第四章 『誰が為に』 2-3
第四章二段落後編です。
どうぞ!
「お前何やってんの?
あーあ、ドアこんなボコボコにしちゃって……って、
そいつ誰?」
「徹、お前、何でここに……」
「あん?後つけてきたんだよ……ったく、
俺に二千円ツケやがって。
仕返ししてやるから覚えてろコノヤロー」
「そんなことを言ってるんじゃない!!」
雄介の怒鳴り声に、徹は困惑の表情を見せた。
「おいおい、仕返しするって言っただけで何もそこまで怒ることないだろ。
ていうか、いい加減この状況を説明してくんない?その子誰よ?
またお前新しく女の子連れまわしてるわけ?」
そう言って徹は美夏の背中を指差す。
その言葉に答えるように、美夏はゆっくりと徹の方を振り向いた。
「ん?あれ?君って確か……昨日雄介と一緒にいた……」
「……ちょうど良かった」
徹の言葉を切るように美夏が小さな声でつぶやく。
美夏が何をするつもりなのかすぐに察した雄介は声を張り上げる。
「逃げろ!徹!!」
「はぁ?何を言って――――」
徹が言葉を言い終わる間もなく、
美夏は瞬時に徹の背後に回った。
「は?え?」
一瞬にして美夏の姿が見えなくなったことに徹は驚き、動きを封じられた。
その内に美夏は徹の頭を鷲づかみにする。
「え?ちょ、なになにどういうこと雄介!?
新種の羞恥プレイか!?」
「徹!!」
「……魔力、咀嚼」
魔方陣が赤く輝きだす。
「え?う、ああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!?」
徹が苦しみに叫ぶ。
頭から一気に徹の魔力がにじみ出す。
「徹!!やめろ美夏!やめてくれ!」
そう言う間にも徹はぐったりと力無くぶら下がり、目が虚ろになっていた。
顔面が一気に蒼白になっていくのが見て取れる。
「…………魔力充填、完了。
フ、フフフフ、アッハハハハハハハ!!
ついに、ついにこの時が来た!」
そう叫びながら、美夏は雄介を乱暴に投げ捨てた。
「徹!」
雄介は滑り込みで徹のその体を受け止める。
「徹!おい徹!」
息はしているが意識が無い。
先ほどのカップルとは違い、
早く病院に連れて行かなければ手遅れになるかもしれない。
「やっと、やっとだよお母さん。
もうすぐで奴らに復讐することが出来るよ。
ついについについについに!!」
美夏は屋上の中心、つまり魔方陣の中心に立った。
「美夏ぅっ!!」
徹を抱えながら雄介が美夏の背中に向かって叫ぶ。
「……親友を傷つけられて怒ってる?
だよね、当たり前だよね。
どうする?私を、殺す?」
「…………」
雄介は徹をやさしく寝かせると、ゆっくりと立ち上がる。
「……やっぱり、そうだよね。
私を殺すよね。
それが当たり前。
私、友達いないからよくわかんないけど、きっとそうなんだよね」
「…………いや」
「え?」
「美夏、お前を…………助ける!」
「!!?」
美夏は本当に雄介の言わんとしていることが分からないようだった。
「い、意味わかんない。
私はあなたの親友を傷つけたのよ?
殺すとかぶん殴るとかならまだしも、何で助けるのよ」
「約束だからだ」
「約束?」
「そうだ、俺がまだ小さかった時に交わした約束だ。
『苦しんでいる人がいたら助ける』!」
「……ばかみたい。
私は苦しんでなんかいない。
第一、あなたにそんなことをしてもらう義理なんてないわ」
「義理ならあるさ」
「え?」
「美夏は俺の友達だ」
「……ッ!!」
「あの時、あの場所で、俺達は友達になった、だろ?
義理なんてそれだけで十分だ。
そう思わないか?」
「ふざけないで!」
「ふざけてなんかいない」
「~~~~~ッ!」
美夏は言いようのない苛立ちに顔をしかめた。
「そんなことはもうどうだっていい!
私は魔力の充填を完了させた。
後は魔方陣を起動させるだけ!
これで全てが終わる!」
そう叫びながら、美夏は両手を掲げて振り下ろし、床に押し当てた。
「やめろ!」
「『禁術・悪魔の手』発動。
魔力、咀嚼!!」
美夏の手に描かれた魔法陣が赤く輝いた。
第四章2-3段落、いかがでしたでしょうか?
さて、今回は前編、中編に引き続き雄介と美夏との会話を描きました。
なんかだんだん雄介がたくましく(?)なりつつあるようです。
ついに発動してしまった『禁術・悪魔の手』。
これに対して雄介はどのように対処していくのか!?
物語も本当にクライマックス!
次回、
ついに発動してしまった禁術に、全校生徒の命が危ない!!
雄介は美夏や生徒達を救うことが出来るのか!?
毎度ながら今後もこの小説を読んで楽しんでいただけると嬉しいです!
(●´∀`●)
では、お楽しみに!




