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第13話:ウザい騎士と強制発動のメインクエスト

Chapter Soundtrack:

El Reno Renardo - "Camino Moria"

(BGM: スペインの爆笑パロディ・パワーメタルに乗せてお送りする第三章開幕! クソ重いメインクエスト、ウザすぎるイケメン騎士、そして過積載ロバと共に踏み出す不条理な王道の旅をお楽しみください)

第十三話:ウザい騎士と強制発動のメインクエスト

「王道(カミノ・レアル)」とは名ばかりで、実際には枯れ草と曲がりくねった木々に挟まれたただの埃っぽい小道に過ぎなかった。ロサリンドは世界の重みを背負う者の神聖な遅さで前進していた。一歩踏み出すたびに盾の金属音が響き、足元で花崗岩が軋み、ガラクタの山からロバのものか腐った板のものか判別不能なうめき声が漏れる。

キムはピンクのスカートに付着したゴブリンの乾いた血のシミを無視しようと努めながら、ロバの後ろを亀の歩みでついて行った。その時、街道の道標の陰から一人の男が姿を現した。

男は、太陽の光を直接キムの目に反射させて完全に視界を奪うほど、異常なまでに磨き上げられた全身板金鎧(フルプレート)を纏っていた。背中には重クロスボウを背負い、怪しいほど清潔な青い羽飾りをつけた兜をかぶり、中世の衛生概念をあざ笑うかのような歯磨き粉のCM並みの爽やかな笑顔を浮かべている。

誰も反応する暇もないまま、男は胸に手を当てると、周囲三キロのカラスを飛び立たせるほどのうやうやしい足踏みをしてみせた。そして、これ見よがしの重厚なバリトンボイスを響かせる。

「見積もりを超えし英雄たちよ! 諸君が踏みしめる大地に天の祝福があらんことを! ニンジン村における諸君の偉業は、単に貧しい村を緑の災いから救ったにとどまらず、この大陸の年代記に永遠の語り草として刻まれるであろう!」

静寂。

ロサリンドが鴨の花崗岩像の重みのせいで、鈍い放屁の音を漏らした。

「なんだこのバカは?」

アイレフがナイフの柄に手を置きながら尋ねた。

「私は暁のサー・ランロット! まあ、本名ではないのだが、『光の弩弓手』の誉れ高き称号により、未改宗地域での使用が許可されているのだ!」

騎士は暴言を完全に無視し、キムだけに向けた九十度の完璧な辞令のお辞儀を繰り出した。

「そして、桃色の装束を纏いし崇高なるロードよ! その威風堂々たる佇まいと伝説の楽器は、諸君の魂が偉大なる運命に導かれていることを物語っておる!」

キムはボロボロの革マントを整えながらパチパチとまばたきをした。

「……バカにしてんのか? 俺は二十分前にアイレフが首を撥ねたゴブリンのガキの血をスカートにつけてんだぞ」

「まさに神聖なる天罰の完璧なる執行! 悪への慈悲は善への裏切りに他ならん! 諸君は賢明であり、勇敢であり……まさに目眩くほどに素晴らしい!」

サー・ランロットは鉄の手甲で耳をつんざくような拍手を鳴らした。

「トリクシー……」キムは横を向いて囁いた。「このゲームに『PNJをミュート』する機能はあるのか?」

「現実世界にはないわね」妖精は耳元でコーヒーをすすりながら答えた。「でも頭に石を投げつけると、時々会話文がループに入ってダイアログがリセットされるわよ」

サー・ランロットは金の縁取りが施された巨大な羊皮紙を取り出すと、劇的な音を立てて広げた。もう少しでタラの目を突くところだった。そして白目をむきながら朗読を始める。

「聞け、王国の解放者たちよ。太古の影が我らが大地を覆おうとしている。闇の王、名付けえぬマラコール——まあ、みんな普通に名前で呼んでいるが——が、影の地に狂信的な悪魔の教団を設立したのだ! 彼は絶対的な力を求めている! 存在そのものを崩壊させる『破滅の兵器』を開発しているのだ! で、なんだかんだあって、古の予言は彼を阻む四つの選ばれし魂を求めている!」

タラは腕を組み、心底からの蔑みを込めて羊皮紙を見つめた。

「報酬はいくら?」

「永遠の栄光と、王家からの感謝である!」

ランロットは誇らしげに胸を張った。

「帰るわよ」タラはその場で踵を返した。

「待ってくれたまえ! ダンジョンの最奥には五千枚の金貨が入った宝箱もあるのだ!」

ランロットは騎士の気品を少し失いながら大慌てで付け加えた。

「興味があるな」とアイレフ。

「三つ質問があるわ」タラは足を止めた。「第一に、ダンジョンはどこにあるの? 第二に、マラコールとやらはどれくらいヤバいの? 第三に……これが一番重要だけど……その五千枚の金貨は本物? それともただの王家のプロパガンダ?」

サー・ランロットは不自然なほど大きく咳払いをすると、鎧の内側からもう一枚の小さな羊皮紙を取り出した。

「『影の深淵のダンジョン』だ!」さらに大きな声で宣言する。「荒廃地の北、灰色の峠を越えた先に位置する。そこは最初の落日王たちによって呪われた古代の建造物……入った者は二度と元のお姿では戻れぬと言われている」

「『元のお姿では戻れない』ってどういう意味だ?」キムが本気で不安そうに尋ねた。

「そうだな……ある者は異形の化け物に変貌し」ランロットはオーバーな身振りで言った。「ある者は記憶を完全に失い、またある者は最初から存在しなかったかのように消え去るという……」

ウンバがゴクリと生唾を呑み込んだ。

「そしてマラコールについてだが……奴は五百年前に『大天変地異の嵐』の際に落ちてきた黒い隕石のクレーターの中で生まれたと言われておる……」

「じゃあ不老不死なのか?」

「厳密には不老不死ではない……だが死ぬたびに、黒い隕石の腐敗した力によって九日後にゼロから蘇るのだ……」

「千回殺しても毎回蘇るってことか!? そんなの無理ゲーだろ! ラスボスだってそんな能力持っとらんわ!」

「まあ、魔法の対極に位置する赤満月の夜に、古代の呪文を唱えながら同時に三つの急所器官を切り落とせば倒せるのだがな……」

トリクシーがガラクタの山の上から呆れたように鼻を鳴らした。

「要約するわね。自称・半無敵の闇の王が、昨日思いついたような予言を信じる狂信者に囲まれて地下に住んでいる。で、不条理な伝統に従って選ばれし四つの魂を求めていて、偽物っぽいお金を提示してきて、しかも永続的な死亡リスクが常に激高というわけね」

「まさにそれ故に諸君が選ばれし者なのだ!」

ランロットは攻撃的なほど光り輝く指先でキムを指さした。

「不屈の純潔、無比の勇気、そして……深く象徴的な意味を持つ桃色の装束を備えし魂のみが、かかる運命に立ち向かえるのだ!」

キムは両手で顔を覆った。

「トリクシー、今あいつに石を投げたら、ループはどれくらい続く?」

「石の品質によるわね」妖精が答えた。「リュートのポケットに入っているやつなら、三分間くらい同じセリフをリピートするはずよ」

タラは動かなかった。潰しても死なない虫を見るような目でランロットを見つめるだけだ。

「金貨五千枚」彼女は繰り返した。「現金支給? それとも『王国が平和になった時に王家の感謝が金貨に変わる』タイプのやつ?」

ランロットは一瞬、答えに詰まった。

「……厳密には、マラコールを倒した後の最奥の部屋に宝箱がある」威勢をわずかに弱めて認めた。「だが価値は王家が保証しておる! 王家の印章も捺してあるぞ!」

「ナブコの4-B号様式にも王家の印章は捺してあったが、雨漏りする納屋をあてがわれるのを防ぎはしなかったぞ」アイレフが呟いた。

ウンバが気まずそうに手を挙げた。

「あの……もしこれがシステムのメインクエストなら……拒否することはできるんですか?」

トリクシーがため息をついた。ここ数時間で初めて、彼女の表情が「事務的な同情」のようなものに変わる。

「無理ね。チュートリアルガイドの立ち会いのもとで、公式勧誘PNJから予言の羊皮紙が手渡された時点で、メインストーリーは『アクティブかつ回避不可能』としてマークされるの。放棄しようとすると、システムは三十分ごとに『不可避の運命イベント』を発生させ始めるわ。予言のタトゥーが入った狼、予知夢、『選ばれし者たちだ!』と街で叫ぶ子供たち……本当に鬱陶しいわよ。ミュートもできないし」

キムは金色の羊皮紙を見つめ、次に半トンのガラクタの下に存在するロサリンドを見つめ、血のシミがついたピンクのスカートを見つめ、最後に、世界滅亡でも生き残りそうな歯磨き粉CM笑顔を浮かべるランロットを見つめた。

「つまり……選択肢はないってことか」

「正解」トリクシーが認めた。「あなたたちは強制的にヒーローなのよ。システムは打ち切りエンドを嫌うの」

タラは鼻から息を吐き出した。感情を押し殺した「やってられるか」の意である。

「いいでしょう。じゃあまずは王都へ行くわ。こんな紙切れのサーカスじゃなくて、まともな情報が必要よ。それとあなた」彼女は顎でランロットを指した。「一番後ろを歩きなさい。一時間に三回以上口を開いたら、あのダックの石像と一緒にロバに縛り付けるわよ」

サー・ランロットは前屈みになりすぎて顔から落ちそうになるほど深くお辞儀をした。

「偉大なる解放者の方々の、静かで感銘 widow な護衛を務めさせていただけるのは光栄の極み! 私のクロスボウと不屈の忠誠は、聖なるスカートのロード、貴方様と共にあります!」

キムは両手で顔を覆い、深いため息をついた。

「もう後悔してきた……」

第13話をお読みいただきありがとうございます!

第三章「王道編」が堂々開幕! 突如現れたウザさ全開のイケメン騎士サー・ランロットにより、強制的に「メインクエスト」がアクティブ化されてしまいました。


半無敵の闇の王マラコール、怪しい金貨5000枚の報酬、そして拒否不能なシステムの「不可避の運命イベント」……キム・ミンジュンたちのカオスな旅はさらにaccelerateしていきます!


今回のチャプターBGMは El Reno Renardo の "Camino Moria" でした。スペインが誇るパロディ・パワーメタルの重厚かつバカバカしいリズムと共に、第三章の幕開けをお楽しみください。


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【第三章 Soundtrack List】

・第十三話: El Reno Renardo - "Camino Moria"

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王都への道のりは前途多難! 過積載ロバのロサリンドと、喋るたびに縛り付けの危機に瀕するランロットを連れて、一行は無事に王都へ辿り着けるのか!?


面白かったら、ぜひ【ブックマーク登録】と【評価(★★★★★)】で応援をお願いします! 次回もお楽しみに!


Thank you for reading Chapter 13 and stepping into Arc 3!

The Main Quest is officially active, thanks to the overwhelmingly obnoxious Sir Lancelot of the Dawn. With a semi-immortal Dark Lord to defeat, a suspicious 5,000 gold reward, and zero way to decline the quest, Min-jun's group has no choice but to head toward the Capital!


Today's soundtrack features "Camino Moria" by El Reno Renardo.


If you're enjoying the chaos, please consider **Bookmarking** and leaving a **5-Star Rating (★★★★★)**!

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