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 真土灯里は自分のギターを持つと、ジャーンとストロークでギターを鳴らしました。

「あは、ちゃんとチューニングされてる!?」

 日向隊員は電子ピアノにタッチ。ドレミファソラシドと軽やかに弾きます。

「ピアノもちゃんとチューニングされてんよ!?」

 絶対音感のある日向隊員は、千石さんのギターやキーボードの音、久領さんのドラムの音、代官さんのベースの音を聴き分けました。

「すべての楽器がチューニングされてる、ちゃんと? すごいなあ、ローディて!」

 明石悠は暗くてがら~んとした客席を見て、

「ここがいっぱいになるのか~! がんばらなくっちゃ!」


 それから少し時間が進みました。折り紙コンサートホールに続くこみち。隊長・女神隊員・寒川隊員が歩いてきました。隊長は何か気になってます。

「なんか、人いねーなあ、あまり・・・」

 そう、これから大ホールでコンサートがあるとは思えないほど人がいないのです。寒川隊員は嫌な予感が。

 寒川隊員は以前この折り紙コンサートホールでコンサートを開いたことがありました。黒部すみれと組んでた時代です。そのときは小ホールを使いましたが、あまり人は来てくれませんでした。

 今もそのときと同じくらいの人口密度。あのときは小ホールでしたが、今日は大ホール。これでコンサートするのか? 寒川隊員はかなり心配になってきました。

 エントランスが見えてきました。やはりあまり人がいません。と、隊長は横目で2人を捉えました。2人は女子中学生のようです。その会話を聞いてみると・・・

「え~ いないじゃん、人?」

「ほんと、コンサートすんの、ここで?」

「行こっか?」

「・・・うん!」

 2人はきびすを返しました。それを見てた隊長はため息。

「はぁ・・・ こりゃ、厳しいなあ・・・」


 ステージの端、どん帳とステージ袖の隙間から真夜中のノックの6人+高浜さんが観客席を見てます。観客席の観客は絶望的なほど少ない状態。千石さんはため息。

「はぁ、こいつはひどいなあ・・・」

 久領さんもぼやきます。

「オレたち3人が真夜中のノックを抜ける前にも、こんながらがらなコンサートホールでったことがあったけなあ・・・」

 代官さんはそれに応えるように、

「ああ、あったなあ、そんなこと・・・」

 久領さんも応えるように、

「あんときよりもひでーんじゃねーか、こりゃあ?・・・」

 高浜さんが質問。

「どうする、みんな? コンサートやめるか?」

 千石さんは苦笑い。

「あはは、いくらなんでもそりゃあだめだろって!」

 高浜さん。

「しかし、無料で招待したはずの中学生があまりいないような?・・・」

 それを聞いて明石悠はドキンとしました。

「きっと私のせいだ・・・」

 そう、明石悠は肌が黒いという理由だけで中学校でひどいイジメを受けてきました。1億円以上も恐喝された挙句、毎日集団レイプされてたのです。

 日向隊員の機転でこのイジメは白日の下に晒され、何人もの中学生や教師が逮捕・補導されました。が、それで発生した反発はひどく、いまだに尾を引き、そのせいで無料で招待した中学生が来ないと思ったのです。

 真土灯里も同じようなことを考えてました。

「きっと私のせい・・・」

 真土灯里の父真土勝之は、押しも押されもせぬギタリストで作詞作曲家でしたが、ありもせぬ盗作問題でネットから叩かれ、自殺。真土灯里自身も小学校でひどくイジメられました。真土灯里は仕方なく名前を変え、隠れるように生活してました。

 けど、日向隊員と明石悠のストリートコンサートを見て眠っていたミュージシャンの血が騒ぎ、音楽活動を再開しました。

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