第三章・第11話
【黒の玉座】
最後の門を越えた先――
そこは、巨大な広間だった。
天井は高く、
壁はすべて黒。
中央に――
玉座。
そして、そこに座る男。
全身を覆う、異様な仮面。
空気が、重い。
「……よく来たな」
低く、響く声。
「……R」
Rの背筋が、凍る。
「……お前が……ノクス……」
ノクスは、ゆっくり立ち上がる。
その背後――
布に包まれた“何か”が、浮かび上がった。
クロウが、息を呑む。
「……あれが……」
「……原初の仮面……」
ノクスは、静かに言う。
「……仮面は、人類の“進化”だ」
「……人は、弱い」
「……だから、力を“借りる”」
Rは、前に出る。
「……違う」
「……人は……自分で、立てる」
ノクスは、笑った。
「……理想論だ」
そして――
ノクスは、布を引き剥がした。
現れたのは――
すべての仮面の原型。
歪で、古く、
“意思”を持っているような仮面。
「……これが……《原初》」
ノクスは、
それを――顔に当てた。
次の瞬間――
ゴォォォ……!!
闇が、爆発する。
空間が、歪み、
Rたちは吹き飛ばされた。
「……う、ああ……!」
立ち上がれない。
ノクスの姿が、変わっていた。
まるで――
“人”ではない。
「……さあ……始めよう」
「……仮面の“完成形”と……」
「……否定者の、最後の抵抗を」
Rは、歯を食いしばる。
「……行くぞ……みんな……!」
仲間たちは、立ち上がった。
クロウも――
前に出た。
「……ここからは……総力戦だ」
黒の玉座の間で――
最終決戦が、始まる。




