第22話:白い台地とデジタルな羽音
Chapter Soundtrack:
Gaby, Fofo y Miliki - "La Gallina Turuleca" (La Gallina Turuleca / 謎のひよこ音頭)
(BGM: 新章開幕! 昭和・海外の童謡としても親しまれる狂気の童謡に乗せてお送りする第22話! 「白い台地」の聖なる鶏舎で繰り広げられる十二羽の収集劇。しかし、システム表示が消えたその時、一羽のニワトリが放ったのは……あの「モデムの接続音」だった!? ギャグと謎が交錯する衝撃の展開をお楽しみください)
「白い台地」は、白くはなかった。
それは夏場の乾燥しきった土の正確な色をしており、中央には歪んだ木造の小屋があり、一見するとごく普通のニワトリに見えるものを囲むように曲がりくねった杭の柵が設置されていた。錆びた釘で打ち付けられた看板には、こう書かれていた。
『白い台地の聖なる鶏舎。許可なく触るべからず。そう、不細工なやつもだ』
「聖地って風情じゃないな」闇市場で予言の血統のニワトリがいくらで売れるか頭の中で弾き出しながら、アイレフが言った。「排水問題に悩まされてるただの農場に見えるぞ」
小屋の裏から、泥と穀物の汚れがついた割烹着をを着た老女が現れた。白い髪を手ぬぐいの下にまとめ、両手にバケツを一つずつ提げている。彼女は驚く風でも、重々しい様子でもなく、一行を見た。黄金の羊皮紙を携えてやって来る「選ばれし者たち」のパーティーを何度も見ては、誰一人としてニワトリの目に突かれずに捕まえる方法を知らないことにうんざりしてきた者特有の疲労感を漂わせながら。
「グリセラ婆さんだよ」バケツを地面に置きながら、彼女は自己紹介した。「で、十二羽の件かい?」
「十二羽の件よ」タラが認めた。
「よし。唯一守るべきルールを聞きな。絶対に追いかけるんじゃないよ。奴らは自分たちの気が向いた時に勝手に止まるんだ。追いかけ回したら、絶対にニワトリが勝つ。この四十年間、一キロ半の鳥に敗北していった騎士たちを腐るほど見てきたんだからね」
すでに英雄的な意気込みで柵へ向かって手を伸ばしかけていたランロットは、そっと手を引いた。
実際の作業には、儀式めいたものは一切なかった。グリセラ婆さんが鶏舎に入り、ランダムに——そう見えた——一羽を指差しては、「それだ」と言ったり、「それは駄目だ、卵を歪んで産むから勘定を狂わせる」と言ったりするだけだった。ウンバはノートに猛烈な勢いでメモを取り、存在しないパターンを見つけ出そうとしていた。アイレフは誰も見ていない隙を見計らって、「念のため」ともう一羽余分に袋に詰め込もうとしたが、指に正確すぎる突っつきを受け、ロサリンドが耳を背けるような不吉な言葉を吐き捨てた。
【 システムウィンドウの表示なし 】
誰も口に出さなかったが、全員が気づいていた。
十一話にわたって続いてきたモデムの異音と青いウィンドウが、初めて姿を消したのだ。そこにはただ、ニワトリだけがいた。
キムは十一羽目のニワトリを抱えることになった。儀式めいた雰囲気もなく腕に押し付けられたのは、温かく神経質な羽毛の塊だった。それは身をよじり、ピンクのスカートの袖を一度突っつくと、じっと動きを止めた。
じっとしすぎていた。
羽ばたきもしない。鳴き声も上げない。鳥特有のあの独特な仕草——片方の目を固定し、もう片方の目を隠すように首を傾げ——他の十一羽のどのニワトリもグループの誰にも見せたことのない凝視で、キムをじっと見つめていた。
「おい……」キムは居心地悪そうに言った。「トリクシー? こいつ、僕を妙な目で見つめてくるんだけど」
「私もよ……」いつもとは違う沈黙を守っていたトリクシーが、いつもの皮肉を封印してゆっくりと近づいてきた。「ニワトリに対してそんなこと言いたくないんだけど、私に対しても妙な目を向けてるわ」
そして、誰も驚かせたわけでもなく、犬も悲鳴も突然の影もない中で、そのニワトリはくちばしを開き、鳴き声とは程遠い音を漏らした。
それは、電子音だった。短い、デジタルな、モデムが接続するような音。
第一話のイラクサの畑の雄牛以来、すべてのシステムウィンドウとともに響いていたのと全く同じ音。ただし今回は、どこからともなく聞こえたのではない。その一キロ半の羽毛の体の内部から聞こえてきたのだ。まるで誰かが小さなスピーカーを体内に隠したかのように。
鶏舎に完全な沈黙が訪れた。四十年間何事にも驚かなかったグリセラ婆さんでさえ、バケツを半分持ち上げた姿勢のまま固まっていた。
「……そいつは」それまでより少し震える声で、おばあさんがついに口を開いた。「そんな音を立てるなんて、一度も聞いたことがないよ」
キムはニワトリを見た。ニワトリもキムを見返した。
そして旅の中で初めて、何が起きたのかを説明する青いウィンドウも、システムの評価も、事態をうやむやにするトリクシーのジョークも現れなかった。
風の音と、穀物の匂い。
そして、その場にいる誰もがまだ言葉にできず、口にしたくもない理由によって、なぜか『キム・ミンジュン』という人間の本名を正確に知っているかのような一羽のニワトリだけが、そこにいた。
「さて」いつもの実務的な態度で沈黙を破り、すでに別のニワトリを抱え直しながらタラが言った。「あと十一羽集めてズラかるわよ。妙なことは後で考えましょ。手が塞がってる時に考えるとロクなことにならないわ」
キムは頷いたが、鳥から目を離すことができなかった。旅の途中で手にしたどんなアイテムよりも丁寧に胸に抱きかかえると、グループが残りの十一羽を集め終える間、彼は無言でそのニワトリを抱き続けのだった。
第22話をお読みいただきありがとうございます!
そして、ここから新章突入です!!
「白い台地」の聖なる鶏舎にたどり着いたキムたち。
しかし、いつも現れていた青いシステムウィンドウが消え、集めたニワトリの一羽から聞こえてきたのは……あの「モデムの接続音」!?
ギャグと不条理に包まれていた世界に、突如として走る謎と緊迫感。あのニワトリの一瞥はいったい何を意味しているのか……!?
新章幕開けのBGMは、狂気の童謡としても知られる "La Gallina Turuleca"(謎のひよこ音頭)でした!
========================================
【新章 Soundtrack List】
・第二十二話: Gaby, Fofo y Miliki - "La Gallina Turuleca"
========================================
ついに揃った十二羽のニワトリ。
システムが沈黙する中、キムたちは黒い隕石のクレーターへ向かうことができるのか……!?
面白かったら、ぜひ【ブックマーク登録】と【評価(★★★★★)】で応援をお願いします! 次回もお楽しみに!
Thank you for reading Chapter 22 and welcome to the new arc!
The party reaches the White Plateau to collect the twelve prophesied chickens. But as the system windows mysteriously vanish, one chicken releases a short, digital modem chime from inside its feathers...
Today's soundtrack features "La Gallina Turuleca"!
If you enjoyed the chapter, please consider **Bookmarking** and giving it a **5-Star Rating (★★★★★)**! See you in Chapter 23!




