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コード・オブ・レヴァリエ  作者: 伊瀬 未兎
第三章 『忌み深き追憶』
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第三章 『忌み深き追憶』 4-1

今回はついに捕食者がその姿をあらわします。



では、どうぞ!

 いくつもの階段を上った先にある鉄製の扉、


鍵がかかっていないことを確認して、


雄介はゆっくりと扉を開けた。




 そこは、学校のだだっ広い屋上だった。




 床は延々と白いタイルが敷き詰められており、


淵の方には背の高い柵が設置してある。




 ベンチもいくつか存在しているが、そこに人の気配は無い。





「……まだか」





 江向によれば、雄介が捕食者と出会う場所は屋上で間違いないはずだ。





「なら、出てくるまで待つだけだ」





 そう言いながら雄介が柵に寄りかかること数分。



 静かに時間が流れた。



 下のほうからは、出店で賑わう生徒たちが見て取れる。





「……一回下に行って何か買って来ようかな……」





 空を仰ぎ見て、雄介がそうつぶやいたときだった。





「だ、誰だお前!?」





「いやああああああ!!」





「!?」





 突如、雄介とは反対側の柵の向こう、


校舎裏の方から叫び声が響いた。




 それを聞いた雄介は、


すぐさま反対側の柵に顔を押し付けるように下を覗き見る。





「……っ!?」





 雄介が見たもの、それは今まさに、


フードを深く被った何者かに男女のカップルが魔力を奪われているところだった。



二人の頭から赤と青の色の魔力が放出されている。



上からではフードの人物の顔を見ることは出来ない。





「う、そだろ……」





 噂は真実になった。




 二人はしばらく頭を鷲づかみにされながらも抵抗していたが次第に弱々しくなり、


終いには力無く体がダランとぶら下がり、


ただされるがままになっていった。





「あんの野郎……っ!」





 雄介は柵を握り締めた。




 魔力をあらかた奪い尽くしたのか二人を乱暴に投げ捨てると、


何かに気づいたようにフードの人物は自らの足元を見た。





「……っ!」





 雄介がしまったと思うも、それはもう見られてしまった。




 それは、太陽に照らされて映し出された雄介自身の影だった。




 慌てたようにそいつが雄介の方を向く。




 その顔は、真っ黒な仮面に覆われていた。





「仮面の……ヒーロー?」





 雄介は聞き込みをしたときに聞いた噂のことを思い出していた。




――――仮面を付け、フード付きの丈の長いマントを羽織って、


さまざまなところで人助けをしているヒーロー。





「ヒーローていうか犯罪者じゃねぇか……」





 と、雄介がそうつぶやいたのもつかの間、


フード姿に仮面のそいつはその場から逃げるように走り去っていった。





「あ、待てこの!」





 雄介も慌てて屋上から出て行く。






 ◆◇◆◇◆◇◆






「ハァ、ハァ、やっぱりいないか」





 雄介が急いで先ほどフードの人物の立っていた場所に駆けつけるも、


すでにその姿は無かった。





「大丈夫か!?おい!しっかりしろ!」





 雄介はすぐさま二人の生徒に駆け寄り、姿勢を楽にさせた。





「う……」





 幸い、気絶しているだけのようだった。



おそらくだが命に別状は無いだろう。





「くそ、あの野郎、無茶苦茶しやがって」





 誰かも分からないフードの人物に対して雄介は毒づく。




 とりあえず、これ以上事を大きくするわけには行かない。



二人には申し訳ないが、しばらくこのまま気絶してもらうことになるだろう。





「ごめんな……」





 雄介はフードの人物に代わって謝罪の言葉を並べる。





「あいつがどんな理由でお前達や他の生徒たちを襲ってきたか知らないけど、


こんなの許されるわけ無いよな。



俺がそいつをとっちめてやるからな。



だから、安心して寝てろ」





 当たり前のことだが、


二人は目を閉じてうつむいたままただ無言で小さな吐息を漏らしていた。




 ふと、男子生徒の手の中に何か握られているのを雄介は見つけた。





「何だ?」





 名も知らない男子生徒のかたく握られたその手の指を一本一本開いていき、


雄介はそれを慎重に取り出した。





「ペンダント?」





 それは、銀色に輝く小さなロケットペンダントだった。



明らかに男子生徒の物ではない。



それに、ペンダントに付いているチェーンには引きちぎられた後があった。



おそらく、男子生徒が抵抗した祭にフードの人物から引きちぎったのだろう。





「ということは、これは捕食者の物か?」





 そうつぶやきながら、雄介はなんとなく、


そう、本当になんとなくペンダントを開けた。





「これは、母親か?」





 ペンダントには、母親らしき若い女性が隣に立つ小さな子供と手を繋いで、


とても幸せそうに微笑んでいる写真だった。




 一見微笑ましい写真のように見えるが、


その写真に父親の姿は映っていなかった。




 そして、雄介がその写真から目線を少し左に移すと、


つまり、ペンダントの写真とは反対側の所に何か文字が彫られているのを見つけた。





「…………っ!!!」





 ほんの好奇心でその文字を読んだ雄介は、


一瞬にして自分の胸が締め付けられるような感覚を覚えた。



体の震えが止まらず、


冷や汗が一滴、雄介の額を流れた。





「そんな……嘘だろ……!!」





 思わずペンダントを地面に落とす。





「そんな、何でだよ……」





 しばらくの間、雄介はそのまま驚愕の念に襲われ続けた。

第三章4-1段落、いかがでしたでしょうか?




とうとう終盤に近くなってきたコード・オブ・レヴァリエ。



もしよろしければご感想をいただけると嬉しいです。





さて、今回は捕食者の初登場の場面を描きました。





ついに出ましたね、捕食者スペルイーター




果たして、雄介が見たペンダントの中身とは?





捕食者とは一体誰なのか!?






次回!




物語は急展開を迎える!





ついに、捕食者のその正体が明かされる!?




果たして捕食者のその目的とは!?





そろそろ終わりに近づく第三章。




今後もこの小説を読んで楽しんでいただけると嬉しいです

(●´∀`●)




では、お楽しみに!

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