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北朝の最期

「ついにたどり着いたか」


 部下の報告を受けた吉田は歩みを速めた。


 目の前の洞窟では銃撃戦が繰り広げられていた。


「どうしますか?別に生死は問わないということなら、グレネードを乱れ打ちすれば方はつきますが」


「止めておけ、一応は北朝の天子様だ。生きたまま捕えたい」


 配下の進言に吉田はそう言って笑いかける。


「兵士や女官は殺しても構わん!遼献陛下だけは無傷で捕らえろ」


 そう指示を出す吉田の言葉は自信に満ちていた。


「あっけないものだな……400年の歴史を誇る遼帝国の最期がこんな洞窟で終わるとは……」


 南朝の帝、遼霊には政治を取り仕切る能力は無く、早晩、ガルシア・ゴンザレスが取って代わることは誰の目にも明らかだった。


「歴史の変わる瞬間に立ち会えるとは……兵隊冥利に尽きるじゃないか……!」


 そこまで言ったところで吉田は背後に殺気を感じて振り返った。

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