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 女神隊員は思い出しました。地球にやってきた日のことを。あの日、女神隊員が乗ってた宇宙船は、テレストリアルガードの攻撃でコントロールを失い、地球の山腹に激突。

 女神隊員はたくさんの同胞とともに死を覚悟しましたが、その瞬間本能が作動してしまい、テレポーテーションで宇宙船から脱出。女神隊員以外の乗員は全滅してしまいました。

 が、もう1人生き残った乗員がいたのです。それが明石悠でした。彼女もあの瞬間テレポーテーションを使って宇宙船から脱出したのです、無意識に。

 明石悠はそのときまで自分がテレポーテーションを使えるとは思ってませんでした。事後何度かテレポーテーションを試みましたが、一度もできませんでした。あのとき1回きりだったのです。


 前方の総立ちの観客に向かって駆け下りてくる寒川隊員。ステージの袖にいる高浜さんがその姿に気づきました。

「ん、あの人、たしか?・・・」

 高浜さんは思い出しました。真夜中のノックがテレビに出た日、居酒屋で呑んでる高浜さんの前に現れた寒川隊員を。

 あのとき高浜さんは、寒川隊員から書類を受け取りました。テレビで演奏した真夜中のノックにネットで中傷を書き込んでいた連中のリストです。

 また次の日には、寒川隊員は警官に化けてました。一般の人がそんなリスト入手できるはずがないし、警官に化けるなんてこともできないはず?

「あの人はいったいなんなんだ?」

 高浜さんはステージ上で電子ピアノを弾いてる日向隊員を見て、

「そういや、あのにギターを教えたと言ってたな・・・」

 真夜中のノックの演奏は2曲目となりました。Bohemian Rhapsody。これもクイーンの名曲です。合流してまだ数日とは思えない真夜中のノック6人のメンバーの一糸乱れぬぶ厚いコーラス。日向隊員の指がピアノのキーの上で踊ります。

 ギターソロ部分では真土灯里のギターが吼えます。低身長の可憐な女子中学生とは思えない神業的なテクニックの連続。調整室でコンソールを操作する諏訪さんの手腕も冴えます。観客は興奮のるつぼと化しました。

 寒川隊員もノリノリになってます。寒川隊員は高校時代のトラウマでクイーンの曲は苦手なはず。なのに熱中してるのです。寒川隊員は完全にクイーンアレルギーを克服したようです。


 コンサートは順調に進みました。客席もどんどん埋まっていきます。ま、さすがに半分とまではいきませんが。高浜さんは総立ちの観客をステージの袖から見てました。

「すごい、すごいぞ! オレが思ってた以上だ! こいつら、絶対売れるぞ!」

 と、高浜さんの眼は客席で熱狂してる寒川隊員を捉えました。

「ふ、あの人、謎に満ち満ちてると思ったら、なんだ、ただのロックフリークじゃねーか!」

 高浜さんはにやっとしました。何か思いついたようです。


 演奏が終わりました。ここで高浜さんがステージ上に現れました。そして真夜中のノックの6人を見て、

「あっ、ちょっと待っててくれないか!」

 と、握っていたマイクで呼びかけました。次に日向隊員に質問。

「日向くん、君にギターを教えてくれた人の名前、なんていうんだ?」

 日向隊員は頭に?を浮かべながら応えます。

「ええ? 寒川ですが?・・・」

 次の瞬間、日向隊員はしまったと思いました。テレストリアルガードは徹底した秘密主義。隊員の名前は伏せておかないといけないのです。

 客席にいた寒川隊員は唖然。

「あのバカ。オレの名前言っちまったよ・・・」

 ステージ上の高浜さんは、客席に呼びかけました。

「寒川さん、ここに来てください! いっしょに歌いましょう!」

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