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一難去ってまた一豚。

何もない。

そうしか形容しようがない場所に、神々しいさを感じさせる金髪の青年が横になっていた。

辺りは白で覆われており、影一つないその場所に横たわる青年は、ゆっくりと目を開きながらその頬を緩める。


「おぉ~。大食いの少年は見込んだとおりだ。あっちにいってから1年足らずで早くもが出るか」


神々しさとは真逆の見る者が不快になる笑みを貼り付け、その青年は嗤う。


「さてさて、面白くなってきた。やっぱり世界はこうでなくっちゃね。しかし人族が勇者の儀を成功させるとはなぁ。人も捨てたもんじゃないね。」


心底感心した表情を浮かべうんうんと頷く青年。


「まぁもう僕が世界に干渉できることなんてないし、この世界を楽しませてもらおっと。さてあの子はどんな力になるのかな?」


少年はくつくつと笑いながら目を瞑り、自身がお気に入りの世界に送り込んだ少年を再び視はじめた。


-------------


・・・ん?

あれ?生きてる・・・?

ということは賭けにかったのか・・・?


俺は前とは比べものにならないくらい力強さを感じる身体を起こす。

視界は高く、前の倍くらいだろうか。

前足は発達して獅子のように鋭い爪があり、尻尾も長くなったようだ。

さらに顎下から伸びる鬣は、色は黒いが、確実にあのキマイラのものだろう。


ということは意識がない間に食った・・・?

まさか、暴走!?

まぁ小ネタはさておき、意識を失う直前に加護が進化したみたいなアナウンスが流れたのは確かだ。

名称は確認できなかったけど、そのおかげで助かったのは間違いないだろう。

いやー、危なかった。

まぁ自分を喰うとかいう発想も危ないけど、それ以上に危なかったわ。

上手くいかなかったらと思うとぞっとするわ。

あの神もいい加護を・・・って、たしか《暴食》って俺の魂に刻まれたとかいってなかったっけ?

・・・やっぱつかえないわ。


というか吸収したならレベルとかスキルとかも変わってんのかな?

意識が飛んでたからか確認できてないのは痛いなぁ・・・。って。

そういえばキマイラは?なんでなんの痕跡もないの?


洞窟内は、俺が吹き飛ばされたときに着いたと思われる凹みがあるだけで他に何もない。

いや、俺が流した血はあるのだが、キマイラがいたという痕跡が何もないのだ。

意識が飛んでいたとは言え、《暴食》に似た効果が体に出ている以上、キマイラと俺に何か、それこそ戦いだとか抵抗の跡が残っていてもおかしくはないはずなのに何一つその場に残っていなかった。

まるでキマイラの存在が消されたように。


首を捻りながら考える。

こういう時鑑定が使えればちょちょいのちょいなのだろうが、キマイラを吸収した現在も言葉が話せない為、それは出来ない。

本当に不便だな・・・。

人間食えば喋れるようになるか・・・?

いやでも流石に抵抗あるなぁ・・・。

まぁ、加護がどう変わったとかわかんないし、とりあえずここから出るかなぁ。


洞窟内を進もうとするが、足を止める。

キマイラを吸収した恩恵か、探知が広がりこの先に魔物の気配を感じ取ったからだ。

1体は大きな魔物――恐らくキマイラクラスだろう。

そしてもう一体は俺と同じくらいの大きさなのか、気配は小さい。

どうやら二匹は戦っているようであり、かなり遠くにいるはずなのに、戦いの余波であろう揺れが足元に伝わってきた。


よし、逆にいくか。

こっちが本当の出口かもしれな――。


踵を返そうとして、探知がその方向から先の2匹より大きな物がひっかかった。

その場から動いてはないみたいだが、確実にヤバイ。

ってかこの感じ本当に俺と同じ魔物かよ。

実はキマイラが番人でその先にラスボスがいるとかそういうオチ?


先ほどの二体の戦いの余波が近づいているのか、先ほどより強い揺れが足元を襲う。俺は1本道の通路で頭を抱えた。

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