表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/101

鬼姫推参

 指揮官の後ろを歩いていた遼献は不意に指揮官が足を止めたのに驚いて立ち止まった。


「なにが……」


 そう言いかけた指揮官の首がぼとりと地面に転がった。


 首を失った胴体から血が噴水のように湧き出す。その血を浴びながら遼献は目の前に立つ薙刀を持った女性に手を差し伸べられた。


「遼献ちゃん……迎えに来たわよ」


 その女性、西園寺康子の笑顔を見て遼献はようやく状況を理解した。


 彼女によって敵の部隊は全滅していた。


「康子様……」


 遼献は崩れるようにその場に倒れこんだ。


 血の匂いがあたり一面に立ち込める。康子の手を握る遼献の手は震えていた。


「もう少し早く来るべきでしたわね。でも、遼献ちゃんが無事ならば死んでいった家臣達も浮かばれますわね」


 そう言って康子は震える遼献を立たせた。


 背後から彼女の手のものと思われる男達が現れてそのまま遼献を四輪駆動車に乗せた。


「余は……どこに向かうのですか?」


 毛布でくるまれた遼献はそう言って目の前の座席に座った康子に声をかけた。


「孝基兄さんが決めた東海経由で東和を目指す予定ですわよ。ただ……こちらの動きはおそらくゴンザレス一派には筒抜けだから……最悪『彼女』が動くわね」


「『彼女』?」


 遼献は康子の言う言葉の意味が分からず聞き返す。


「ちっちゃいかわいい子……そしてかわいそうな子よ」


 そう言って康子は遼献に笑いかけた。


 遼献は数少ない自分を知ってくれている肉親に笑顔を向けられてようやく安心したように眠りに落ちて行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ