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真土灯里は日向隊員と明石悠のところへ。
「あ、ごめん!」
そんな真土灯里に日向隊員が質問。
「あの人、高浜さんだよね、真夜中のノックのヴォーカルの人?」
「うん」
日向隊員はさらに、
「あの人、あなたのお父さんとケンカしたって話を聞いたことあるけど?」
と質問しようとしましたが、やめておきました。彼女のプライベートにそんなに立ち入ってはいけないと判断したのです。
バタン! 隊長はワンボックス車のテールゲートを閉め、3人を見て、
「よし、みんな、行くぞ!」
3人は応えます。
「はい!」
3人+隊長はワンボックス車に乗り込むと、ワンボックス車は走り出しました。
ワンボックス車の後部座席。並んで座ってる日向隊員と真土灯里。真土灯里は上機嫌な顔。日向隊員はそれを横目で見て、思いました。
「真土さん、すごい笑顔」
日向隊員は高浜さんを思い出し、
「そんなにあの人に逢ったことがうれしいのかなあ?・・・」
ま、真土灯里は昨日と一昨日のストリートライヴのあとの帰り道でも上機嫌でした。上機嫌なのは高浜さんとあったこともありますが、それ以上にこの3日間のストリートライヴの成功を喜んでいたのです。
ワンボックス車はその後真土邸の前で真土灯里と彼女の楽器を降ろし、明石悠のマンションの前で明石悠を降ろし、帰途につきました。
夕方から夜に移る時間、テレストリアルガード基地に1台のセダンが帰ってきました。運転席には隊長、助手席には日向隊員が座ってます。日向隊員はつばが長目のキャップを目深に被ってます。
ん? 2人はワンボックス車に乗ってたはず? 実は途中でクルマを乗り換えたのです。これは日向隊員はテレストリアルガードとは関係ないことを証明するための工作の1つです。隊長はこれくらい気を使ってるんです。
サブオペレーションルーム。引き分けの自動ドアが開き、隊長と日向隊員が入ってきました。
「ただいまーっ!」
部屋の中では寒川隊員がテーブルに座ってノートパソコンでインターネットをやってました。寒川隊員は2人を見て、
「お帰りなさい!」
寒川隊員は今度は日向隊員だけを見て、
「日向、今日も大成功だったみたいだな?」
日向隊員はちょっと顔を赤らめ、
「ええ、まあ」
と応えました。寒川隊員はノートパソコンのディスプレイを見て、
「疲れてんとこ悪いが、ちょっとこれ見てくんないか?」
「え?」
日向隊員は寒川隊員へ向かいます。
「なんですか?」
日向隊員はノートパソコンのディスプレイを見ました。するとびっくり仰天。
「えーっ!?」
隊長はその大声にはっとしました。
「ん?」
日向隊員が見てるディスプレイには、金目ひなたと日向隊員の顔が並んで映し出されてました。2つの顔にはいろんなところに半透明なスケールが載せられ、比較されてました。
隊長もこのディスプレイをのぞき込みました。
「はあ、もう日向の正体がバレたか・・・ ま、下の名前を苗字にした時点でヤバイと思ってたが・・・」
唖然としてる日向隊員。と、その脳裏に真土灯里のセリフがふと再生されました。
「これからは真土灯里て名前を使うよ。だってこれ、お父さんからもらった大事な名前なんだもん!」
そう、誰だって父親からもらった名前は大切な名前。私もこれを機に元の金目ひなたて名前に戻したい・・・
日向隊員は覚悟を決め、隊長にきっぱり。
「隊長、私、これを機に金目ひなたて名前に戻ろうと思います!」
隊長は途端に不快な顔を見せました。
「おいおい、何考えてんだよ、お前?」




