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 真土灯里は音楽活動を再開。それに伴ってイジメも復活してたのです。

 今日のコンサートに無料で招待した母校の生徒の姿がほとんどないのは、そのせいだと思ったのです。

 実は明石悠と真土灯里の心配はど正解でした。世知辛い世の中です。

 日向隊員ですが、彼女は明石悠を救うため、啓一たち不良グループ4人組を撃退。しかし、それを機にみんなから徹底的に無視されるというイジメを受けてました。

 けど、日向隊員がバンド活動を始めると少しずつ分かり合えるようになり、いつしかクラスの人気者になってました。ま、ネットでの評判は、いまだに最悪ですが。

 そのせいか日向隊員は中学校のみんながたくさん来ると思ってました。なのに実際はほとんど来てません。日向隊員と同じクラスの例の3人組の女の子も来てませんでした。日向隊員は心底がっくしきてます。

 こんなわけで真夜中のノックはしらけた状態になってますが、高浜さんはニヤッとしてます。何か考えがあるのでしょうか?


 いよいよ開演時刻の午後5時となりました。ん、午後5時? コンサート開始には早いような気がありますが、真夜中のノックには3人の女子中学生がいます。その点を考慮してこの時刻の開始となりました。

 がら~んとした観客席。隊長たち3人はかなり後方の席に座ってます。隊長は呆れてます。

「あ~ やっぱ少ねーなー、人・・・」

 と、隊長の眼は視野ぎりぎりのところで何かを捉えました。そちらの方向を見ると、ちょうど2人が入ってきたところでした。隊長は、

「ん、また入ってきたのか、人が?」

 とつぶやきました。2人は客席の前の方に向かって行きました。


 どん帳は閉まったまま。ステージ袖から1人の男性がどん帳の前を歩いてきました。高浜さんです。通常だったらここで歓声が起きるのですが、客席はシーンとしてました。

 高浜さんは中央で立ち止まると、あまりにも寂しい客席に向かってあいさつします。

「みなさん、今日は来てくれてありがとう!

 私の相棒だった真土勝之が亡くなって真夜中のノックは活動休止状態となりましたが、昔うちにいた3人が帰ってきました。真土勝之の娘さんと2人の友人もバンドに参加してくれることになりました。

 面子メンツが揃いました。ここで真夜中のノックを再開します!」

 ここで観客の1人が声をかけました。

「高浜さんは参加しないんですか?」

 高浜さんは応えます。

「私はちょっと都合があって今回は参加できません。けど、1~2年したら必ず戻ってきます。それまで待っててください!」

 これを客席で聞いてた隊長は、

「ふ、選挙に出るってちゃんと言えばいいものを」

 と、苦笑い。次の瞬間、視野の端っこでまた光を捉えました。そちらを見ると、ドアが開いており、数人が入ってきたところでした。

「また入ってきた、人が? これで何人目だ?」

 どん帳が上がり、真夜中のノックの6人が現れました。それぞれ楽器を構えてます。と、6人は客席の変化に気づきました。明らかに観客が増えてるのです。

 と、複数ある扉のいくつかが同時に開き、何人か入ってきました。日向隊員はつぶやきました。

「人が増えてる、どんどん? なんで?」

 扉がまた開き、数人が入ってきました。ステージ袖でそれを見ていた高浜さんはにやり。

「ふふ、思ったとおりだ!」

 今日のコンサート、日向隊員たちが通う中学校の生徒は無料で招待してました。それゆえ高浜さんは、中学生がたくさん来ると思ってたのです。

 そうなると一般の客は入れなくなる可能性があります。

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