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「あ、そうだ! みんな、なんでもいいからリクエストしてくれない? 明日もここでライヴするから、そこでその曲歌うよ!」
その日向隊員の提言に今文句をいった女子のオーディエンスが、
「じゃあ、プライベートアイズのHole」
とリクエスト。日向隊員は応えます。
「OK! ほかにない?」
今度は別の同年代の女子が、
「セパレートウェイズの旅路!」
日向隊員はまたもや応えます。
「OK! ほかにない? なんでも歌うよ!」
けど、次にかかる声はありません。日向隊員は困ったという表情を見せました。
「う~ん・・・」
と、日向隊員の眼はある女の子に止まりました。日向隊員の身長は145cmと同年代では少し低身長ですが、その女の子は日向隊員以上に低身長です。メガネをかけたおとなしそうな女の子です。
日向隊員はギターを弾いてるとき、この女の子が気になって気になって、しょうがありませんでした。他のオーディエンス以上に熱心に聴いてたからです。
日向隊員はその女の子に話しかけました。
「あなた、何かリクエストない?」
するとその女の子はもじもじしながら、
「ええ・・・ じゃあ、真夜中のノックのundercover」
「ああ、あの曲ね。ふふ、わかったよ!」
日向隊員はギターを構え、
「じゃ、あらためて最後の曲、行きます!」
日向隊員がギターを爪弾こうとした瞬間、ドドドドッと慌ただしい音が。日向隊員ははっとします。
「え?」
マイクを持った女性。カメラを持った男。ガンマイクを持った者。その他数人のスタッフ。そう、それはテレビカメラクルーでした。
女性アナウンサーは日向隊員と明石悠の前にお構いなしに立ちました。そしてテレビカメラを見て、持ってたマイクに向かい、
「みなさん、見てください! 今回の恐喝事件の被害者、明石悠さんが・・・」
と、ここでディレクターと思われる1人の男がカメラと女性アナウンサーの前に立ちふさがりました。
「ともちゃん、まずいよ、ちょっと~ 被害者の固有名詞を出しちゃ!」
女性アナウンサーは平謝り。
「す、すみません・・・」
日向隊員と明石悠はこのやりとりを唖然として見てます。
「何、これ?・・・」
車中の隊長はこの異変に慌てます。
「ち、こりゃまずいだろ!」
隊長はイグニッションスイッチを押しました。すると隊長が乗ってたクルマのエンジンが始動しました。隊長のクルマが急発進。
歩道橋の階段を下り終えた女神隊員もこの異変に気づきました。すぐにバイクにまたがり、エンジンをかけました。
警官に化けた橋本隊員はディレクター格の男に詰め寄ります。
「なんなんだね、君たちは!?」
するとディレクター格の男が、
「報道ですよ。今回の恐喝事件の被害者が歌ってるて話を聞いたから、来たんですよ!」
橋本隊員は横目で日向隊員と明石悠を見て、
「この2人はちゃんと警察に許可を取ってストリートライヴやってるんだ! あなたたちにそれを邪魔する権利はないだろ! だいたいあなたたちは、ちゃんと許可を取って取材してるのか、ええ!?」
「だからーっ、我々は報道なんですよ! いちいち許可はいらなでしょ、報道に!」
ここで突然、キーッ! クルマの急ブレーキ音。校門の前の車道に隊長のクルマが停車しました。日向隊員はそれに気づき、明石悠の手首を掴んで、引っ張ります。
「行こ!」
「ええ!?」
2人はテレビカメラクルーの間をすり抜けます。隊長のクルマに向かう気です。
日向隊員があまりにも強く引っ張るものだから、明石悠は慌てます。
「ちょ、ちょっと~!・・・」
ディレクター格の男は、この2人を見て慌てます。
「ちょ、ちょっと待って!」




