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サングラスの男は応えます。
「ええ、すぐそこにいますよ!」
リーゼントの男がモヒカンの男に話しかけました。
「じゃ、行くか!?」
サングラスの男は慌てた様子を見せ、質問。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ! あなたたち、頭の中に何か仕掛けられてるんでしょ? あの女を見たらまたひどい頭痛に襲われるんじゃないですか?」
リーゼントの男は自分のサングラスをはずし、それを見ました。
「だからオレたち、こんなに濃いサングラスかけてるんだよ」
サングラスの男は疑問いっぱいになりました。
「け、けど、その程度の濃さのサングラスじゃ、あの女の顔が見えちまうんじゃないですか!?」
するとモヒカンの男はサングラスを掛け、もう1つ同じサングラスを取り出し、
「だからもう1つサングラスを持ってきたんだよ!」
リーゼントの男はほくそ笑み、
「この濃さのサングラスを二重にかければ、顔の輪郭は見えても、顔のパーツは見えなくなるだろ?」
サングラスの男は感心しました。
「ほ~ なるほど~!」
モヒカンの男。
「じゃ、行くかーっ!」
バタン! 閉まるドア。年代物のクルマが走り出しました。
路地を走る年代物のクルマ。ハンドルを握ってるのはサングラスの男。後部座席にはモヒカンの男とリーゼントの男が乗ってます。
モヒカンの男はもう1つのサングラスを持ち、
「そろそろこっちのサングラスもかけておくか!?」
サングラスの男が横目でそれを見て、
「いや~ あの女、もうちょっと先にいますよ。サングラスをダブルでかけたら何も見えなくなるでしょ? 自分が合図するから、それまでサングラスはかけないでおいてくださいよ!」
モヒカンの男とリーゼントの男が同時に応えます。
「ふふっ、OK!」
年代物のクルマの行く先に路地と路地の十字路が見えてきました。その交差する路地から人影が現れました。その人影は男性ぽい服装ですが、髪の毛の長さからして女性のようです。
女性はクルマから見て横を向いてます。髪の毛で顔は見えません。
と、女性がクルマに顔を向けました。褐色の肌。そう、この女性は明石悠です。サングラスの男はびっくり。
「ええ~!?」
こいつ、なんでここにいる!? 次の瞬間、サングラスの男の背後から咆哮のような悲鳴が響きました。
「うぐぉーっ!」
「いてーっ!」
サングラスの男はびっくりして横目で後ろを見ます。
「ええ~!?・・・」
後部座席ではモヒカンの男とリーゼントの男が、頭をかかえ、のたうち回ってました。サングラスの男は慌てます。
「だ、大丈夫ですかーっ!?」
モヒカンの男は痛みに耐えながら、叫びます。
「ばかやろーっ! あいつ、すぐそばにいたじゃねーかよ!」
唖然とするサングラスの男。
「ああ・・・」
と、サングラスの男は明石悠をにらみます。
「くそーっ! こうなったら、オレがーっ!・・・」
サングラスの男はアクセルペダルをベタ踏みします。
「ひき殺してやるーっ!」
年代物のクルマが急発進。明石悠に迫ります。危ない! が、クルマが当たる寸前、明石悠の身体がふわりと浮きました。びっくりするサングラスの男。
「ええ~!?」
クルマが急停車。サングラスの男が慌ててクルマを降り、顔を上げ、あたりをキョロキョロ。明石悠を捜します。
「ど、どこに行きやがった、あいつ!?」
けど、明石悠の姿は見当たりません。
「くそーっ、いったいどうなってんだよ?・・・」
と、そこに、
「うごぉ~!」
のうめき声。サングラスの男ははっとします。
車内。モヒカンの男とリーゼントの男は、まだ後部座席でのたうち回ってました。それを見てサングラスの男は青ざめます。
「な、なんてこった・・・」
今日は金曜日、本来はあげる日ではないのですが、あげてしまいました。そんなわけで、明日26日は休みます。




