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アウト・オブ・ワールド!!  作者: 鎌倉まくら
第一章 『"異形"が跋扈する都市』
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第一章 プロローグ『シュトロマイム別邸襲撃事件』

 ――街灯路やネオン灯が醸し出す夜の繁華街は昼間とは違った顔色を映し出す。薄氷の平和に上塗りされた商業主義産デジタルサイネージのDOOH広告が紹介する個性的で先進的な商品が満ち溢れるプエルト地区は、エネルギー開発技術の集積地として発展を繰り返していき、今では仰々しくも乱立する荘厳な超高層ビル群が見物(みもの)である一種の観光地といっても過言ではない。そんなプエルト地区は、"エネルギー戦略特区"設立の下、外国企業の誘致や輸出拡大、産業の国際競争力強化に加えて、エネルギー開発技術の集積地の障害になるようなあらゆる規制を撤廃した結果、膨れ上がった巨万の富を手にした企業連合体(コンソーシアム)や企業連合(カルテル)の温床となっていた——。


 (「――今夜の天気をお伝えします。今朝からプエルト地区では、雨が降り続けてますが、この後も雨雲はしばらく留まる予想です。雨の原因は、南西から北上を続ける低気圧――」)


「――しばらく雨模様らしぃよ?センパイ。」


 ラジオの天気予報を聞き鼻歌を歌いながら右肘を窓際に頬に手を置く。運転席で雨模様の街並みを眺めながら話すのは——特殊保安局——通称『SCC: 特殊保安局(special security service)』——都市治安部所属、第三新都エリーゼ南商業上級行政区担当特務課の調停官——カエデである。


 綺麗な藍色の髪に、包容力のある優しい瞳。丸みを帯びたシルエットに、首元のすっきりとしたライン、ふんわりと揺れる毛先が、軽やかな印象を与える。口元にはトレードマークのホクロがアクセントとなって彼女の妖艶な魅力を引き立ている。大人びた端正な見た目とは裏腹に明るくて社交的な性格は、彼女の魅力の一つだ。


 機動性と機能性を重視した保安局調停官(カエデ)の制服は、外見こそスマートだが実際には様々な機能を盛り込んだハイテクな対戦闘も想定された現代式の鎧だ。各関節部に装着された剛性と柔軟性・衝撃吸収性の二重構造の特性プロテクターに、個々人の性能をフルに発揮するためE素粒子伝導率脅威の99%を誇る特殊仕様のオーダーメイド製のスーツ。清涼感と誠実さや冷静さを印象付ける為に濃紺と黒を基調としたシンプルな配色の制服は、捜査官に対する好意的な心理的な印象を与える色合いを考慮した設計になっている。


「——ここ1ヶ月の間ずうっと雨ばっかりで嫌になるぜ、ほんとに。ここら辺だと地域性や季節性的にもこの時期は停滞前線が居座っているのが恒例だから覚悟はしてたが……今年は例年と比較してもやけに長くないか?」


 ——同じく特務調停官のシャルルは悪態を吐く。

『TWFC(The Weather Forecasting center)』の天気予報が終わるとリクライニングレバーを引いてゆっくり起き上がる。 

 旧式巡回車のセンタークラスターに設置されたラジオ用のオーディオ機は、選局用と音量調節のダイヤルが取り付けられた中央画面に放送局の周波数が表示されるだけのシンプルな構造だ。

 選局用のダイヤルを捻りながら周波数を【911.0MHz】に調節すると音量を少し上げて再びイスに凭れ掛かって両手を頭の後ろに組む。


 (——ラジオから『狂気の仮想社会(曲)』が流れる。)

 「――さぁて、今夜もシティでナ(・)イ(・)ト(・)のお時間になりましたぁ!今日もプエルト地区にお住まいの貴方が気になる情報をご紹介ぃぃぃ!『Stay tune for night!』!!!)


「まぁた、あの番組?先輩も好きやねぇ……『Stay tune for night !』。この時世にぃ、こないな|『Noire』ZVW-OOW6型《クラシックカー》でノワール製手動式オーディオって……渋いなぁ〜。きょーびの人やったら、ノワール新式マルチデバイス音声機能付きカーオーディオとかで"WETUBE(ウィーチューブ)"とか聞くんと違うん?それにぃ、わざわざ高品質のスーパーヘテロダイン受信機を取り付けんくたってぇ、DSPでじゅーぶん。えらい大きくてなぁ、これぇ。」


「うるせぇ、これが俺の好い場なんだよ。嫌だったら他の奴の車乗れって毎回言ってるだろ。」

「……それはいや。」


 今宵は予報通りの雨模様。

 フロントガラスから見える水溜りのできた車道にはヘッドライトやフォグランプを点灯した車や街中の街灯路、ビル群や商業施設の明かりを反射して路上にもう一つの街を創り出して見える。

 交差点で信号機が赤になると車の一時的に停止させる。目の前で左右道路の車や歩行者が互いに行き交うのを呆然と眺めていると、心なしか都会の喧騒が聞こえてくるような気がした。

 曇天の街中はいつもよりも出歩く人の数は少ないが、それでも行き交う人同士が意識的に相手の存在を認識していないと正面衝突してしまうぐらいには沢山いる。


  (「―さぁて、今夜のゲストパーソナリティはこの方ぁぁぁ!今新都エリーゼで最も注目されているアーティスト"ライラ"さんです!はいぃぃ、拍手ぅぅ!!」

 『どうも、マーレナです。よろしくお願いします。』

 「抜群のファッションと可愛さですねぇ〜」

 『ありがとうございます。』

 「ライラさんは、この『Stay tune for night !』というラジオ番組をご存知でしたか?」

 『はい。実は私この番組がすごい好きなんです。常夜灯の中でベットに入り込んでひっそりと耳を傾けていたい……そんな何とも言えない雰囲気がこの番組のとっても、とっても良い所だと思っています、、』

 「それは私としても嬉しい限りですねぇ。それじゃあ、今夜も是非、そんななんとも言えない絶妙な雰囲気を一緒につくりあげていきましょう!ライラさん、よろしくお願いします!」

 『よろしくお願いします。』

 「——改めてまして、本日お越し頂いたのは、エリュシオ州都で最注目のアイドル"ライラ"さんです。アイドルとしてデビューしてからはや一年、異例の早さで人気を博していき人気絶好調!!つい先日には代表曲『Out of this world!!』で"オリエントストリーミングランキング"で一位を獲得!!"桜綬褒章(おうじゅほうしょう)"も噂され話題沸騰中!!本日はそんな彼女と一緒に――」)

 

 ——目の前の十字路を左折して商業地区を南北を横断する完全立体交差型道路の高架下を横断してそのまま中心方面上っていくと南商業地区随一のダウンタウン——"メルン"に着く。

 高速時短化した流通網の確保と販路拡大の目的で建築された完全立体交差型の高速道路は、正式名称を"商業地区環状線"といい、十二に分轄化された第三新都エリーゼに於ける互いの行政区を繋げる基幹路線で、主に各放射線同士を接続する役割を担う。

 その中でも、ドーナツ化現象で急激に過密化した都心円環の血液循環の円滑にするためにプエルト地区に施工された高速道路が"第七型商業地区環状線"——通称、"セブンス・アーテリー"である。


「——にしてもぉ、セブンス・アーテリー沿いはまるで迷宮(ラビリンス)やなぁ。高速道路の合流点(ジャンクション)や煩雑な標識……短い間隔での出入り口(ランプウェイ)はやたら多いしぃ〜、連続する合流・分岐って……ほんと、なんぎするわぁ〜。」


 "道路工事中"や"徐行"と書かれた工事看板を横目に迂回路誘導板の指示通りに道路を迂回していく。都市部の道路は、車通りが多い為か双方車線の工事区域入り口には、仮設の信号機や交通誘導員が多数動員されていた。

 車線と作業帯を分ける伸縮式交通フェンスが軒並み並ぶ姿はいつも以上に道幅に切迫感を感じさせて、カエデはハンドルを両手で握り徐行しながら迂回路を通り抜ける。


「セブンス・アーテリー(ここら一帯)は"エリーゼ"の黎明期の建物が多く立ち並んでる。それに、すり鉢構造の地形的要因で都市開発が複雑化したってのもあるな……。ま、年間利用者数が数億人規模の過密地域だ……財界、異界、政界の利権が蔓延りまくっているんだろうぜ、多分な。」

「黒い噂がありまくりぃ〜、って訳や。」


 ——工事区域を抜けた所でフロントガラス越しに荘厳なメガストラクチャーが圧倒的な存在感を放って屹立しているのが目に入る。500,600メートルぐらいだろうか……いや、そんなものではない。

 高層階は遥か先まで続き雲に隠れてしまってその全貌は確認出来ない。

 その山脈のような巨大な建造物は周囲の地区一帯をを丸呑みしてしまう程に膨れ上がり、高層ビルのように定規で描いた均等で調律のとれたスマート風貌とは言えないカオスで摩訶不思議な摩天楼だ。

 その姿はたとえ100キロ先からでも認識出来る威圧感を放ち、高層階に登れば登るほどにまるで天界が下界を見下すかのように豪華絢爛な装飾や照明が燦然と輝いている。


  ——都市密着型超高層複合用途建造物"バベル"。

 建設省と財閥系の巨大総合建設会社が都市開発の目玉として立ち上げた合同事業"ブリューゲル計画"を成れの果て。

 敷地面積は約1,600ヘクタール、地上900階、地下50階建て。

『建造物内部で自己完結型コミュニティが成立するように開発に不可欠なサービスと施設をサポートできる環境』を主題(テーマ)として建造されたこの建物は、社会インフラはもとより階層構造の居住区や商業区、娯楽施設、複合商業施設を含む建造物群までもが内蔵されたメガストラクチャーであり、今なおその開発が完成することはなく、発展と変革を続けている。

 内部構造の全貌については、総合設計責任者の所在と共に秘匿されている為知ることは出来ない。

 基本的な構造は地層部・下層部・中層部・上層部・高層部・超高層部に区分されている。地層部や下層部、中層部は、一般区域と呼ばれ商業施設や娯楽施設、宿泊施設、駅コンコース、公共施設、公道、企業群などが立ち並ぶ一般エリア。上層部は、富裕層向けのVIPエリア、更に超高層部は政界、財界、異界の有力者及び王族専用の迎賓館や御用邸が建造されているらしいのだがその内部情報は機密事項なので知ることはできない。


「相変わらず仰々しい建物やなぁ〜。やけど、建物としてあまりに不恰好すぎへん?ランドマークならもっとこう、塔脚に正四角錐型のスマートなデザインの方がいいと思うんやけど……。やっぱ、異界は構造力学や建築材料学、建築環境工学すら超越した技術力はあっても幾何学的な美意識が欠けてるわぁ〜。」

「もともと、こっちの常識や感覚を超越した世界なんだ。向こうの世界のものがこの世界にとって不調和なのは極自然なことだろ。それよりも——」


 手持ち無沙汰にと、適当に幾つかの最新ニュースの見出し記事から気になる情報をピックアップして流し読みする。経済、政治、スポーツ、芸能、国際……とジャンルを問わず手当たり次第読んでいくが特段気になるニュースはない。どれもこれもありふれた情報ばかりだ。


 

 ◆◆◆◆

 

『——"変わりゆく都市マゼンタウン"——』


 『——"戦略特区"に指定されたはいいが、巨大多国籍企業の積極的な介入と違法入国の顕著な増加、過剰な都市開発はプエルト地区の大きな課題点だ。"終焉の灯火《イグニス・エクストレーミ》"以降、世の中めちゃくちゃになってるが、中でも異界との玄関口であるプエルト地区の侵食具合は相当深刻だ。"異界表象"も今や原型を留められなくなってきている。——』


 ◆◆◆◆◆◆


【——新オープン総合型低層複合商業施設"BALLOONS(バルーン)"】

 エネルギー開発によって発展したプエルト地区。経済・文化共に最先端を走るこの地に新しい風を。風通しのいい開放的な空間で、ショッピングに食べ歩き、スポーツに夜遊びまで。プエルト地区のランドマーク"バベル"に内蔵された完全屋内公園は、天候に左右されずに自由な過ごし方をで貴方に提供します。エネルギー開発の街、プエルト地区に誕生した新たなカルチャースポットをぜひ楽しんでください。


 バルーンの目玉——それは次の3つです。


 1つ目、史上初の完全屋内式公園。

 エネルギー開発の港町として親しまれてきたプエルト地区は、長年人々に寄り添ったアミューズメント施設や公園などが不足していることが問題視されてきました。世代を問わず全ての人に楽しんで貰いたい、そのポリシーの下、当施設にはスケート場やボルダリングウォールに加え、多目的運動施設を新設。さらに約1,000m²の芝生ひろばは歳月とともに緑のアーチをまとい、自由気ままにくつろげる憩いの場として街に溶け込んでいきます。心地よい自然とエキサイティングなアクティビティが融合した、多機能な公共空間。それが新しいバルーン公園です。


 2つ目、ダイバーシティを意識した店舗群。

 個性豊かな約195の出店者たち。ハイブランドやレコードショップ、シェアオフィスや飲み屋横丁など、様々な店舗が肩を並べます。異なるカルチャーが混ざりあい、触発しあう。世界がもっと面白くなる。全⻑約1000m。あらゆる国との貿易の要所であるプエルト地区の最大の長所を生かした世界各国のカルチャーを常に最先端で楽しむ事が出来ます。


 3つ目、誰でも利用可能——anyone’s 。

『anyone’s 』は、"全ての人に愉快な体験を"を大切にしています。会員制である"バベル"のホテル街には入ることが出来ない、そんな方でも楽しんで頂けるような愉快な1日を提供するために、プエルト地区の最新鋭のテクノロジーを取り入れた様々なギミックが施されています。多種多様な目的でやって来る人々に劇的な体験することを通して、この街の強みを皆様に理解して頂く。我々は"全ての人に愉快な体験を"という理念のもと、「最先端テクノロジー」「オリジナリティ」「カルチャー」を3つの軸にゲストに"自由な時間と、過ごし方。"を提供します。


 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「えぇ〜、センパイそれ気持ち悪くならんの?わたし、車の中で画面見るの絶対無理なんやけど。目ぇから入る視覚情報と体や耳で感じる感覚のズレを繊細に感じてしまう体質なんよ。敏感肌なんよ。」

「別に見ろって言ってねぇーよ。——ってか、運転中なんだから絶対見るんじゃねぇ。」


 ——突然、オーディオ機からノイズ音が流れ、それまでのラジオ番組から一変してプエルト地区の公共放送へとチャンネルが切り替わる。それは、緊急放送の合図だ。

 唐突に行われる強制的なチャンネルの切り替えの弊害によるものだろうか、砂嵐混じりのノイズ音の中で微かに聞こえる無機質なアナウンサーの声。しかし、その内容は途切れ途切れで理解出来ない。

 10秒程度、耳障りなノイズやハム音が流れる続けた後……やっと、回線が安定したのか、臨時ニュースが聞こえてくる。


『——繰り返し、プエルト地区放送局から臨時のニュースをお届けします。先刻、第三新都エリーゼの南商業地区の一角で発生したシュトロマイム伯爵別邸の襲撃事件について追加情報が入ってきました。——当該事件の発生を受けて、『SCC: 特殊保安局(special security service)』は以下のように公式声明を発表しました。


 ——「シュトロマイム伯爵が襲撃された原因は、輸送中に『神の雫』を貯蔵・運搬する為の抗エネルギー容器が破損し、『神の雫』が漏出してしまったことによるものだと推察される。事件当日にシュトロマイム伯爵が取り扱っていた『神の雫』は、"S4"と呼ばれる新型で取り扱いの非常に危険なエネルギー物質で"第13類"にしてされる非常に強力な『ボイド』に対する"誘引性"を有した特殊指定使用規制品である点や指定数量を大幅に超過する膨大な量の"S4"を不届出状態で保有していた点から、背後には『ボイド』によるテロを目論む第三者の存在を視野に入れ、事件の真相究明及び陰謀の早期解決を進めている。

 捜査資料に記載された遺留品その他証拠物件、目撃者の供述、被害者周辺の関係者や事件発生付近の被害者の行動範囲などを犯罪心理学、犯罪社会学の見地やボイド専門家等の意見を踏まえた上で、当局は『クローバー』の存在が事件の背後にある組織的犯罪の可能性も考慮に入れている。」——


 ——とのことです。SCCは、引き続き事件の捜査に全力であたるとのことですが、エリーゼ市民の皆さんは外出の際にはくれぐれもご注意下さい。近くで『真空ボイド』が発生した場合、決して近づかない……そして、すぐにSCCに通報するようにお願い致します。繰り返し放送致します、プエルト区放送局——』


「——ラ・メトリ社製の汎用型エネルギー、通称"神の雫"——E素粒子をもとにラ・メトリ社が製造・開発した新型エネルギーの一種だが、その規格外の性能と使用者の人体への過負荷による悪影響から今は軍事目的以外で殆ど利用されていないんじゃなかったっけか?」

「"神の雫"ねぇ……」

「もし、"クローバー"の手にでも渡ったら鬼に金棒だぞ……ちっ、めんどくさい事をしてくれたな。」


 深層のダークウェブや裏オークションなどを使った闇取引などを行われては、もはやその行方の全貌を追う事は不可能だ。

 "神の雫"は、まさに夢のような代替エネルギーでありながらも、その危険性は警鐘され続けている危険と隣り合わせの諸刃の剣だ。


「——どうするん、シャル先輩。」

「とりあえず、事件の被害を最小限に抑えつつ"神の雫"の行方を追うぞ。一応、ラルド隊長とヨツカにも連絡しとけ。」

「おっけぃ。」

 

 ——彼等が向かうコンクリートジャングルに囲まれた車道の先に一際輝くオアシスのようなシュトロマイム伯爵自慢の邸宅が遠目に見える。

 モダンな建物が主流のご時世にそぐわないロマネスク様式で家主を権威づける荘厳な造り。産根の棟には飾された水切り板が設けられ、窓の輪郭は半円形又は矩形で、深く後退した窓に切表形のドーマー窓が一般的に最も共通的に用いられる。加えて、まぶた形の窓や寄棟形のドーマー、箒積み、矩形の窓と石材で囲われた㯍間、共通した立面、半円形のアーチとしない場合のポーチはの高い柱と楣(まぐさ)で構成される。

 多色装飾は柱頭、アーチ部分に豊かで繊細な装飾を施すことで単調さをなくし、美しい建築物を象徴しているみたいだ。


 既に建物のあちらこちらで火の手があがって、現場は大混乱状態である事が伺える。

 逃げ惑う群衆の声——。

 真っ赤に染める警光灯と騒々しいサイレン音——。


 ——第三新都エリーゼの一角、プエルト地区では今日も事件が相次いでいる。

 "異形(ボイド)が跋扈する都市"は、忙しない時が流れ、喧騒が響き渡る——そんな中で壮大な物語は幕を開ける……‼︎

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