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第2話:朝10時起きの貴族生活!裏のアカウントでインチキの化けの皮を剥ぐ

配達業をスッパリと辞めてから数日。俺の朝は、午前10時に始まるようになった。


これまでは毎朝5時に起き、眠い目をこすりながら冷たい弁当をかき込んでいたのが嘘のようだ。


ふかふかのベッドでたっぷり睡眠をとり、目覚めたら一杯数千円もする最高級のコーヒー豆をゆっくりと挽く。部屋中に広がる豊かな香り。


これが、月収70万円の不労所得がもたらす「貴族生活」というやつか。長年、汗水流して真面目に生きてきた俺への、神様からのご褒美に違いない。


コーヒーを片手にパソコンを開き、日課のネットサーフィンを始める。


すると、SNSの画面に腹立たしい投稿が飛び込んできた。俺をグループから追放した、あのリーダー格の若造だ。

『新作完成!三日三晩徹夜して、ようやく最高の一枚を描き上げたぜ!俺の画力、また上がっちゃったかも(笑)』


そこには、美しい少女が微笑むキラキラとした絵が添付されていた。


コメント欄には「天才!」「神絵師ですね!」と、何も知らない一般の人々からの称賛が溢れている。


「……ふざけるな」


三日三晩徹夜しただと?嘘をつけ。


俺には一目でわかった。それは、人間が苦労して描いたものではない。コンピューターのボタンを押して、わずか数秒で作らせただけの「機械のインチキ絵」だ。


俺は静かに怒りを燃やし、すぐさま匿名で発言できる「裏のアカウント」を作成した。


名前は『名無しの手描き愛好家』。


長年、鉛筆と絵の具でごまかしのきかない手描きを続けてきた俺の目は、機械の薄っぺらいインチキなど絶対に見逃さない。


俺はリーダーの絵を拡大し、誰もがわかる「決定的な証拠」を見つけ出し、裏アカウントから容赦なくコメントを叩きつけた。


「三日三晩かけて自分で描いたって? なら、なんでこの少女の指は『6本』もあるんだ?」


「よく見ろ。背景の階段が、途中で窓ガラスに溶けて繋がっているぞ。人間が描いたら絶対にあり得ないミスだ。機械に自動で描かせたインチキを、自分の実力だと嘘をついて威張るのはやめろ!」


送信ボタンをターン!と力強く押し込む。


すると、どうだ。ネットの反応は凄まじかった。


『うわっ!本当だ、指が6本ある!気持ち悪っ!』


『階段の線もぐにゃぐにゃじゃん!今まで手描きだと思って騙されてた!』


『他人の絵を機械にツギハギさせただけで「徹夜した」とか、どんだけ見栄っ張りなんだよ(笑)』


俺の鋭く的確な指摘によって、若造の嘘は一瞬にして暴かれた。


実は、世間にも「機械が作った不自然な絵」に嫌悪感を抱いている人々は大勢いたのだ。俺の痛快な告発は、そうした人々の心をスカッとさせ、大共感を呼んだ。


「よくぞ言ってくれた!」


「インチキ野郎の化けの皮を剥がしてくれてありがとう!」


あっという間に俺の裏アカウントには数万人のフォロワーがつき、ネット上のちょっとしたヒーローになってしまった。


一方、嘘がバレた若造のコメント欄は、非難の嵐で大炎上している。


「ざまあみろ。機械に心を売って嘘をつくから、そういう目に遭うんだ」


俺は最高級のコーヒーを一口飲み、ふう、と満足げな息を吐いた。


だが、インチキを暴くだけでは終わらない。本当の「人間の手描きの凄さ」を奴らに思い知らせてやるのは、これからだ。

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