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二つの紅(くれない)
「敵は一機……しかし、噂の『汗血馬の乗り手』か……」
西園寺孝基はそう言って笑った。
『『汗血馬の乗り手』……なんでも古代の遺跡から出てきたバケモンだって話じゃないですか……』
後続の機体の若いパイロットが不安げに尋ねた。
「いいじゃないか。逃げるしか能の無かった遼州人のご先祖様……そいつが向かってくる……興味深いねえ」
孝基の顔にはうっすら笑顔が浮かんでいた。
『隊長。紅い機体は二つもいらないでしょ?』
副官の相馬はそう言って孝基のプライドに火をつける。
「そうだ、アレは俺が潰す。他の機体はお前等が何とかしろ。奸臣ガルシア・ゴンザレスの首を取る前に一ついい仕事をしたいもんだ」
そう言うと孝基は機体を加速させた。
死闘の前触れだった。




