第31話:足音なき足跡と追撃の影
Chapter Soundtrack:
Fleetwood Mac - "The Chain"
(BGM: Fleetwood Macの名曲に乗せてお送りする第31話! 朝の冷気の中に発見された、不気味な「足音なき足跡」。追ってくるのは省の「行政的監視」か、それとも……? 決断を迫られた一行は、追手を巻くため未安定領域の強行突破を選ぶ! 緊迫の尾行劇と決意の足音をお楽しみください)
二度目の夜明けは、霧もなければ灰色の不安定さも伴わずに訪れた。ただ単純に、誰よりも早く目を覚ましていたアイレフが、冷え切った焚き火の灰の脇に屈み込み、見つけたくはなかったものを見つけた者の顔をしていた。
「タラ」
たった一言だったが、それで十分だった。女戦士は、その残響が消え去る前にすでに立ち上がっていた。
「……何よ」
「足跡だ。五十メートル先、開けた場所の縁に沿っている」アイレフは完全に立ち上がることなく、木々の方を指差した。「昨夜のものじゃない。一昨日の夜のだ。それに、あの『兄弟会』のバカどもの足跡でもない」
ウンバは目をこすりながら起き上がった。まるで証拠を抱いて眠る者のように、まだ本を胸に押し当てたままで。ランロットは世界から孤立したように最後にもう一度大きないびきをかき、タラにブーツでカツンと叩かれた。
「どうして彼らのじゃないって分かるの?」
胸の脇に本能で籠12を抱え直しながら、Kimが尋ねた。
「『兄弟会』の連中はな、自分たちが来るのを誰かに気づいてほしいみたいに歩くんだよ。恐怖を与えて、通行料をむしり取れればそれでいいからな」アイレフは立ち上がり、ズボンで手を拭った。「だがこの足跡は、ここを通ったことを誰にも知られたくない奴らのものだ。かかとから着地し、ゆっくりと重みをかけ、足を引きずらない。音を立てない訓練を受けた奴の手際だ。それに、三つの異なる足跡が並んでいる。どれも俺たちのキャンプの方を向いている」
青い画面が、まるで口を挟む価値があるかどうか迷っているかのように、遠慮がちに点滅した。
【 近接反応を検知 】
【 陣営:未特定 】
【 隠密レベル:高 】
【 システム注記:移動パターンは標準的な行政監視プロトコルと一致します。限定領域へのアクセス権がないため、機関の所属を確認できません。 】
トリクシーは、文字を読むのに通常必要とするよりも長い時間、その画面を見つめていた。
「『標準的な行政監視』ね……」
彼女の声には、何の喜びも含まれていなかった。
「要するに『お前たちに知られたくない省の人間』っていう公式隠語よ」
「昨日の警告ね」完全に目を覚ましたウンバが言った。「監視区域ではユニット12の話をするなっていう……」
「その通りよ」
Kimは脳が理由を処理しきる前に、胃が少し縮み上がるのを感じた。
「王都から……つけられてたのか?」
「あるいは人参村からか、ハト小屋からか、あるいはハローがフォームに『製造上の欠陥の可能性あり』と書き込み、どこかの部署の誰かが予定より早くそれを読む気になったまさにその瞬間からか、ね」トリクシーが言った。「あのフォルダには『いつか確認する』って書いてあったわ。今日がその『いつか』だったのかもしれない」
タラはすでに儀式ばった動作もなく、無駄のない動きで毛布を丸めていた。
「いつからなんて関係ないわ。大切なのは、今私たちがどうするかよ」
彼女は北の方角、草がまだ生きているのか枯れているのか迷っている境界線を見つめた。
「選択肢一:通常の、より遅い街道を進み、奴らがいつ姿を現すか決めさせる。選択肢二:未安定区域を突っ切ってショートカットする。足場は最悪。すべてが最悪よ。でも、音を立てない訓練を受けた連中が、地面が時々存在しなくなるような場所を追ってきたいと思うかしらね」
「奴らが正気で、私たちが狂っているという前提に立った計画だな」キャンプの自分の荷物をすでに担ぎ直しながら、アイレフが要約した。「気に入った」
ようやく正気に戻ったランロットは、甲冑を半分だけ締め、尊厳を完全に保ったまま立ち上がった。
「潜む敵がいるならば、誉れ高く正々堂々と立ち向かうのが筋! 呪われた地へと逃げ込むなど……!」
「筋を通すべきなのは、十一羽のニワトリと荷物を積んだロバが無事にクレーターへ辿り着くことよ」
彼を見もせずにタラが遮った。
「誉れは籠を運んでくれないわ。ロバに行きなさい」
人類の不条理な危機などどこ吹く風で、ずっと何かを噛み続けていたロサリンドは、自分の名前を聞いて耳をピクと立て、そのまま噛み続けた。
Kimは目線を籠へと落とした。ニワトリは、彼が抱え始めてから初めて、北を見ていなかった。
彼女は後ろを見ていた。街道の方を。理論上は、まだ誰もいないはずの場所を。
「トリクシー……」低い声で、Kimが呟いた。「あいつ、最初から知ってたんじゃないか?」
妖精は鳥の視線を一瞬だけ追いかけ、今回ばかりは気の利いた返しを用意していなかった。
「……ええ」静かに、彼女はただそう言った。「私もそう思うわ」
ウンバは何も言わずに本を法衣の中に仕舞い込んだが、その手つきは、今日は籠12をグループの端ではなく中央で歩かせようと静かに決意した者のそれだった。
タラは最後の袋を結び終えると、追ってきた者がいるかを確認するために振り返ることもなく、怪しい草のラインに向かって北へと第一歩を踏み出した。
「移動するわよ。迅速に、静かに、歌わずに」
誰ともなしに、そして特にランロットに向けた短い沈黙。
「絶対に、歌わずにね」
一行は彼女の後に続き、常に完全に存在するとは限らない領域へと歩き出した。自分たちの姿を決して見せない術を熟知した何者かに、背後を追われながら。
そして籠の中で、ユニット12は今も後ろを見つめ続けていた。
第31話をお読みいただきありがとうございます!
朝の冷気の中で発見された「足音なき足跡」。
省の「行政的監視」という不気味な影が背後に迫る中、一行はリスクを承知で地面が消えかかる「未安定領域」への強行突破を選択します!
そして、後ろをじっと見つめ続けるユニット12の意図とは……?
今回のBGMは、Fleetwood Mac の "The Chain" でした!
ズシリと響くベースラインと緊張感あふれるリズムが、忍び寄る追手と退路のない旅路の緊迫感を力強く引き立てます。
======================================== 【新章 Soundtrack List】
・第二十八話: Robert Johnson / The Blues Brothers - "Sweet Home Chicago"
・第二十九話: The Rolling Stones - "Jumpin' Jack Flash"
・第三十話: Moby - "God Moving Over the Face of the Waters"
・第三十一話: Fleetwood Mac - "The Chain"
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追手を撒くため、さらなる不条理の世界へ足を踏み入れるキムたち。
次回もどうぞお楽しみに!
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Thank you for reading Chapter 31!
The group spots stealthy tracks left by mysterious Ministry trackers and decides to cut through the unstable rendering zone to lose them.
Today's soundtrack features "The Chain" by Fleetwood Mac!
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