴っていた。
「どういうことも何も…お前は俺に黙って友美と会ってたんだな」
「それがどうしたって言うんだよ!」
「武美さんとキスをしておきながら、友美の家でお泊りってか。お前は幸せな奴だな」
「お前、何でそんなこと…」
そう言いながら、武美さんを見る。僕は何故、優斗が知っているのかがわかった。
「学くん、なんか間抜けな顔をしてるよ?」
笑いながら武美さん…いや、武美が言う。こんな人に『さん』を付ける必要なんてない。
「優斗、武美…お前ら友美に何をした?」
「何をしたってね~」
2人はお互いの顔を見て笑いだした。僕は何が可笑しいのかわからず、今にでも殴りかかりたくなった。
「笑い事じゃないだろ! 何をしたって聞いてるんだよ!」
「おー怖い怖い」
そう言って急に2人は笑うのをやめて僕を睨んだ。
「お前も友美も邪魔なんだよ」
どこから出しているのか疑いほど低い優斗の声。その眼差しと声から冗談ではなさそうだ。
「邪魔ってどういうことだよ」
「そのまんまの意味さ。俺にとったら、友美を奪うためにお前が邪魔だ。武美さんにとったら、お前と付き合うために友美が邪魔」
「…………」
呆気に取られて何も言えなかった。そして後悔した。あの時、素直に優斗に『友美と会った』と言えばこんなことにならなかったかもしれない。
「てことでさ、お前は向こうで武美さんと遊んでろよ。俺は友美と遊ぶからさ」
「もう、やめろよ…」
「はっ?」
「友美…ぐったりしてんだろ。もう、やめろよ…」
スッと僕の全身から力が抜けていくのがわかった。ぐったりとした友美を見て僕は、立っていられなかった。優斗や武美の笑い声がするが、そんなのどうでもよかった。悪夢なら覚めてくれ、そう思うしかなかった。
読んでくださってありがとうございます!
優斗と武美の本性が…
第12話もよろしくお願いします!




