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83.未来の足音

「式で着る服だが、仕立て直し先を探していただろう。知り合いに、話を通した」

 そう言われて、アストンの隣を歩いていた。

 仕立て屋、と聞いて真っ先に浮かぶ名があることを、まだ思い出せないまま。


 手を引かれるまま歩いていると、冬の通りの冷たさの中で、繋いだ指先だけが先にあたたまっていく。

 服屋ならいくつか思い浮かんだ。けれど、仕立て屋となると、自分では頼む先が浮かばなかったのだ。長く住んでいるだけあって、こんなときのアストンの歩調は、とてもしっかりとして見えた。

 ガス灯を目印に曲がりながら、ふと、胸の奥に何かがひっかかる。この道を、前にも歩いたような気がした。そのときも、アストンが隣にいなかっただろうか。けれどいつだったのかまでは思い出せず、記憶の輪郭だけが淡く残っている。

 やがてアストンが足を止めると、目の前にあるのは、看板の出ていない家だった。仕立て屋、と聞いて思い浮かべていた店構えとは違う。一階の窓には、厚手のカーテンが引かれている。その奥には、かつて飾られていたはずの色とりどりの服は見えない。


 ――かつて、飾られていた。

 大きな硝子窓を見詰める。そうだ、ここはショーウィンドウだった。


「……ここ、もしかして」

 口に出すより先に、記憶がほどけていく。鮮やかな布、光を返すボタン。ミシンの音。風に膨らむ、レースのカーテン。老婦人の、穏やかな声。

「前に、来たことがあるだろう」

 どうして忘れていたのだろう。

 纏ったケープの端を摘まむ。まだ春の初め、ワンピースひとつ選べなかった頃。このケープは、耳のない自分を隠すためのものだった。

 けれど――なめらかに針を送るミシンが、この濃紺の布地の上に、レースの花を白く咲かせてくれたときから。厚みは変わらない筈なのに、裾は軽やかになった。羽織るたび、花束を抱えている心地になれた。

 ――ハーゲンさん。

 胸の中で、名を呼ぶ。応えるように、扉の向こうで足音がした。かたり、と錠の外れる音。扉が開いて、エプロンをかけた女性が顔を覗かせる。

「はい……?」

「こんにちは。ハーゲンさん……お母様にご用があって来ました」

 アストンが名乗ると、女性の表情が和らいだ。少し待っていてね、と告げてから奥へ向かって、声を張る。

「お母さーん、お客さん! アストンさんだって」

 階段が軋んだ。跳ねる鼓動が落ち着くのを待ってくれるように、ゆっくりと足音が近づいてくる。


「いらっしゃい、アストンちゃん」

 銀の髪、やわらかい笑み。胸の奥で、冬の布がほどけるような感覚があった。そうして老婦人はこちらに気が付いて、目を細めた。

「あら、あなた、店じまいのときにお手伝いしてくれた……?」

「はい、お久しぶりです」

 ワンピースの入った包みを、大切に抱き締める。ハーゲンの表情は、ふっとほどけた。

「アストンちゃんのお嫁さんってあなただったのね。よかったわ、おめでとう」

 中へと促されると、もう店の面影はなく、居間らしい佇まいになっていた。

 ふと、窓際の壁に目が留まる。片付けを手伝ったときに、運んだ棚だった。布を除けて、がらんとした姿であの日を終えた棚。そこに今は積み木が並び、丸い耳のぬいぐるみが腰を掛けている。

 そういえば、孫がいるのだったか――と、ふと顔を上げたところで、棚の端から覗く少年と目が合った。小さな顔はさっと引っ込む。

「誰? おじさん?」

「おじさんだった」

「失礼だろ、お兄さんって言え」

 その妹と兄らしい声がひそひそと重なって聞こえ、思わず隣を見遣る。アストンは、おじさん、と小さく呟いていて、思わず苦笑いが漏れてしまった。

「坊やたち、気になるならお客様にお茶を持ってきてちょうだい。さて、そちらがドレスかしら」

 包みを解くと、たっぷりと布の使われた、乳白色のワンピースが零れ出た。窓からの光を受けて、レースの縁が淡く浮かび上がる。指先に触れた布は、清流のようになめらかだった。

「見せて見せて! お姫さまみたい!」

 幼い少女が、絨毯の上を転ぶようにして、ぱっと駆けてくる。お姫さまじゃなくてお嫁さんよ、と訂正する祖母の言葉に、少し頬が熱くなってしまった。

 老婦人はワンピースの腰と、裾の縫い目を確かめるようにしてひっくり返す。それから、あら、と声を上げた。

「これ、うちのドレスじゃない? ねえ、お父さん」

 奥へと声をかける。杖をついた男性がゆっくりと、姿を現した。

「どれ。……ああ、そうだな。ケラー商会がやってたときのレースだ」

「そうそう。袖口にお花のレースをつけたくてね。この人が、あちこち探し回ってくれて」

「まだ脚が元気だったからな」

 誤魔化すように少し笑って、また奥へと戻っていく。その背を見送りながら、かつてこの空間を彩っていた、繊細な服たちを思い浮かべた。以前に訪ねたときは、ミシンを踏む老婦人にしか会ったことはなかったけれど――ひとりで、縫っていたのではないのだ。きっと、ずっと。思いもつかないほど、長い間。



「さて、それじゃあ、合わせてみましょうか。ティアちゃん、二階にいいかしら」

 ハーゲンに誘われて階段を上ると、光の色が変わる。磨かれた硝子越しの光ではなく、カーテンを通した、家の光だった。部屋に入ると、ほのかに石鹸と乾いた布の匂いがする。

「さ、着てみて。着替えられたら呼んでちょうだい」

 ハーゲンはそう言って、部屋の外へ下がった。扉が静かに閉まり、足音が階段の方へ遠ざかる。

 ひとりになって、包みを解く。柔らかな布が膝の上に広がり、指先に、ひやりとした感触が残った。

 留め具に指をかけ、そっと布を引き上げる。肩に乗る重み。腰に沿う感触。布が体の線をなぞるたびに、鼓動が強くなる。裾を整えると、窓から差し込む光が白い布の上をすべり、淡く返った。

 深く息を吸い、扉の向こうへ声をかける。すぐに足音が戻り、扉が開いた。ぱっと咲いた笑みが、上から下へと視線で辿る。

「あらまあ、まあ、とっても素敵」

 ほっと緊張がほどけ、代わりに、気恥ずかしさが舞い戻った。

「じゃあ、もっともっと素敵にしましょうね」

 そう言って、首にかけていた巻き尺を外した。布に触れる手つきは軽く、ためらいがない。

 ハーゲンは巻き尺を手に、肩口から背へと回り込んだ。布を傷めないよう、指先でそっと押さえながら、長さを確かめていく。その距離の近さに、少しだけ息を詰めていると、胸の奥にしまっていた言葉が、ふいに浮かんできた。

「あの……」

 声を落とすと、ハーゲンの手が止まる。けれど視線は上げず、そのまま続きを待ってくれている。

「ハーゲンさんのワンピースを、買ったんです」

「あら」

「ここが閉まった後、他のお店で偶然見つけて……着たいと、思えたんです。それを着て、アストンと……初めて、デートに行けました」

 巻き尺が、胸元に当てられる。布越しに、鼓動が伝わってしまいそうで、少しだけ身を強ばらせた。

 しばらく、何も言われなかった。ただ、採寸の手つきが、いつもより少し、やさしくなった気がした。

「……楽しい一日になった?」

 顔は見えないけれど、声は穏やかだった。

 はい、とすぐに頷く。それから、ほんの少しだけ間を置いて。

「……とっても」

 その一言で、十分だったのだろう。ハーゲンはようやく顔を上げ、よかったわ、と笑った。

 指先が裾をつまみ、光の中で持ち上げられる。床に落ちる影が、つられて揺れる。淡い影の縁はまるで、あの夏の波打ち際のようだった。


 巻き尺が、静かに外される。ハーゲンは一歩引いて、全体を眺めた。

「腰を少し絞って、裾の丈を足しましょうか。裾は、そうね……裏地にレースを足すか、フリルをつけてもかわいいかも」

 言いながら、クローゼットへ向かい、扉を開ける。こんな風に、と言って中から取り出されたのは、淡い色のスカートだった。柔らかな布に、幾重にも重なったフリル。動かすたび、光を含んで揺れる。

 広げられたそれを見た瞬間、胸の奥がどきんと跳ねた。

 ——かわいい。

 思わず、息を吸う。

 重なった布。揺れる縁。まるで物語の中の衣裳のようで、ほんの一瞬、自分が絵本の中に立っている姿が浮かんでしまった。

 けれど、小さく息を吸う。鼓動を宥めるようにして、指先を組み合わせた。

「でも、アストンは、もう少し清楚な方が好きかもしれないです……」

 思わず零れた言葉は、独り言のようで、けれど確かに音を持っていた。

 ハーゲンはひとつ瞬く。それから、声を上げて笑った。

「アストンちゃんがこれを頼みに来た時にね。サイズを合わせるほかに、もしデザインを変えるところがあるなら、どんな風にしたいか訊いたの。素材を少し集めておこうと思ってね」

 何て答えたと思う、と問われて、口ごもってしまった。

 アストンの好みはたぶん、前に買った白いワンピースのようなものだろう。けれど自分からそれを答えるかというと、きっと、違う。

 ――一番きれいに見えるように、とか。

 浮かんでから、近頃の彼ならいかにも言いそうな気がして、頬が熱くなってしまった。

「よく見えるように、とかですか……?」

 そのまま言うのは気恥ずかしくて、少し誤魔化して口にしてみる。老婦人は首を振り、微笑んだ。


「『ティアが一番気に入るように、よく話を聞いてやってほしい』……ですって」


 胸の奥を、ぎゅっと強く抱きしめられたような心地がした。

 スカートを畳んでいた視線が、こちらに戻る。目尻に刻まれた皺が、笑みに深くなった。

「ティアちゃんは、どんな雰囲気がいい?」

 問われて、あれこれとめぐらせる。そうして浮かんだ答えは気恥ずかしくて、もじもじとスカートの布地を触ってしまった。

 ――物語の中のお姫様だって、魅力的ではあったけれど。


「アストンと並んだときに、しっかり、夫婦に見える感じがいいです……」


 言い終えた途端、耳まで熱くなる。

 こんな発想を口にしたこと自体が気恥ずかしいし、具体的な形を何ひとつ示せていないのも落ち着かない。視線が彷徨って、つい、指先でスカートの布地をつまんでしまった。

「じゃあね、線を少しだけ変えるのはどうかしら」

 明るい声に、はっとして顔を上げる。ハーゲンは、もう答えを見つけたような表情で、こちらを見ていた。

「アストンちゃん、服の選び方に癖があるでしょう。きっと、ここから下へ、すっと線が落ちる服を選ぶと思うの」

 そう言って、自分の胸元を軽く叩く。その指先の動きには迷いがない。

「立ったときに、目が上から下へ自然に流れるのよ。そこに、あなたの裾の線が重なるとね、並んだときに、ひとつに見えるの」


 それから、と続けて、皺のある手が裏地を少しだけつまむ。

「歩いたときに、ほんの少し見えるところに、柔らかいフリルを足すのはどうかしら。あまり主張はしないけれど、陰で大切に手をかけてもらっている感じがするわ」

 胸の奥が、きゅっと縮む。

 言葉にされると、どうしようもなく恥ずかしい。けれど同時に、確かに——そうだ、とも思った。他の誰かにも見える形で出すことは早々ないけれど、ふとしたときに溢れてしまうほどの想いを、いつだって注いでくれる。その感じは、とてもアストンらしいと思った。


 もしくは、と言いながら、ハーゲンは引き出しを開ける。中から取り出されたのは、淡い色に染められたレースの見本だった。光を含んだ布が、静かに重なって並ぶ。

「アストンちゃんが着るベストの色に近いものを、裾に足してもいいわね」

 視線が、自然とその上を行き来する。

 どれも、いい。どれも、想像すると胸が弾む。並んで立つ姿が、次々と浮かんでは消えていく。

 迷って黙り込んだこちらを見て、ハーゲンはふふっと笑った。

「ゆっくり悩んでちょうだい。大事な日に着るものなんだから」

 その声は、背中を押すというより、そっと椅子を用意してくれるような調子だった。



 たっぷりと悩んでしまったせいで、ようやく話がまとまったころには、空の端は茜色に染まりつつあった。階段を伝って、やわらかな夕餉の香りすら広がりつつある。

 着替えて、慌てて階段を下りれば――真ん中の男の子だろうか。何かを読み上げるような声が聞こえた。

 一段、二段と軋ませるうちに、声が詰まる。空いた間を引き取るように、低い声が落ちた。――アストンの声だ。

「……霜は」

「霜は踏まれて消えゆきて、されども道は地に残る」

 詩の暗唱だろうか。食卓の前に腰かけた二人の前には、本も何もない。その足元では、末の子が絨毯の上でぬいぐるみの毛を梳いていた。消えゆきて、雪やふれふれ、と違う言葉を足して小さく口ずさんでいる。

 こちらの気配に気づいたのか、アストンの視線がちらりと上がった。

「人の歩みも……歩みも、此処に在る……?」

 少年はまた首を傾げる。向かいで本を広げていた長子が何か言いたそうに口を開き、すぐにやめた。その代わりを務めるように、アストンの声で、聞きなれない詩の端が紡がれる。

「人の歩みも斯くのごと、」

「眼に見えねど其処に在る!」

 言い終えると同時に、誇らしげな顔が咲く。アストンはその髪をくしゃりとかき撫で、顔を上げた。

「もういいのか?」

 問いかけられて、ようやく息を吐く。

「うん。待たせちゃってごめんね」

 そう答えると、アストンは首を振った。ちょうどよかった、とだけ言って立ち上がる。詩の余韻がまだ部屋に残っているようで、誰も急かさない。

 玄関まで送られるあいだも、家の中は静かにあたたかかった。背後で扉が閉まると、その気配がふっと切れる。外は、夕暮れの冷えが戻ってきていた。


 石畳に影が長く伸び、家々の窓に灯りが入り始めている。

 先ほどのは宿題か何かだったのかと問えば、アストンはすぐに頷いた。昔、自分も習った――などと、とりとめのない話をしてくれる。だから次の言葉もきっと、深い意味はなかったのだろう。

「子供もいいな……」

 どきんと鼓動が跳ね上がった。きっと、つられて手を強く握ってしまった。その証拠のように、隣からの声が止まってしまう。代わりの話題を探そうとしたけれど、何もうまく思いつかなかった。

 ――子供。

 ふと思い出すと、なんだかおかしくて、少し笑ってしまった。ずっとずっと前は、気恥ずかしいとも思わないで話していたというのに。

「春にハーゲンさんのお店に行ったときにね。アストン、子供は四、五人欲しいって言ってたの、覚えてる?」

「言ったか……?!」

 今度は隣で跳ね上がった声に、つい笑ってしまう。だから、零れた息は少しだけ、熱くなってしまった。

「私はね、一人か二人って言ったよ。……でも、三人でもいいなあ」

「四、五人は……」

 冗談なのか、そうでないのか判別のつかない声が遠慮がちに添えられる。三人育ててから考えようか、とふざけて提案をすれば、まずは一人だな、と小さく笑うような声が返った。

 夕冷えのせいで鼻先は冷たいのに、繋いだ手はほのかに汗ばむ。そのせいで肌同士が吸い付くようであるのが、ひどく恥ずかしかった。

 歩いている間にも、先ほどまで聞いていた幼い声と、それに重なるアストンの声が、胸の奥でまだ微かに鳴っている。今までもこうして――アストンがいつか、その子供とともにいる姿を浮かべてみることがあった。そのとき隣にいるのはいつだって、顔のない誰かだった。

 けれどもう、自分の姿を添えてよいのだ。

 この先の、どんなアストンを思い描くときだって――今日、奥から顔を出した老父のように、仕事を成し終えて、子や孫を見守るほどの歳であったとしたって。

 その隣は、ずっと。



 西日が射し、宿の角に濃い影を落とす。

 辿り着いた後、それとなく人目から隠れるようにしたのは、どちらからだっただろうか。覚えていないけれど、頬に唇を落とされるようになってからであることだけは、確かだった。

「それじゃあ、また」

 アストンが屈むのにつれ、ふっとその香りが身を包む。頬に体温が一瞬触れて、また、離れて行った。いつもと同じ、別れ際。アストンが頬に口付けてくれて、自分はただもじもじと受け入れている。

 けれど鼓動がいつもよりずっと、ずっと速い。アストンの外套の端を、引き留めたせいだった。

「わっ、」

 出そうとした声が裏返る。これからしようとすることを考えれば耳まで熱く、指先が震えて、握った外套の感触がない。それでも目の前の肩を引き寄せ、踵を浮かせた。

「私も、する……!」

 頬へ伸び上がる。心臓の音で胸が弾けそうになる。

 初めて唇で触れた肌は、寒風のせいか冷たく――自分の体温の熱さを、思い知らされた。

 眼前の頰が、瞬く間に朱に染まる。少し、息を詰めるような間があった。


 ティア、と、呼び寄せられる。

 頰へ滑る手に誘われるまま、きゅっと上を向いた。

 視線が、絡む。屈んだ影が視界を覆い、吐息が、すぐそばに落ちる。

 そうして触れるだけのやわらかさで、唇が重ね合わされた。


 熱の波が指先まで染みわたり、胸の奥が蕩ける。ずっと、こうされたかった気がした。足先の力が抜け、目の前の肩に額を預ければ、そっと引き寄せられる。

 慎ましやかな手は、撫でることもなく、ただこちらの背をそっと抱いてくれていた。それなのに、どこもかしこもくすぐったくなった背は、その手の温度を――幾重にも着込んだ下からはわかるはずもないのに、拾おうとしてしまっていた。


 ――もっと。

 その言葉が浮かんだのは、別れて部屋の寝台に突っ伏してからだった。

 進んだばかりなのに、はしたなすぎる。それでもまだ、頬には骨ばった手の感触が。唇には、やわらかな熱が残っている。

 洗いたてのシーツに鼻先を擦りつけても、アストンの匂いはしない。その白い海に横たわる自分の手を見詰めてから、輪郭を辿った。

 まだ何も知らないはずなのに、身体の方が、少し先を知っているようだった。


 まだ触れられたことのない手首を、あの手はどう触れるのだろう。やさしく撫でるだろうか。ぎこちなく滑るのだろうか。それとも時折見せる言葉の熱さのように、強く縫い留めるだろうか。


 答えはここにはない。けれど、答え合わせが出来る夜の近いことを、自分はもう知っていた。



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