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 日向隊員は強く訴えます。

「ええ、なんで? 私、金属バットで殴られたんですよ!」

 隊長がそれに応えます。

「それで逮捕できると思うか、あの3人を? あいつらのせいで私の首がふっ飛んだとは言えないだろ、裁判官に?」

「う~ん、でも・・・」

「ま、公安7課もそこまでお人よしじゃないよ。解き放つ代わりに、催眠術をかけたらしい」

「どんな催眠術ですか?」

「それは教えてくれなかった」

「ええ~?・・・」

「公安7課はなんでも秘密にするからなあ・・・ ま、これはオレの推測だが、お前と明石悠を記憶から完全に消し去ったんじゃないかな?」

「できるんですか、そんなこと?」

「まあな・・・ ここは公安7課(やつら)を信じるしかないな」

 日向隊員は疑心暗鬼な顔を見せました。が、すぐにいつもの顔に戻り、話を再開しました。

「けど、不思議だなあ・・・ 怖い夢を見なかったんですよ、今回は」

「予知夢か?」

「ええ。この身体になってからは、何かあるときは必ず予知夢を見てたのに、今回はなかったんですよ」

「ふふ、そっか・・・

 そういや、あいつの予知夢も完璧なようで、必ずどこかにほころびがあったな」

「あいつって、海老名さんですか?」

「ああ。あんなほころびなんてなけりゃ、あいつは今でも生きてたのにな・・・」

 隊長は悲しそうな顔を見せました。日向隊員はそれを見て、思いました。

「ああ、隊長がまた悲しそうな顔を見せた・・・ 海老名さんの話をするときは、いつもこうだ。隊長にとって海老名さんは、どんだけ大切な人だったんだ?・・・

 私の首から下は、元々海老名さんのものだった。海老名さんからもらった大事な身体。私が海老名さんの代わりに隊長を守ってあげないと!」

 日向隊員は何気なく左側頭の包帯に触れました。で、はっとしました。で、隊長に話しかけました。

「けど、なんなんでしょうねぇ、これ? 金属バットで殴られたこっちより、反対側の方が大けがになったなんて・・・」

「お前の首から上は、大きな負荷がかかると自動的に外れて力を受け流す仕組みになってるからな。それで金属バットで殴られた箇所は軽傷だったんだろ。

 けど、アスファルトに落ちたときの衝撃は違った。すべての負荷がアスファルトに衝突した箇所にかかったんだ。それで大けがになったんだろ」

「また同じことがあったら、意識して自分の首を拾わないといけませんね、地面に落ちる前に」

「そうだな。せっかく人工脊髄反射を移植してもらったんだ。次は意識して拾わないといけないな。

 ともかく今回は大けがだったことは確かだ。明日は3曲歌ったら必ず基地に帰って寝ろよ!」

「はい!」


「ふざけんなーっ!」

 バキーッ! 老松かよが思いっきり息子の啓一の顔面を殴りました。啓一の身体は思いっきり吹き飛び、そのままぐしゃっと壁にめり込みました。

 ここは老松かよが潜伏してるマンションらしき建物の部屋。老松かよはズンズンと啓一へと歩いていきます。鬼の形相。それを恐怖にひきつった顔で見ているモヒカンの男とリーゼントの男。2人は抱き合って事態を見守ってます。

「ひ~・・・」

 老松かよは大きく片足を上げ、

「何が明石悠は知らないだ!? とぼけやがって! ふざけんのもいい加減にしろーっ!」

 老松かよは思いっきり啓一の顔面を踏んづけました。ぐぶぉーっ!

 老松かよはそのまま何度も何度も啓一の顔面を踏みつけます。

「死ね! 死ね! 死ねーっ! この恥さらしがーっ!」

 さすがにリーゼントの男がおそるおそる声をかけました。

「あ、姐さん、もうそのへんにしておいた方が・・・」

 さらにモヒカンの男も、

「それ以上やったら死んでしまいますよ、マジで・・・」

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