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コード・オブ・レヴァリエ  作者: 伊瀬 未兎
第三章 『忌み深き追憶』
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第三章 『忌み深き追憶』 3-2

今回はとある二人のおかしな会話が描かれます(笑)



では、どうぞ!

「ここだよここ」





 徹が足を止めたのは、


いかにも占いをしていますと言わんばかりの薄気味悪さと、


なんともいえない近寄りがたさが醸し出されている、


そんな場所だった。




 看板には堂々と『占いの館』と暗い森の絵をバックに白い文字でそう書かれている。




 案の定、その部屋に入る果敢な勇者は一人としていなかった。





「他を当たろう」





 180度反転して雄介が歩き出そうとするのを、


徹は肩を掴んで止めた。





「まぁ待てって、


ここの占いはすごく当たるっていう話なんだって」





「その割には人の出入りが少ないように見えるがこれは俺の見間違いか?」





「能ある鷹は爪を隠すって言うだろ?」





 徹がキメ顔になりながら言う。





「多分その使い方は間違ってると思うぞ」





「ああもう、つべこべ言わず行く!



ほら!」





「ちょ、おい!」





 拒む雄介とは裏腹にずいぶんと乗り気な徹は、


雄介の背中を押して無理やり部屋の中へと押し込んだ。





「お前なぁ……」





「いいからほら、奥に進む」





 徹は虫でも払うかのようにシッシと手で仰いだ。





「ったく……」





 仕方なく、雄介は部屋の奥へと歩を進めた。



その瞬間、背後のドアが勢いよく閉まる。





「あんにゃろ閉じ込めやがった!」





 そう雄介が叫ぶのと、


部屋の所々に立てられた何本ものロウソクが火を灯すのはほぼ同時だった。





「……ようこそ、占いの館へ」





 赤い布の被せられた丸いテーブルの向こうに座る女生徒を見て、


雄介は目を丸くした。





「江向……お前、


何やってんだ?」





「……占いの館」





「いや、それはわかるけど」





「……占いの館」





「あの、江向?」





「……占いの館」





「…………」





 とりあえず座れと言っているのだろうか。




 このまま出て行くわけにも行かず、


雄介はおそるおそる江向とテーブルを挟んで向き合う形に置かれている椅子に座った。





「……何を占うの?」





「え、と……なんていうか、


人探しをしてるんだけど……」





「……名前は?」





「知らない」





「……特徴は?」





「わからない」





「……見たことは?」





「無い」





「…………」





「…………」





 なんていいかげんなんだと雄介自身も思う。



 江向も口には出さないが、


顔が少しあきれたようにも見える。




 名前を聞かれたときに雄介は一瞬『捕食者』と言おうとしたが、


それは誰かが勝手に付けたもので本名ではないと思って口には出さなかった。





「……わかった、やってみる」





「出来るのか?」





「……その人の特徴がわからない以上、


ほんの少しの未来を見るしか出来ないけど」





「それでも構わない、やってくれ。



どっちにしろもう後がないしな」





 それを聞くと、


江向はいつの間にか卓上に置かれた透明な水晶の玉に両手をかざした。




 途端、水晶が淡い緑色に輝き始める。



江向が水晶を媒体にして『幻視術式』を展開している証拠だ。





「……とても」





 数秒ほどして、ゆっくりと江向は口を開いた。





「……とても近い未来。



もしかしたら、あなたはその人とぶつかることになるかもしれない」





「……っ!



そいつの特徴とかは分かるか!?」





「……今やってるけど、ビジョンが安定しない。



とてつもない魔力の嵐が術式を遮ってる」





「とてつもない魔力?」





「……そう、だけどこれはその人本人のものじゃない。



いろんな属性の魔力が不規則に混ざって飛び交ってる。



これは……一体どういうこと?」





 江向の言葉を聞いて、


雄介はそれが間違いなく捕食者であることを確信した。





「江向、その場所はわかるか?」





「……ちょっと待って、


今嵐が晴れる………………っ!!



まさか、そんな!?」





 江向の驚愕の声に、雄介は思わず詰め寄った。





「なんだ、何が見えたんだ!?」





 雄介が問うと、江向は水晶から手を離して目を閉じ、


深いため息をついた。



水晶から緑色の光が消える。





「江向!」





 思わず、雄介は声を荒げる。



 江向の目がゆっくりと開かれ、まっすぐ雄介を見た。





「……あなたは、もうすぐ選択を迫られる時が必ず来る」





「選択?」





 雄介の疑問の言葉に、


江向は無言でうなずく。





「……それも、とても近い未来。



多分、今日」





 江向の言葉に、雄介は息を飲んだ。



 江向の言葉通りなら、


雄介は今日この日、捕食者と対面することになる。




 おそらく、戦闘を避けることは出来ないだろう。



江向の見たことが現実になるのなら、


雄介は捕食者が生徒の魔力を大量に喰らう場面に出くわすはずだ。




 となれば、もちろんそれを止めなければならない。




 もしかしたら、『力』を使うことになるかもしれない。




 雄介は拳を握り締めた。





「……江向、詳しい時間はわかるか?」





「……わからない。でも、場所はわかる」





「教えてくれ!」





「……二千円」





「……徹にツケといてくれ」





「……わかった」





 ところ変わって、雄介が『占いの館』に入って十数分。



徹は部屋の前、


窓側の方に寄りかかって雄介が出てくるのをひたすら待っていた。





「ったく、あいついつまで占ってもらってるつもりだ?



俺ってばそろそろどっか行っちまうぞ?」





 そうぼやきながら腕時計を見て、


徹が『占いの館』の部屋のドアに手をかけたその瞬間。





「ぅおあ!?」





 突然、雄介がドアを勢いよく開けて飛び出してきた。



 雄介のその表情は焦りに満ちている。





「ゆ、雄介!?



どうした、何かあったのか!?」





「悪い徹!



ちょっと俺用事が出来たから先に行ってるわ!」





「はぁ!?



え、ちょ、お前が誘ったんだから俺も連れてけよ!」





「占いの館は結構かわいい女の子がやってたぞ!」





「マジで!?



うっほぉ!



じゃあ俺ちょっと占ってもらうわ!」





「行って来い!」





 長年の付き合いでずいぶんと友人の扱いを覚えた雄介であった。

第三章3-2段落、いかがでしたでしょうか?




ふおぉ……やばい!



投稿が執筆にもうすぐで追いついてしまうぅぅ!!




書かないと、書かないと……






はい、と言うわけで焦りに焦ってる作者ですが(笑)





さて、今回はなんだかおかしな二人の会話を描きました。




果たして江向が見た未来とは!?




江向は捕食者の正体を知ったのか!?




江室に突きつけられる選択とは?





そろそろ急展開を迎える第三章。




今後もこの小説を読んで楽しんでいただけると嬉しいです

(●´∀`●)




では、お楽しみに!




作者もがんばります(汗)

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