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転生したらもふもふだった まるんな前脚で頑張る!  作者: 綾瀬 律


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4.寝床を整える

『まずはやりたい事を考えたんだ!』

 ルリハに話しかける。小さな頭を振ってうんうんと頷くルリハ。


 1.寝床を安全かつ快適にする

 2.周囲の把握

 3.自分の能力の把握

 4.ルリハの能力の把握


 説明をして、材料の調達…の前に空間を広げる事にした。

『ルリハ、土魔法で空間を広げて安定させて欲しい』

『おう、俺のラノベ知識が生きるぜ!土よ、動け!』


 …シーン。


『あ、あれ?土よ、動け!』


 …シーン。


 そもそも俺たちは鳴いている。ルリハはキュウキュウと。これって詠唱では無いよな?

 ルリハは

『詠唱が違うのか…』

 などと言ってるがそもそもがキュウキュウだ。詠唱も何も無いのでは?俺だって詠唱してないし。


『なぁ、詠唱とか要らないんじゃないか?だって魔物だぞ?俺ら』

『あ…そうだ!魔物は無詠唱で魔法が使える筈だ』


 土の壁に前脚を付けると

 ズズッ

 土が動いて丸い空間が出来た。しかも階段付き。3段上がった先に丸い小部屋。可愛いなこれ。大きさ的にルリハ用だな。

『出来た!』


 後ろ脚で立ってドヤ顔、いや無表情なんだけどドヤ顔してるのが分かるんだ、で胸をそらしている。うん、可愛いだけだな。ヒゲもピクピクしてるぞ?

『ルリハは凄いな!』

 頭をチョンチョン突くと満足そうにヒゲが揺れた。


『ハルカの部屋も作るぞ!』

 と言って俺用の部屋も作ってくれた。ルリハの部屋よりは大きめだ。

 おぉーこれはいいな。マイルームだ。いやまぁこの巣穴がマイハウスなんだがな。やっぱりマイルームは嬉しいもんだ。


『外に材料探しに行くか?』

『行く!』


 連れ立って外に出た。ルリハは俺の背中に乗っている。慎重に進んで行く。何と言っても弱肉強食の底辺だ、慎重になり過ぎて困ることはない。

 ん?何かいい香りがする。後ろ脚でで立ち上がって鼻をぷもぷもさせる…こっちか。

 匂いを頼りに進むとそこは一面のお花畑。これは蓮華か…?


(蓮華の花 美味しい蜜が取れる)


 ドワッ…なんだこれ。頭に情報が入って来た。心臓がバクバクする。突然だと怖いぞ。


『なぁルリハ、頭の中に情報が突然見えた…』

 頭の中なのに見えたは変か?認識した?

『えっマジで?鑑定だよ!やっぱりハルカは凄えなー!』

 何だそれ…?


『鑑定だよ、えっと物とか人の情報が分かる能力だな。スキルが生えたんじゃないか?』

『へー便利だな!マイホームに帰ってから確認する。花の蜜が取れるらしいから少し持って帰ろう!』

『おっしゃ!土魔法で移植したらいいな!』

『ルリハ、それはいい。蜂が飛んでるから俺たちのは少しだけな!』

『おう!』


 すると何処かから危険な匂いがして来た。無意識にうるぅと唸っているうさぎの俺。

 ルリハを胸元に隠そうと思った瞬間、体当たりされた。

 そして少し先にはルリハを咥えたイタチがいた。ルリハの白い体から血が滴る。


 えっ、何が起きた…?ルリハ…?なんでそんな所にいる?背中にいたルリハを狙ったのか、俺を狙ったヤツにルリハが掴まったのか。滴る血に目が吸い寄せられる。


 ルリハの血…ぶわっと怒りが吹き出るような気がした。

 ダメだ、嫌だ、ルリハを…返せ、ルリハを返せ!一撃でアイツを何とか出来たら…ルリハ!今助けるぞ。捨て身で体当たりをしようとすると



 シュパンッ



 えっ…えっ?



 イタチは首と胴が離れていた。えっ…?呆然としそうになって、あ、ルリハ!慌てて駆け寄ってイタチの口の中から救い出す。

『ハルカ…もうダメだ…』

 ぐったりとしているルリハを前脚でそっと抱える。


『ルリハ、何言ってる?俺が助ける。ルリハを…ルリハを絶対助けるんだ!』

 そう叫ぶとふわんとルリハが光って…そこには真っ白なルリハがいた。傷は見えない。治った…?


『ル、ルリハ…ルリハー!』

 必死に呼びかける俺。

『ん、うるさいな…もう少し寝させ…えっ?』


 一瞬の間の後、ぴょんと飛び起きたルリハは体をテシテシ触って確認している。

『俺、生きてる…俺…生きて、ハルカ!』

 俺のもふもふな胸にダイブして来た。良かった、ひとまず良かった。でも俺がイタチを殺したのか…?


 そのエグさに頭が真っ白になる。でも、ここで倒れたりしたら危険だ!

 イタチを亜空間に急いで収納して(あわあわしてたら収納されてた)、風魔法で匂いを散らし(匂いなんとかしなきゃと思ったら魔法が発動してた)、本能で安全だと判断した花畑の中へと進んだ。


 ハァハァ、俺は生き物を殺したのか…?首が切れたイタチの目が俺を睨んでたように感じる。ぶるっと体を震わせる。鼻をぷもぷもしっぽをタンタン。

 よし、落ち着こう。これは仕方のない事だ。ルリハを守る為…そう仕方ない。


 気分が悪いが、ルリハの命には変えられない。うん、大丈夫、大丈夫だ。

『ハルカ…俺のせいで』

 しょんぼりと俯くルリハ。

『ルリハは悪くない。これは最弱として生きる為に必要な事なんだ』


 キュウ…


 ヒゲをしおしおとさせてしがみ付いてくる。

 そのルリハを抱きしめる。うん、少し落ち着いた。ルリハを失うなんて考えられない。そう、大丈夫だ。大丈夫。


 すると目の前に蜂が来た。気構えたが、でも攻撃の意思は感じられない?俺、気配にさらに敏感になったか?

『やぁ、あの憎いイタチを殺してくれてありがとう!』

 …蜂の声が聞こえる?


『うん、僕の声聞こえるでしょ?君と共に過ごしたいと願ったからね!』

『何でだ?』

『仲間があいつにたくさんやられた。子供達もたくさん喰われた。だからだよ…ありがとう』

『偶然だ…蜂を助けようと思ったんじゃない』

『もちろん、分かってるさ。それでも、だよ!』

 目の前でホバリングしながら前脚を擦り合わせる蜂。


『ねぇ、君たちの住処に巣箱を作ってくれないか?そしたらハチミツを分けてあげるよ!』

 蜂はそう提案して来た。

『えっ?マジで?ハチミツ欲しい!』

 ルリハがはしゃぐ。地下だぞ?巣穴は。いいのか?


『地下だがいいのか?』

『構わないよ!またイタチに襲われたくないし』

『そういうことなら』

 それならばと、了承した俺らは近くのホワイトオークの枝やら葉っぱやらを取って巣穴に帰った。ホワイトオークは丈夫で家具にするといい、と鑑定が教えてくれたからな。そして、蜂も付いて来た。


 巣箱な…何となーくガラリみたいな感じで、中にたくさんの木枠かな?蜂に聞きながら巣穴の片隅にルリハが作った養蜂部屋へ巣箱を3ヶ所設置した。

 すると何処からともなくたくさんの蜂がやって来て早速、入っていった。


 俺たちも寝床のベットやソファなどをホワイトオークで作った。どうやったかって?それはまぁ、風魔法で切って組み合わせて。パズルみたいだな。

 うん、布が無い。やっぱり綿花でも探して布を織らないとダメかも。お布団で寝るまでの道のりは遠いな。取り敢えずは草を乾燥させて、ふかふかにしてみた。うん、いい感じだ。


 そうして少しずつ材料を集めて、マイホームを充実させて行く。約1週間かけて。家具は作ったし、家庭菜園も作った。食べ物もそれなりに保管している。

 蓮華の花は根ごと採取して少し持って来て植えた。野菜もある。何故か?


 実は蜂のハッチ(命名ハルカ)が従魔になって、意思疎通が可能になった。出会った時には(仮)従魔契約で、名前を付けたら従魔になった。

 そしてやっぱり魔蜂になった。で、野菜欲しいなぁとか考えてたら民家から間引かれた小さな人参とかとうもろこし、レタスや芋を持って来てくれた。


 それを大切に植えて種を取って育てて…立派な家庭菜園が出来た!

 地下が暖かいからか、水が魔法で出してるからか、育つのがとにかく早い。後少しで収穫出来そうだ。

 草食だからな!すごく嬉しい。


 俺のうさぎ生が始まったのは春の終わり。で、今は夏の始まりだ。暑くて仕方ない。なんせ土の中。ひんやりしてる筈なのに、空気が籠る。人口密度ならぬ動物密度が高いからな。


 夏バテで死にそうだったし、ハッチたちも温度が上がりすぎるのは良く無いと言うので、冷やす事にした。

 さてどうしよう。冷やしたい。クーラーとかはそもそも機械だし無理だ。室内機と室外機と諸々の機構が必要だが分からない。それなら、と魔法で何とか出来ないかと考えた。


 風魔法…は温かった。扇風機みたいな物だ。暑い空気が循環するだけ…失敗。

 凍らせたペットボトルがあれば、冷やした空気を循環させられるのに。

 ん?冷やしたい空気。氷が出せれば風魔法で冷たい空気をこちらに寄こせるのか?

 氷が欲しい…氷、氷…おわっ…!びっくりした。出たよ、氷。出せるんだな。


 まるんとした前脚で氷をテシテシする。うん、固い。ここに風魔法で風を起こして流す…どうだ?

 うん、涼しいな。これならいけそうだ!

『ハルカー、暑いよぉ…あれ?ここ涼しいかも?』

『ん、氷を作って風魔法で冷えた空気を流してる』

『へー凄えな!涼しい…俺はもうここから動かないぞ!』


 いやいや、俺の部屋だろ。でも暑いのは嫌だよな…他の部屋にも流す?でもな、俺が魔法使ってるんだよなぁ。うーん…

『ルリハは風魔法使えないのか?』

『使えない』

『使いたいと考えてさ、この氷から冷気を…』


 小さなネズミが真剣に氷を見つめる。何だか可愛い。

 そしてそよっと涼しい風が来た。

『おっ、ハルカ!出来たよ』

『出来たな』

 小さな頭をポンポンする。得意げに胸を逸らすルリハ。うん、やっぱり可愛いな。


『お前の部屋に氷を作ろう!』

 その後は養蜂部屋にも小さな氷を置いて、ハッチたちにも風魔法を習得させた。

 これからの本格的な夏の暑さは何とか乗り切れそうだ。


 久しぶりにルリハと俺のレベル確認をした。能力も魔法のレベルも上がっていた。そして氷魔法をゲットしたぞ。うん、ルリハも風魔法が付いてるな。




 ルリハ

 種族 白魔ネズミ

 年齢 4ヶ月

 レベル1

 体力 50

 魔力 200

 知力 450

 魔法 土魔法レベル2 風魔法レベル1new

 従魔契約者 ハルカ



 ハルカ

 種族 白魔うさぎ

 年齢 2ヶ月

 レベル1

 体力 80

 魔力 150

 知力 500

 魔法 浄化魔法レベル2 風魔法レベル2 治癒魔法レベル2 従魔法レベル2 空間魔法レベル1 氷魔法レベル1new

 従魔 白魔ネズミ、魔蜂




※読んでくださる皆さんにお願い※


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