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遠足からみんなとの距離は縮まった気がする。虫を追い払っただけだけど命を救われたかのように感謝された。
今は夏休みの話で持ちきり。
「皆様、今年のご予定は?」
「私、家族でハワイの別荘に行きますわ。」
「まぁ、楽しそうね。私は避暑地の別荘ですわ。」
「私はイギリスに住んでるお爺様のところへ行く予定ですわ。」
みんないいなぁ。私はいつもならどこか外国の別荘か、我がグループのホテルに行くのだが、今年はお兄様のお受験で遠出はしないのだ。
「私は今年は日本にいますのよ。皆様楽しんでいらしてね。」
「そうなんですの。私、小百合様にお土産買ってきますわね。」
ワカメちゃん、いい子ー。
「私も。」「私も。」
みんな口々にいう。すっかり、みんなに好かれたらしい。とりあえず、ミッション第一段階クリアか?
「ありがとう、嬉しいわ。」
「小百合様は櫻凛会のパーティー行くんですよね。いいですわね、夏休みにも龍崎様と藤堂様にお会いできるなんて。」
そんなキラキラな目をして、みんな…代われるものなら代わってあげたいよ…
櫻凛会では夏のOBOGと現役生を交えたパーティーがあるのだ。どうしようかな。普段から着慣れている着物で行きたいがさすがに夏で暑いからな。着物で行けば誰かにダンスに誘われることもなさそうだし…楽そう。勿論、ダンスくらい完璧に踊れる。(だが、しかし、ダンスは男女ペアなのだ!男になんか触れたくない。)でも暑いのはなぁ…ドレスかな…しょうがないか。
「小百合ちゃんは、もうドレスきめましたか。」
「いいえ、まだですわ、絢香お姉様。お姉様は決めたのですか?」
「ええ、この前買いに行きましたのよ。薄紫色のドレスにしたのよ。」
「すごくにあいそうですわね。お姉様のドレス姿、楽しみですわ。」
私もその後お母様と買いに行った。水色のミニドレスに決めた。ウエストに大きなリボンが付いていてとても可愛らしいものだ。
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サマーパーティー当日。
お兄様がエスコートしてくれている。お兄様の好きな方をエスコートしてあげてと断ったのに…正直、お兄様といけるのは嬉しいがお兄様はイケメンな上に性格もよく超モテるのだ。お兄様が誰かと恋すれば後々現れるだろうヒロイン結菜と恋に落ちることがない(はずだ)。
乙女ゲーム『初恋』は題名の通り、イケメンと初恋をすることができる恋愛シュミレーションゲームだ。つまり、お兄様の初恋が誰かのものになればお兄様は攻略対象から外れるはずなのだ!(タブン)さぁさぁ、お兄様恋をしちゃって!破滅エンドからおさらばよ。
残念なことにお兄様はまだ好きな方がいないらしい。まぁ、恋愛なんかしたくない私が恋愛を勧めるのもなんかおかしな話なんだが…
今年、パーティーが開かれるのは龍崎グループのホテルだ。な、なんだ…すごすぎるよ…内装は中世のお城のようだ。シャンデリアが天井に輝き、壁は大理石。床には絨毯が敷かれ、窓はスタンドガラス。さすが、一泊50万のホテルは違うな…
「小百合、口が開いてるぞ。」
口に手を添える。ヤバイ…きっとすごいアホ面してたな。そっと周りの様子を伺う。龍崎と藤堂と目があった。くそぉ…見られた…2人はクスクス笑っている。
パーティーが始まった。ホールの中央のスペースではダンスが踊れるようになっている。オーケストラの生演奏でみんな楽しそうに踊っている。立食パーティーで料理はどれもすごくおいしそう。残念なことに、人目もあるからガツガツ食べれない。私はバルコニーで風にあたりながらノンアルコールカクテルを飲んでいる。ピンクとオレンジのグラデーションでとても可愛いものだ。バルコニーは最高だ、疲れて休んでるように見えだるからも話しかけられない。
「おい、何してんだ。1人で寂しい奴だな。」
えっ、龍崎…最悪。なんで来たのさ。
「龍崎様、ごきげんよう。少し、休んでいただけですわ。今戻ろうかと思っていたところですのよ。」
退散、退散。龍崎と2人でいるとこなんか見られたら変な噂が立って大変だ。軽く頭を下げ、会釈する。
「なんだよ、俺と話せて嬉しかったか。」
ハ…?何言ってんのこいつ。どこでそう思った。普通、すぐに離れていこうとしたんだから嫌われてるって思うだろ。会釈したせいかな、この勘違い野郎の俺様め。
「私はこれで。ごきげんよう。」
イライラする…近くのテーブルに置いてあったさっきと同じ飲み物をとり、一気に飲み干す。あれ…これさっきのと違う…ヤダ、アルコール入ってるよ。
…んん、なんか頭クラクラしてフワフワする。
「おい。大丈夫か?」
…龍崎…?そこで意識を失った。




