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2人が居室に入ってきました。明石悠は部屋を見回し、
「ここが日向さんの部屋?」
と質問。それに対し日向隊員は、
「うん」
と素っ気なく応えました。いやいや、正確にはここも日向隊員の部屋ではありません。
もし日向隊員がこの家に住んでるとしたら、日向隊員の部屋はこんな感じになるんじゃないかと、日向隊員立ち合いの元、テレストリアルガードがセッティングした部屋なのです。
日向隊員は机のイスに座りました。机の上にはディスクトップパソコンがあります。日向隊員はそのパソコンのメインスイッチを入れました。
「ちょっと待ってて」
明石悠はその行為に疑問が浮かびました。で、質問。
「何してるんですか?」
「インターネットで調べんの」
「ええ、何を?」
「ひまわりて曲。あなた、さっき話してたじゃん。あいみのひまわりて曲なら知ってるって。歌ってもらうわよ、ひまわり」
「ええ?・・・」
ディスプレイの画面は検索エンジン。日向隊員は検索窓に「あいみ ひまわり」と入力してクリック。するといくつもの項目が出てきました。
「う~ん、どんな曲かとりあえず聴いてみんかあ?」
と言うと日向隊員は、動画投稿サイトをクリック。すると曲が始まりました。あいみがアコースティックギター弾き語りで歌うひまわりです。
「へ~ ストロークで弾くんだ」
日向隊員は今度は「ひまわり コード」で検索。明石悠はそれを興味深く見てます。
日向隊員はギタースタンドに掛けておいたアコースティックギターを手にし、画面を見ながらギターを弾き始めました。
ジャーン! 見事なストローク。そして・・・ 歌い始めました。その瞬間部屋の空気が変わりました。明石悠はふわぁ~と簡単な声をあげました。
日向隊員は横目でその明石悠を見ました。それで半分はいい気分になってます。が、半分は憂鬱な気分になってました。
日向隊員は歌を歌うときは、黒部すみれをいつも意識してます。彼女のものすごい歌唱力。腹の底から飛び出してくる魂の叫び。日向隊員はあのヴォーカルに憧れました。
けど、日向隊員の歌唱力じゃ到底及びません。そこで明石悠を歌わすことを考えたのです。はたして明石悠はどんな歌唱力を見せてくれるのでしょうか?
日向隊員は最後の音を引き終えました。そして明石悠を見て、
「どう?」
「す、すごいよ! なんでこんなにすぐに弾けるの? 昔からギター習ってたの?」
「う~ん、2ケ月とちょっとかな? ギター覚えて」
「ええ、それだけで弾けちゃうの?」
「ふふ、私は5歳のときからピアノ習ってたからね」
「で、でも、ピアノとギターって、ぜんぜん違う楽器のような気がするんだけど?」
「ふふ、楽器には変わりないでしょ?」
「あ、わかった。あなた、メガヒューマノイドだから、簡単に弾けるんだ!」
「バ、バカ言わないでよ! メガヒューマノイドだからって音楽センスがなくっちゃ、ギターは弾けないって!」
あれれ~? 日向隊員、今あなた、自分がメガヒューマノイドであると明石悠が知ってると言う前提で話をしませんでしたか? さっきはあえて肯定も否定もしなかったのに。
ちなみに、Fのコードに関しては、メガヒューマノイドだったからこそいきなり弾くことができました。それ以外でも、メガヒューマノイドとしての機能がギターテクニックに役立ってるようです。明石悠の指摘はあながち間違ってはないようです。
日向隊員の発言が続きます。
「もう、次はあなたが歌うんだからね!」
「ええ?・・・」
日向隊員はギターを構え、
「じゃあ、行くよ!」




