第三章・第13話
【原初の仮面、選ばれる】
黒の玉座の間。
床に伏す仲間たち。
動かないクロウ。
そして――
Rの手の中にある、原初の仮面。
冷たい。
重い。
なのに――
まるで、生きているみたいに脈打っていた。
「……仮面を……持ってないはずなのに……」
Rの喉が、鳴る。
ノクスが、ゆっくりと歩いてくる。
「……面白い」
「……《原初》が……お前を選んだか」
Rは、首を振る。
「……違う……」
「……俺は……仮面に頼らない……!」
だが――
原初の仮面が、
Rの手の中で強く光った。
頭の中に、声が流れ込む。
『……壊す者よ……』
『……お前の意志を……見せろ……』
「……っ……」
Rの視界が、揺れる。
倒れているユナ。
カイ。
ジン。
クロウ。
守れなかった現実。
Rの拳が、震える。
「……俺は……」
「……守りたい……!」
次の瞬間――
Rの身体が、
勝手に動いた。
原初の仮面を――
顔に、当てていた。
「……やめ……」
言葉より先に、
“装着”していた。
――ゴォォォォ……!!
光と闇が、爆発する。
Rの足元から、衝撃波。
黒の玉座の間が、軋む。
Rの中に――
“何か”が、流れ込む。
力。
速さ。
知。
すべての仮面の“原点”。
ノクスが、目を細める。
「……ほう……」
「……同格、か」
Rは、ゆっくり立ち上がる。
身体が、軽い。
世界が、鮮明すぎる。
ノクスの動きが――
“見える”。
Rは、仮面の奥で呟いた。
「……これが……原初……」
ノクスが、構える。
「……来い、R」
「……仮面の“神”に、なれるか……」
Rも、構えた。
「……いいや……」
「……俺は……」
「……“壊す者”だ」
二人の力が、ぶつかる。
ゴォォォン!!!
黒の玉座が、割れた。
――頂点同士の戦いが、始まった。




