第三章・第4話
【第二の門 ――《知》の仮面使い】
第二の門の前に立つと、
空気が冷たく変わった。
床には、複雑な幾何学模様。
壁には、無数の文字。
そして――
白衣を着た男が、
仮面越しに微笑んでいた。
「……ようこそ、実験場へ」
「……私は《知》の仮面を持つ者――」
「……名を、エイドス」
エイドスは、指を鳴らした。
次の瞬間――
床が、光る。
「……動くな!!」
ユナが叫ぶ。
Rたちは、咄嗟に止まった。
一歩踏み出した石が――
消えた。
下は、奈落。
「……これは……罠……」
ユナは、周囲を見渡す。
壁の文字。
床の模様。
仮面の紋章。
「……これは……」
「……“論理迷宮”……」
エイドスが笑う。
「……正解だ、お嬢さん」
「……だが、解けるかな?」
空間が、歪む。
Rたちは、分断された。
ユナは、ひとりになった。
「……ユナ……」
心臓が、速く打つ。
だが――
ユナは、深呼吸した。
「……大丈夫……考えろ……」
床の模様。
“矛盾”している部分。
ユナは、ある法則に気づく。
「……これは……」
「……“嘘”の場所だけが……落ちる」
ユナは、ゆっくり歩く。
嘘のない“真”の道を、選びながら。
奥へ――
エイドスの前に、辿り着いた。
「……見事」
だが、エイドスは余裕だ。
「……だが――」
「……君の仲間は、どうかな?」
ユナは、歯を食いしばる。
「……Rは、信じる」
ユナは、床の仕掛けを逆転させる。
紋章の位置を変え――
空間が、崩れた。
Rたちが、戻ってくる。
「……ユナ!」
エイドスの仮面に、ヒビが入る。
「……知は……独り占めするものじゃない……」
ユナが、静かに言う。
「……みんなで使うもの」
仮面が、砕けた。
門が、開く。
――第二の門、突破。




