↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
21/39

第21話:バイオームの同期エラーとフローリングの草原

Chapter Soundtrack:

Eric Gales - "Whatcha Gonna Do"

(BGM: 重厚でグロッシーなブルース・ロックに乗せてお送りする第21話! 王都を抜け、「存在しない道の地図」に従って進む一行を待ち受けていたのは……世界のロード遅延(バグ)!? パルケ(フローリング)の音がする草むらと、バグった現実を突き進む爆笑の道中劇をお楽しみください)


地図は、技術的には嘘をついていなかった。鉛筆で引かれた歪な線は彼らを王都の城壁の外へと導き、二つの橋を渡らせ、「絵のように美しい遺跡(おすすめ)」と書かれた標識の抜け道を完全に無視して、刈りたての干し草の匂いと穏やかな午後の予感が漂う草原へとまっすぐに向かわせた。

最初の二十分間は、怪しいほど普通だった。コオロギの鳴き声。太陽。半トンのガラクタを背負わずに済むという新鮮さを今なお噛み締めながら、軽やかにつまずき歩くロサリンド。ランロットでさえもしばらく沈黙を守っており、タラの計算によれば、それは「正午前にもう一度喋る」までの十分な猶予を意味していた。

最初にそれに気づいたのはキムだった。なぜなら、最初に被害に遭ったのがキムだったからだ。

温かい草の上を三歩。四歩目にして、彼の左足首はふくらはぎまで雪の中に沈み込んだ——本物の、柔らかく、冷たく、新雪特有のキュッという音を立てる雪の中に。その間も彼の残りの身体は、技術的には、晩夏の陽光が降り注ぐ草原の上に立っていた。

「おいおい……」キムは冬に埋もれた左足と、太陽でまだ温かい右足を見下ろして言った。「これは新しいな」

青いウィンドウがいつものモデムの異音とともに点滅した。だが今回は妙な吃音を伴っており、まるで効果音自体が自分は何の音になりたいのか分かっていないかのようだった。

【 バイオーム同期エラー 】

【 ゾーンA:温帯草原(読み込み完了) 】

【 ゾーンB:高山(半読み込み状態) 】

【 推定原因:ストリーミング失敗による領域の重複 】

【 推奨される解決策:そのまま歩き続け、あまり深く考えないこと 】

「『あまり深く考えないこと』って、システムの公式指示なのか?」

ウンバはすでに、草が雪に変わる正確な境界線の脇に膝をつき、現実の亀裂を見つけて恐怖するどころか感嘆した様子で、見えない国境線をあちこちへ手をかざしていた。

「旅の途中でシステムがくれた唯一の誠実な指示だわ」トリクシーはカップから離れずに答えた。カップからはその体格に不相応な湯気が立ち上っていた。「今のうちに楽しんでおきなさい」

タラはプールに入る前に水の冷たさを確かめるかのように、ブーツの先で境界線を突いた。

「これは魔法じゃないわ。バグよ。偽物の溶岩の時にも見たでしょう」

「まったく同じというわけではないわ」トリクシーが補足した。「あの溶岩は安っぽいデザインだった。これはこの先のエリアの読み込みが終わっていないだけよ。『予算がない』と『時間が足りなかった』の間には技術的な違いがあるの」

「で、実用上の違いは?」両足を片や雪、片や草の上に置き、戦利品を査定する時と同じ冷徹さで状況を計算しながらアイレフが尋ねた。

「ないわね」妖精は認めた。「でも開発者にとってはすごく大事なことだから、私たちも大事なフリをしてあげましょ」

二メートル先、一見すると相変わらず草——緑で、風に揺れ、完璧にそれっぽい草——が生えている場所で、ランロットの boots の下が、磨かれた木材特有の明確な『カタカタカタ』という音を立てた。フローリングだ。草原の真ん中で。騎士は立ち止まり、下を見に行き、それを確認するためだけに全く不要なステップを踏んだ。彼の眉毛は生え際に向かって跳ね上がった。

「高潔なる魔法よ! 我が高貴さを認識し、踏み締める床が我が歩みに合わせて歌っておるぞ!」

「床がフローリングの音を立てているのは、それがフローリングだからだ」アイレフが草に触れながら言った。見た目は柔らかく朝露に濡れているが、強く踏みつけた瞬間にダンスホールの音を立てる。「ただ、まだ草の見た目を取り繕う気がないだけだな」

【 床テクスチャが見つかりません 】

【 代替アセットを適用中:“草地_草原_v3” 】

【 代替物理を適用中:“貴族用室内_フローリング” 】

【 システム注記:このエリアの外見と挙動は、技術的には二つの異なるシーンに属しています。ご不便をおかけして申し訳ありません。 】

「システムが謝罪した……?」

両足が再び温かい草の上に戻ったキム(雪は予告なしに始まった場所で正確に終わっていた)は、ピンクのスカートの濡れた裾を払った。「最初はUIで僕たちを侮辱しておいて、今度は謝罪か。この世界、ずいぶん双極性障害気質だな」

「気質じゃないわ」トリクシーが訂正した。「納期(締め切り)があって、どこかの誰かが睡眠を取るか、芝生のテクスチャの同期を終わらせるかの選択を迫られたのよ。そして睡眠を選んだ。当然の権利ね」

これまで荷役獣としての恭しい沈黙を守っていたロサリンドは、四本の足を同時に雪の境界線へと踏み出すことを決意した。結果は即座に表れた。前脚は本物の雪に膝まで沈み込み、後脚は目に見えないフローリングの上でしっかりと固定され、その音は嘶きと木材のきしみ音、そして上から別のピアノが落ちてきたピアノの音を足して割ったようなものだった。

誰も笑わなかった。全員が心の中で思った。

「地図によれば、これがあと八百メートル続くわ」タラは後ろを振り返りもせず、床が自分を尊重し続けているかどうかも確認せずに歩き出した。「誰も風景に見とれたりしないことを勧めるわ。近くで見つめた瞬間に、風景がそこに存在しないことを決意されても困るからね」

「つまり」ウンバはタラに追いつくために小走りをしながら、二度と踏むことのない幻の雪を感じようと後ろへ手を伸ばした。「私たちは床が存在しない可能性を積極的に無視しながら歩くってことですか?」

「冒険へようこそ」キムは片足が草の音、もう片足がなぜか日本庭園の砂利の音を立てる中で肩をすくめた。「僕は第一話からずっとそんな感じだ」

彼らの背後で、誰も気づかないうちに、一頭の鹿が跳躍の途中で丸三秒間フリーズしていた。解剖学的に不可能な姿勢で四本足を宙に浮かせたままだったが、不意にジャンプを完了させると、自分の存在を一度も疑ったことがないかのように樹木の間へと消えていった。

白い台地への道のりは、決してこの旅の中で最も奇妙な区間にはならないだろう、とキムは確信した。だが間違いなく、表彰台を狙える位置にはつけていた。

第21話をお読みいただきありがとうございます!


「存在しない道の地図」を辿るキムご一行の前に現れたのは、まさかの「バイオームの同期エラー(バグ)」!!

片足は夏の草原、もう片足は冬の雪山。そして見た目は青々とした草なのに、踏むとノリノリでダンスホールのフローリングの音が鳴り響く不条理空間(笑)。


今回のチャプターBGMは Eric Gales の "Whatcha Gonna Do" でした! スモーキーでグルーヴィーなブルース・ロックに乗せてお送りしたバグ道中劇、いかがでしたでしょうか。


========================================

【第四章 王都編 Soundtrack List】

・第十七話: Guns N' Roses - "Welcome to the Jungle"

・第十八話: Panjabi MC - "Mundian To Bach Ke"

・第十九話: Siniestro Total - "Somos Siniestro Total"

・第二十話: South Park - "Theme Song (Intro)"

・第二十一話: Eric Gales - "Whatcha Gonna Do"

========================================


「あまり深く考えないこと」というシステムの公式指示(?)に従い、見えないフローリングの草原を突き進むキムたち。

果たしてこのバグ地帯を抜け、無事に「白い台地」へとたどり着くことができるのか……!?


面白かったら、ぜひ【ブックマーク登録】と【評価(★★★★★)】で応援をお願いします! 次回もお楽しみに!


Thank you for reading Chapter 21!

The party encounters a full-blown biome streaming glitch on their way to the White Plateau! Walking with one foot in summer and the other in winter snow, while treadmills of grassland sound like a polished parquet dance floor.


Today's soundtrack features "Whatcha Gonna Do" by Eric Gales!


If you enjoyed the chapter, please consider **Bookmarking** and giving it a **5-Star Rating (★★★★★)**! See you in Chapter 22!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。