66
なんと若者がチラシに100円ライターで火をつけたのです。隊長は慌てます。
「あのバカ、火をつけやがった!?」
隊長はマイクを握り、
「寒川、急げ! あいつ、火をつけたぞ、家に!」
長く長く続く地下通路を歩く寒川隊員。その耳にはイヤホンが刺さっており、今そのイヤホンから隊長の声が響いてきました。びっくりする寒川隊員。
「ええ!?」
寒川隊員は駆け足になりました。
「急がないと!」
サブオペレーションルーム。橋本隊員は倉見隊員を見て、
「オレたちも行こう!」
「はい!」
暗闇の中、燃えるテーブルとイス。側にある建物の外壁にも火が移り始めました。若者はそれに身体を向けてます。胸に装着したカメラで撮影してるのです。
と、いきなり玄関が開き、寒川隊員が飛び出してきました。
「こらーっ!」
はっとする若者。そのままダーッと駆け出しました。寒川隊員は外向きの蛇口を捻り、バケツに水を入れます。
「くそーっ! まじかよ、あいつ! 人の家に火をつけるなんて!?」
寒川隊員は燃えてるイスとテーブルと外壁に水をぶっかけます。
さらに橋本隊員と倉見隊員が駆け付けました。橋本隊員は持ってきた消火器を火に向かって噴霧。
「くそーっ、なんてやつだ!?」
倉見隊員も消火器を噴霧。
「あいつ、火事をライヴ中継するつもりだったんですよ!」
橋本隊員は怒り心頭。
「マジかよ、おい!? 自分で火をつけておいて、その火事をライヴ中継って・・・ 江戸時代だったら火をつけ時点で火あぶりの刑だっちゅーの!」
火はあっという間に鎮火しました。3人はため息。
「ふーっ・・・」
サブオペレーションルーム。隊長はマイクに、
「お疲れさん! 本来なら警察か消防に通報しないといけないってところだが、いろいろと秘密があってな、その家には。とりあえず公安7課には報告しておくよ。お前らは引き上げてこい!」
住宅の敷地内の橋本隊員。
「了解!」
橋本隊員は寒川隊員と倉見隊員を見て、
「じゃ、引き上げよっか」
「了解!」
3人は玄関へと歩き始めました。橋本隊員は寒川隊員を見て、
「まだこの家に侵入してくるバカがいるかもしれないな。あとはオレが見張っておくよ」
「あは、そうですか? じゃ、お願いします!」
基地に戻った寒川隊員は、まずサブオペレーションルームに入って隊長に報告。そして廊下に出て、別の部屋へ。
寒川隊員はそこでシャワーを浴び、普段着に着替え、廊下に出ました。と、寒川隊員の耳が何かを捉えました。
「ん?」
ギターの音です。寒川隊員はすぐにピーンときました。
「日向か?」
寒川隊員はすぐ目の前にある一本引きの自動ドアをノックしました。
「日向、入っていいか!?」
室内の日向隊員は応えます。
「あ、いいですよ!」
日向隊員はリモコンを持ち、それを自動ドアに向けました。すると自動ドアがすーっ開き、寒川隊員が入ってきました。
「いやっ!」
部屋の中では日向隊員がベッドに腰かけ、ギターを弾いてました。と、寒川隊員は日向隊員とは別の人影を捉えました。
日向隊員と相対して座ってる人影。特徴的な単眼を剥き出しにした女神隊員でした。女神隊員は日向隊員のギターを聴いてたようです。
「なんだ、あんた、ここにいたのか?」
女神隊員は寒川隊員にはにかむように単眼の笑顔を見せました。
寒川隊員。
「いきなりだが、バッドニュースだ。放火されたぞ、お前の家」
日向隊員と女神隊員はびっくり。
「ええ~!?・・・」
「ま、小火にもならない程度の火事だったけどな。
しかし、どうなってんだ、いったい?」




