表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仮面のない空へ  作者: R


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/36

第三章・第16話

【仮面のない空へ】


 ――それから、何年もの時が流れた。


 かつて、

 人々が“仮面”で生きていた世界は――


 もう、ない。


 街には、

 素顔の笑顔があふれていた。


 力の仮面も、

 支配の仮面も、

 もはや――存在しない。


 そして――


 今日は、祭りの日。


 色とりどりの屋台。


 笑い声。


 太鼓の音。


 子どもたちが、

 走り回っている。


 その顔には――


 おもちゃの仮面。


 ヒーロー、怪獣、動物。


 力は、ない。


 ただの“遊び”。


 ひとりの少年が、

 立ち止まって空を見上げた。


 青い空。


 どこまでも、高い。


 少年は、そっと呟いた。


「……ありがとう」


 隣にいた母親が、

 不思議そうに聞く。


「……どうしたの?」


 少年は、微笑んだ。


「……なんでもないよ」


 また、走り出す。


 そのとき――


 空の向こう。


 雲の間に、

 ひとつの“影”があった。


 誰にも見えない場所で――


 Rは、そこに立っていた。


 仮面のない、

 本当の顔で。


 少年の「ありがとう」が、

 胸に、届いていた。


 Rは、少し驚いて――

 そして、笑った。


「……どういたしまして」


 小さく、そう呟いて――


 Rは、空に溶けた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ