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仮面のない空へ  作者: R


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第三章・第15話

【意志 vs 支配】


 黒の玉座の間。


 ノクスの背後に――

 闇が渦巻いていた。


 無数の“仮面の意志”。


 歴代の英雄、暴君、支配者たちの声。


「……聞こえるか、R」


「……これが……人類が積み重ねた“力”だ」


 Rの頭の中にも、

 声が流れ込んでくる。


『……力を使え……』

『……従え……』

『……支配しろ……』


 膝が、震える。


 原初の仮面が、囁く。


『……受け入れろ……』


『……お前も……神になれる……』


 Rは、歯を食いしばる。


「……違う……!」


 Rは、叫ぶ。


「……俺は……“神”になりたいんじゃない!」


「……ただ……」


「……みんなと……同じ高さで、生きたいだけだ!」


 Rの足元に、光が広がる。


 ノクスが、目を細める。


「……甘い……」


「……人は……弱い」


「……だから……支配が、必要なんだ」


 ノクスは、腕を振る。


 闇が――


 Rに、襲いかかる。


 過去の幻。


 倒れた仲間。


 泣いていた自分。


「……お前は……また、守れない……」


 Rの足が、止まりかける。


 そのとき――


 後ろから、声がした。


「……R……!」


 ユナだった。


 血だらけで、立っている。


「……R……信じてる……」


 カイの声。


「……お前は……逃げない……」


 ジンの声。


「……Rの剣は……真っ直ぐだ……」


 そして――


 クロウの声。


「……立て……R……」


「……お前は……仮面に……負けない……」


 Rの胸が、熱くなる。


「……みんな……」


 Rは、前を向いた。


「……俺は……」


「……支配しない」


「……導くんでもない」


「……ただ……一緒に歩く」


 Rの原初の仮面が、

 “悲鳴”を上げる。


『……なぜ……拒む……』


 Rは、静かに言う。


「……お前は……道具だ」


「……俺の……“意志”の」


 次の瞬間――


 Rは、踏み込んだ。


 ノクスへ。


 すべてを乗せた――


 最後の一撃。


「――終わりだ、ノクス!!!」


 拳が、仮面に――


 直撃した。


 バキィィン!!!!


 原初の仮面同士が、

 激突し――


 空間が、白く弾けた。


 闇が、消える。


 仮面の声が、消える。


 ノクスは――


 膝をついた。


「……な……ぜ……」


 Rは、息を整えながら、言った。


「……人は……」


「……仮面がなくても……立てる」


 ノクスの仮面に、

 無数のヒビ。


「……なら……」


「……俺は……何だった……」


 Rは、答えた。


「……過去だ」


 次の瞬間――


 ノクスの原初の仮面が、砕けた。


 ノクスは、倒れる。


 黒の玉座の間に――


 静寂が、戻った。


 Rは――


 自分の顔にある“原初の仮面”を、

 ゆっくりと外した。


 見つめる。


 そして――


 両手で、握りしめる。


「……ありがとう」


 小さく呟いて――


 叩きつけた。


 バァン……!


 原初の仮面は――

 粉々に砕けた。


 仮面の時代は――

 終わった。

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