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光影戦記ー光と影の魔術師ー  作者: SAYAKAですよ
第二章 光影決戦
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12/17

12話 魔術大祭 前夜祭

 2週間はあっという間に過ぎていった。

 あれ以降、全員修行に熱中していた。僕も修行をし、強くなっていった。

 保健室の火影は、先生の許可のおかげで軽い運動なら許されていたらしい。

 そして魔術大祭まであと1日、前夜祭の日が来た。


「いやぁ、ついにだな」

「とうとう明日、魔術大祭が始まる。修行は十分だ」

「そういえば、他のクラスってどんな感じなの?」


 全員が口々に言葉を交わす。

 確かに他のクラスについては何にも調べていなかったな。今から調べるにも遅いし•••••。


「Cクラス、人数10人、リーダー格不明、全体的に大祭に積極的なクラス」


 話し出したのはドアに前に立つ火影だった。


「やあ火影、体は大丈夫?」

「ええ、おかげさまで私はしっかり休めましたよ?」


 すごく嫌味な感じに言われた。まあそれもそうか。あの日の決闘は流石にやろ過ぎた。


「にしても調べててくれたんだ。他のクラスは?」

「休んでる間暇でしたので。それはそれとして、次はBクラスですね。Bクラスは、人数10人、リーダーでは無いけれど、クラスのトップは名簿1番の風切刃(かざきり じん)、入学時はAクラスレベルだったのに、なぜかBクラスにいる謎の人物、大祭には半数以上が積極的」


 風切刃、なんかカッコいい名前だな。でもなんでBになったんだろう。


「最後にAクラス、このクラスは本当に異様です。人数は変わらず10人、リーダー格は獅子王アーサー(ししおうあーさー)、獅子王家の跡取りで、アーサーはおそらく偽名です」

「アーサーって、でも、それだけじゃあ別に異様ってほどじゃなくない?」

「問題はそこじゃありません。あのクラスは恐ろしく統制がとれているのです。教室の間では、一つの国のようだと」

「国って、たった10人の統制がとれてるってだけで国は大袈裟じゃないか?」

「私もそう思います。ですが、警戒しておいた方がいいでしょう」


 どうしてそんな噂が立つのかは会ってみないとわからないか。まあ今日の夜の前夜祭になればわかることだろう。


「盛り上がってるな。じゃあ前夜祭の前に、魔術大祭についておさらいしておこうか」


 教室に入ってきた紅炎先生が、生徒たちを席に座らせる。


「まず、種目についてだ。種目数は全部で5つ、一つ目は王取り合戦、二つ目はクラス対抗決闘、三つ目は無人島サバイバル、四つ目はクラス対抗決戦、五つ目は全学年王取り合戦だ」


 一つ目、王取り合戦は、クラスから4人選抜し、1人が王様で残り3人が王を守る騎士として戦う。王が取られた瞬間そのクラスは敗退、最後に残ったクラスが勝ちになる。

 二つ目、クラス対抗決闘は、5人選抜し、A〜Dのクラスが1人ずつ戦う。そして、1人負けたら次の人が、それも負けたら次の人、という感じで最後に残ったクラスの勝ち。

 三つ目、無人島サバイバルは、クラスから6人選抜し、一人一人がランダムな場所からスタートする。仲間と合流して戦うのが鉄板作戦。やられた人はその時点で退場、クラス全員がやられたら敗退。

 四つ目、クラス対抗決戦は、各クラスが選んだ最強1人を選抜、A〜Dの計4人で最後の1人になるまで戦う。

 五つ目、全学年王取り合戦は、四つ目に勝った1〜3年のクラスの選抜4人メンバーが王取り合戦をするというもの。毎年、勝つのは三年生である。一年で勝ったのは過去一回のみだそうだ。


「じゃあ、各競技に誰が出るかだが———」


 説明は終わり、後は夜まで自由時間だ。

 僕は千歳のところに行っていた。


「やあ光祐くん、2週間ぶりだね。何か用かな?」

「いや、用というか、大祭前になんとなく寄っただけなんですが、取り込み中でしたか?」


 千歳は、部屋の真ん中に置かれた応接用のソファに座っていた。

 目の前には体を純白に包まれた男と、首に十字架をかけた黒服の男だ。


「今ちょうど話が終わったところだよ。あ、この人たちはね」

「私は神聖魔術教会の教皇である、アギオス•ホワイトマギアというものです。こっちは———」

「神父の正依 利夜(まさより かがや)です」


 魔術の世界には複数の派閥が存在する。この学校は魔術を人間の力として探究する集団【魔術探究協会】通称、魔探協会。

 そしてこの教皇と神父が属するのは【神聖魔術教会】通称、聖魔協会。

 そのほかにも複数派閥があり、それぞれが仲良しとは言い難い関係である。


「失礼ですが、なぜ教会の教皇がここに?」

「もうすぐ魔術大祭があるでしょう。私は一応魔術に関するものとして招かれるんですよ」


 なるほどね。まあ来たくはないけど招かれるから、ぐらいの感じなのかな。


「では、今日はお暇させてもらおうかな。今日はありがとうございました。行くぞ、利夜」

「はっ」


 2人は部屋を出ていく。ドアの前ですれ違った時、ふと、神父に見つめられている気がしたが、気のせいだろうか。

 いなくなったのを確認して、僕は口を開いた。


「初めてみました、教皇なんて」

「まあ、そうそうお目にかかれる人物ではないからね。で、君はどうしてここに?」

「さっきも言いましたがなんとなく。まあ強いていうならちょっと聞きたいことがあって」

「なんだい?」

「魔術大祭の開催場所についてなんだけど」


 開催場所については先生からなんの話も来ていない。僕はそこが少し不安だった。一体どこなのだろう。


「ああそっか。君は聞かされていないね、そういえば。いいだろう、私が直々に教えてあげよう」


 魔術師には位が存在する。その中でも最上位に位置する『魔女』の1人、結界の魔女と呼ばれた者が作った大魔術結界『シリウスミナス』。

 結界の魔女が生涯の全てを捧げて完成させた現存する結界で最も古く、最も強力な結界。

 その結界の中では寿命を除き死ぬことがなく、万人の理想を体現すべく作られた。

 だが完成には至らず、叶えられる願いは結界の主導権を持つ者が抱いた一つの願いしか叶えることができなかった。

 だが不死は実現できたため、この結界は魔術師の訓練、祭り等に使われるようになった。


「そして結界の主導権は代々校長が持つようになった。今は代理の私が持っている」

「そんなすごい結界があったんだ」

「ちなみに叶える願いというのは結界の外では効力を発揮しない。そして個の為のみの願いは叶えることができない。世界最強にして、とかね。魔術大祭では主に、種目のためのステージ作成に使われる」


 確かにものすごい結界だ。しかもこれで完成じゃなく、理想は万人の理想を叶える者だとは。そんなもの人間には作れないだろう。


「そうだね。彼女はそう知ってなお、その願いを諦めることはなかった。まあこの結界も人間が作れるレベルを超えてるんだがね」

「教えてくれてありがとう。知りたいことは知れたし、僕はここで」

「ああ。魔術大祭、頑張れよ」

「はい」


 そして僕は部屋を出て自分の部屋に戻る。

 部屋に着いたらベッドに潜り込んで目を瞑る。

 魔術大祭まで寝ようかな。時間は確か夜明け、4時30分あたりだったか。

 タイマーをセットして、眠りにつく。


          *  *  *


 ピピピッ、ピピピッ

 タイマーの音で目が覚める。時間は夜の四時、空はまだ暗く、太陽は顔を出していない。


「お、おはよう。起きたのか」

「ん、おはよう」


 横のベッドにはルームメイトの天沢 氷織(あまさわ ひおり)がいた。


「いい時間だし、そろそろ向かうか」

「向かうって、大魔術結界に?僕場所知らないけど」

「僕だって知らないよ。まあ行く方法は知ってるけどね」


 僕らは部屋を出て、学校のいつもは閉鎖されている扉まで来た。


「ここだよ。この扉は大魔術結界に繋がってるんだ」


 扉を開くと、その先は歪んだ空間が広がっている。

 僕らはその中へ入っていく。そこでとても眩しい光に襲われ、目を瞑る。

 光が弱まり目を開くと、そこはたくさんの人で賑わう大きな広場があった。

 魔術大祭まであと少し。光祐は魔術大祭に勝利することができるのか?

 他のクラスにはどんな強者が待っているのか。


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