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山道

「陛下、ここからは徒歩になります」


 甲武浪人の軍人はそう言って戦闘車両のドアを開いた。


「済まぬ……余は歩けないんだ」


 そう言って遼献はあいまいな笑みを浮かべた。


「それじゃあ俺が背負いますので」


「うむ……」


 困ったような返事をして遼献は軍人の背中に乗った。


 山岳地帯の道は険しく、続く女官達の足取りも重い。


「この付近に住む山岳民族のゲリラは我々に協力的ですから……もし追手がかかれば連絡が入るでしょう」


 女官の一人がそう言って遼献に笑いかけた。


「協力的か……もはや宮殿すら持たない帝に忠誠をつくしたところで……」


 遼献の言葉に誰もがうなだれる。


 道は曲がりくねり視界が効くことが無い。


 高地とあって酸素も薄く、誰もが激しい息をしながら山道を進んだ。


「こうまでして……生き延びなければならないのか……」


 誰にも聞こえないように遼献はつぶやいた。

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