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コード・オブ・レヴァリエ  作者: 伊瀬 未兎
第四章 『誰が為に』
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第四章 『誰が為に』 2-1

今回は捕食者(美夏)と雄介との対話が描かれます。




文章量上、3つに分けて描写していきます。





では、どうぞ!

 辺りをいつも以上に静けさが襲う。



 もう校舎下の騒がしい生徒たちの声など届いてはいなかった。



 二人の立つ屋上には、ただ静かな時間が流れていた。





「なんでだよ……」





 雄介の前に立つ捕食者はゆっくりと左手を動かし、仮面にあてがう。





「どうしてこんなこと……」





 そして、ゆっくりと仮面を外した。





「なぁ、美夏」





「…………」





 捕食者の正体、


つまり、今まで生徒たちの魔力を奪い続けてきた犯人である美夏は、


ただ無表情で雄介を見つめていた。



今までの挙動不審な態度はどこにも見て取れない。





「頼むから、何か言ってくれよ。



なんでこんなことをするんだ」





「……………私は」





 美夏はゆっくりと口を開いた。





「奴らに復讐をするために、ずっと魔力を集めてきた」





「復讐?」





「そう、私のお母さんを殺した奴ら。



あいつらが憎い!憎い!!憎い!!!



お母さんを殺したあいつらが憎い!!!」





 美夏は心底『奴ら』のことを憎んでいると言わんばかりに顔を歪ませた。





「だから私は復讐する。



奴らを殺すために。



誰でもいい、魔力を集めて強大な力を得る。



そのためなら禁術にだって手を出す。



私の魂なんて悪魔に売り渡してやる!」





「待て、禁術だと?」





 雄介が美夏の言葉を切ってそう尋ねると、


美夏は黒い手袋を外し、自分の両手の平を雄介に向けた。





「……っ!」





 その手には、真っ赤な血で描かれた六芒星の陣が描かれていた。



その陣の真中には『奪』の文字が、やはり血で書かれている。



だが、それは徐々に薄くなり、やがて消えて見えなくなった。





「この学校に入ってすぐ、私は学校の図書室の最深部、


一般生徒どころか教師も入室を禁じられている『禁術の間』に入ったの」





「でも、かなり強力な結界が張られていたはずじゃなかったか?」





 『禁術の間』の存在は雄介も知っていた。




 さすがに入学案内の書類にそのことは書かれていなかったが、


入学した当初からその名前は聞いたことがあった。




 しかし、その場所には人どころか蟻一匹入る事すら叶わないほどの強力な結界があちこちに張り巡らされいると聞いていた。





 それほど禁術というものは、


たとえ見たというだけでも大罪になりかねない代物なのだった。




 故に、誰一人としてその場に近づく者はいなかった。





「それは簡単な事、


私が結界術式の構築式を組替えて、一時的に無効化しただけ。



とても苦労したけどね。



入学するずっと前から『対禁術結界術式用結界術式』の計画を練っていた甲斐があったというものね」





「何だって?ということは美夏、お前……」





「そう、私は『結界術式適者』。



適正検査の時は検査結果は低いけど、


大量の魔力を吸った今の私が本気を出せば『最強の矛』や『最強の盾』なんてどうってことない」





「なんで、そこまでして禁術なんていう大罪に手をつけたんだ」





「言ったでしょ?



私は復讐するために禁術に手を出したって。



私はこの力で魔力を集め、強大な力を手にする。



この……『禁術・悪魔の手』で!!」





「……っ!!!」





 雄介はその時一瞬、意識が遠ざかっていくような感覚に襲われた。





「驚いたでしょ?



私もあの時はとても驚いたよ。



もしかしてこの人も『悪魔の手』の禁術を手に入れているのか、ってね。



でもそれは違った。



あなたのそれは『悪魔の手』なんかじゃない。



あなたが勝手に自分の力のことをそう呼んでいるだけ。



だってあなたにはこの魔法陣が描かれていないから。



本物の『悪魔の手』は私が持ってる。



今、この手に。



私はこの力で奴らの首を取り、そして、お母さんの死を追悼する!!



そう、私は追悼者!」





 そう叫んで、美夏は両手を握り締めた。





「あと少し、あと少しで、術式を発動させることが出来る!」





「……なん、だと?」





 少しばかりふらつく足を気力で何とか支え、


雄介はなんとか声を搾り出した。





「当初の計画は、全校生徒のほとんどが集まる時間帯のあの場所、


『桜魔高祭生徒対抗トーナメント』の会場全体を囲うように私が禁術の魔方陣を描いて、


会場の地下に用意していた魔方陣の中心に位置するスペースから術式を発動させる予定だった。



それで、一気に魔力を集めるはずだった」





「……だからあの時、美夏はとても悔しそうにしていたのか」





 雄介は、生徒会専用ポスターによって飛ばされたあの部屋での美夏の様子を思い出す。




 美夏は雄介の言葉に対して何も反応を示さなかった。





「おかげで計画は破棄。



また新しく計画を練る必要があった。



そこで、私は一つの賭けに出た」





 そう言いながら、美夏は雄介に向かってゆっくりと歩き出した。



それに対して、雄介はゆっくりと後ずさった。





「会場を囲う程度の魔方陣なら、


私一人分の魔力で何とか発動できるぐらいだった。



なら、もっと大量の魔力を集めれば、


もっと巨大な魔方陣でさえも発動させることが出来るんじゃないか、ってね」





「な…………っ!!



美夏、お前まさか!?」





 雄介の言葉に、美夏は不気味な笑みを浮かべた。





「そう!



私はすでにこの校舎の敷地全体を囲う魔方陣の設置を完了している!



後は、この術式を展開するための魔力を集めるだけ!



あと少し、あと少しだけ魔力が必要なの!



だから江室君、あなたの魔力を……頂く!!」





 刹那、美夏の姿が一瞬にして消えた。

第四章2-1段落、いかがでしたでしょうか?




今回は捕食者(美夏)と雄介との対話を描きました。




前書きでも申し上げた通り、


文章量上三分割になってしまいますのでご了承ください。





ついに本性を剥き出しにした美夏。




果たしてその後の展開とは!?





雄介はどう立ち向かっていくのか!?





次回、



2-2段落。




ついに美夏が戦闘を開始します。




今後もこの小説を読んで楽しんでいただけると嬉しいです!

(●´∀`●)



では、お楽しみに!

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