仲間と一匹の豚。
ひとしきり泣いた後、二人は今までの事を話す。
どうやら俺の仲間たちをかろうじて倒したが、討伐隊は壊滅。
仲間を回収出来る余裕もなく撤退命令が下され、致命傷を追ってもう長くは持たないリディアを泣く泣く置いていったということらしい。
まぁ実際俺が見たときも風前の灯火だったしな。
やっぱりポーションはすごいやつだったのか。
薬草が凄いのかもしれんけど。
その後、街に戻った二人はリディアの遺品だけでも回収しようと森を探索したがリディアどころか他の亡骸も魔物に持ち去られ見つからず、しかし諦めきれずに結構無茶な探索を繰り返していたらしい。
リディアは、2人に礼を言い自分に起こったことを説明する。
オークの攻撃を受け、死んだと思ったら魔物に助けられたこと。
そしてその魔物を従魔にしたこと。
説明を受けた二人は魔物が人を助けたことと、リディアが長年の夢だった魔物のテイムに成功したことに驚きと嬉しさが混ざった表情を浮かべる。
「そ、そんなことがあるのか・・・」
斥候職のディーが呟くように言葉を漏らす。
それを遮るように大剣の男、エルガが豪快に笑いながらディーの背中を叩いた。
「ガハハ!そんなことどうだっていいじゃねぇか!んで、その魔物は今どこにいんだ?」
キョロキョロと辺りを見渡すエルガ。
あ!っと思い出したようにリディアは俺を抱え上げる。
・・・リディアさん。今迄俺の事完全に忘れてたよね?
若干センチな気分になりながらリディアはエルガの前に俺を突き出した。
「この子が私の従魔よ!」
誇らしげに俺を紹介するリディア。俺を見たディーとエルガは一瞬固まる。
なんだよ。そのこいつが?みたいな顔は・・・。
「「この豚が?」」
oi、おい!
顔だけにしとけよ!!
しかも豚って!いや豚だけどもさ!
俺はブヒブヒと抗議の声をあげる。
その様子が可笑しかったのか3人は顔を見合わせ大きく笑った。
「悪い悪い!しっかしリディアも面白そうな奴をテイムしたな。っと。何時迄もここにいるわけには行かないか、取り敢えず飯でも食いに行こうぜ!」
迷惑そうな衛兵の視線に気付いたエルガが、2人を促す。
2人も頷くと、3人と一匹はリディアの行方不明の申請を取り消し、街の中の簡素な酒場兼食事処へと入っていった。




