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初めての『友達』

 玄関からそのまま広間に通された遼献は広間に待つ当主の西園寺重基と対面することになった。


「おう、遼献陛下……いや、もう陛下とお呼びするのは不適切ですかな?」


 そう言って快活に笑う老人の姿を見ながら、遼献は周りの人々に目をやった。


 康子の上座に座るのはおそらくは重基の次男で康子の夫である西園寺義基、そしてその正面に軍服を着た恰幅のいい女性と遼献と同じくらいの男の子が座っていた。


「甲武と遼帝国の関係を考えると……重基様、遼献殿を養子に迎えられては?幸い、四大公家の末席の嵯峨家の当主が空いておりますから」


 いかにも『お袋さん』と言う感じの女性の言葉に重基は静かにうなづいた。


「ああ、自己紹介がまだでしたね。私は赤松虎満……そしてこの子が」


「赤松忠満です!」


 虎満と名乗る女性の息子らしい丸顔の少年の言葉に遼献は思わず笑みを浮かべていた。


「遼献ちゃんは友達がいないでしょ?代々、西園寺家の家宰の赤松家の子供は西園寺家の子供と友達になるのよ……ねえ、貴方」


「俺と兄貴は世代が違うからな……まあ、二人とも十三だ。いいんじゃねえの?」


 康子と義基の和やかな会話に遼献はこれまで感じたことのない不思議な心持を感じていた。

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