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ふぅ…とりあえず。龍崎に会わずにクラスまでこれた。今日から私はどうなるのだろうか…深呼吸して、ドアを開ける。
「ごきげんよう!小百合様。」
嬉しそうな顔をして、ワカメちゃんが走り寄ってくる。その様子は子犬のようで尻尾があるならはち切れんばかり降っていることだろう。
「…ええ、ごきげんよう。お体の具合はもう良くって?」
「はい、すっかり。小百合様のおかげですわ。ありがとうございます。」
頬を赤らめお礼をいう。
「当たり前のことをしただけよ。お気になさらないで。ワカナさんが無事でよかったは。」
「でも…私、意識がはっきりしてなくて…小百合様は私に何かお声をかけてくださったような気がするのに。」
「具合が悪かったのだもの。気にしないで、大したことではないから。」
ワカメちゃん…すごいキラキラと目を輝かせて私をみている。そんなに見られたら照れちゃうわ。
「マラソン大会でのご活躍聞きましてよ。」
「小百合様、感激いたしました。」
「小百合様に一生ついて行きますわ。」
え…もうそんなに広まってんの?一生とか大げさな。すごい私の株が上がってる…びっくり。そんな大したことしてないよな?噂に尾ひれつきまくってるのか?
「皆様、もう知っていらしたの。」
「ええ、前半の最後尾の方々が小百合様をお見掛けしたと。今朝にはもう全員知ていますわ。」
相変わらずの情報網。スゲー
昼休み。ワカメちゃん率いる我がクラスの小百合取り巻きグループは異常なほどに私にべったりだ。どうした…みんな、とりあえず頭を冷やして!
「小百合様、今日は櫻凛会の方へ行かれるのですか。」
「いいえ、今日は特にお仕事もなさそうだしここにいるつもりよ。」
私の周りから、キャー、キャー、歓声が上がる。私の隣の席を陣取ろうと頑張っている。みんな、頭冷やそう。うむ…なんか微妙な気持ち。
バン
勢いよくドアが開く。なんか嫌な予感がする。全力で振り向きたくない!
『キャー、龍崎様〜』
私の周りの女の子達から歓声が上がる。やっぱりお前か…くるなよ…変なうわさ立つだろ!
「龍崎様、どうしてここに?」
「どなたかに用ですの?龍崎様」
「お前らに用はない。」
女の子達の質問をズバッと斬って、我が物顔で堂々と教室を横切り、私の前に立つ。やっぱりか…ハァー。心の中でため息をつく。
「来い。」
どこに?何故?説明を求める!あっ、そうか、ここではっきりと行きたくないって言えば私が龍崎のこと好きじゃないって取り巻きちゃん達、理解してくれるかも。おぉ、さすが私。冴えてますなぁー。
「櫻凛会のお仕事はなかったと思いますわ。今日はお友達と過ごす約束がございますの。特にご用がないのでしたらお引き取りくださいませ。」
どうだ!
「はぁ?何言ってんの。俺が来いって言ったら来いよ。わざわざおまえのクラスまで来てやったのに。」
どんだけ俺様なの?こいつ…
「おい、コイツ連れてっても問題ないよな。」
龍崎は私の取り巻きちゃん達に聞いた。でも、その言い方はハイしか言えないからね。許可というより脅迫だから…
「はい、もちろんですわ。小百合様、龍崎様に意見できるなんてすごいわ。そんなに仲がよろしくていらしたのね。」
ワカメちゃーん!みんな…今のは私が龍崎嫌いって思うとこだよ。
「全然仲良くなんてないわ!」
「もう、照れちゃって、小百合様ったら。応援してますわ。」
誤解なのに…
「おい。いつまで、待たせんだ?おまえ俺のイ…」
「い、今行きますわ!」
やめて、みんなの前で犬とか言わないで!キッと睨んでやったのに龍崎は涼しい顔している。ここまでか…諦めてついて行くことにした。
もう…これが永遠に続くなんて耐えられないよ…早くなんとかしなきゃ!
評価、ブックマーク登録してくださった皆様、お読みになってくださった皆様、ありがとうございます。これからも頑張ろうと思いますので、完結までお付き合いいただけたら幸いです。よろしくお願いします。




