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さて、明石悠ですが、実は近くの2階建ての木造住宅の棟瓦の向こうに着地してました。
クルマを見下ろしてる明石悠。と、突然自分のもみあげあたりを片手で掴みました。すると・・・
ベリベリベリ! なんと自分の顔の皮膚を剥いでしまいました。いや、皮膚ではありません。精密に作られたマスクだったのです。実はこの人物、明石悠ではなく、黒部すみれだったのです。
もしこの女性が明石悠だったとしたら、中学校の制服を着てなくてはいけません。けど、実際はスーツを着てました。長い髪もウイッグでした。黒部すみれは身体に内蔵された反重力エンジンを使ってここまで浮上したのです。
黒部すみれはさっとサングラスをかけました。そして右手に持ってたマスクの残骸を見て、
「ふふ、こんな変装でも発動するなんて、なんてすごい催眠術なんでしょうねぇ?」
快調に走る隊長が駆る4WD車。
その車内。助手席の日向隊員は浮かない顔になってます。無理もありません。窓の外の光景は日向隊員のよく知ってる光景なのです。
日向隊員は運転席の隊長を見て質問。
「あの~ 隊長、ここって?・・・」
「ああ、君が生まれ育った町だ」
「なんでここに?」
「君が金目ひなたじゃないと証明するためだ。いや、ウソをつくためかな? まあ、ちょっと我慢しててくれないか?」
日向隊員は納得してないようです。
校門が見えてきました。日向隊員が金目ひなた時代通ってた小学校の校門です。日向隊員はここで山際怜子をイジメて自殺に追い込み、そのために世間からひどい報復を受けました。
弟は悪ガキに殺され、自分と両親は逃亡。が、ネット民が行く先行く先で網を張ってました。ついには3人が乗ってた飛行機が墜落。両親は死亡。自分は身体がバラバラになってしまいました。
そんなことがあったもので、日向隊員は二度と来たくない場所だったのです。
4WD車が小学校近くのコインパーキングに入りました。そのまま1つの区画に収まって停車。
車内。隊長が日向隊員にメガネを渡しました。
「この街には君をよく知ってる人がたくさんいるからな。とりあえずこれでもかけとけ」
「変装ですか?」
隊長はドアを開け、
「まあ、そんなところだ」
隊長はクルマを降りました。が、日向隊員は助手席から動きません。隊長はそんな日向隊員に声をかけました。
「おい、行くぞ!」
日向隊員も仕方なくドアを開け、クルマを降りました。隊長は4WD車にキーを向けました。ピッ! ドアにロックがかかりました。
2人は小学校の校門へと歩きます。日向隊員はかなり不快な顔をして思いました。
「隊長、なんでこんなところに?・・・」
と、校門の前に3つの人影がありました。1人は30代くらいの男性。サングラスをかけてます。残りは2人は20代くらいの女性です。隊長はその男性に声をかけました。
「ああ、どうも!」
日向隊員は男性を不審に思いました。で、その男性に質問しました。
「あ、あなたは?」
「胡桃なる」
その名前を聞いて日向隊員はびっくり。
「ええーっ、胡桃なるって!?・・・」
男性はサングラスを取りました。その顔を見て日向隊員はさらにびっくり。
「ええ~!?」
そう、その顔はまごうことなき胡桃なる。世間では有名なユーチューバーです。日向隊員もよく知ってる人物でした。
「ふ、君もオレの正体を知ってるみたいだな。オレの顔は売れすぎちまったようだな・・・ やっぱサングラスで顔隠しておいた方がよさそうだな」
と言うと、胡桃なるはふたたびサングラスをかけました。




