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第三章・第2話
【試練の門】
黒い塔の前に立った瞬間――
空気が、変わった。
風が止み、
音が、消える。
Rたちの目の前に、
巨大な“門”が現れた。
ひとつ、ふたつ……
いや――
八つ。
円を描くように並ぶ、八つの門。
それぞれに、異なる紋章。
《力》《知》《速》《幻》《剣》《支配》《獣》《無》
クロウが、低く言う。
「……ここから先は、選べない」
「……すべて、通る」
ユナが息を呑む。
「……八人の、仮面使い……」
ジンが剣を握る。
「……つまり、八回――」
「……死線を越えるってことか」
そのとき――
塔の上から、声が降ってきた。
「――歓迎しよう」
低く、冷たい声。
空間が、歪む。
最初の門の前に、
ひとりの男が現れた。
巨大な体。
顔には、筋骨隆々の戦士の仮面。
《力》の門の守護者。
男が、拳を鳴らす。
「……通りたければ……」
「……俺を、倒せ」
Rは、一歩、前に出た。
拳を握る。
「……行くぞ」
仲間が、頷いた。
――最初の試練が、始まる。




