18.遠い道のり
「ハルカ、人化出来るのはまだまだ先よ、せめてレベル35はいかないと」
それって出会った頃のアベルじゃないか!今がやっと15。まだまだ遠いなぁ。
「あら、会いたくないの?弟に」
会いたい、もちろん会いたい!でも、俺は所詮底辺弱々なんだ。体格差は如何ともし難い。
まるんとしたもさもさの前脚を見る。うん、丸い。この前脚では物を掴めない。剣も振れなければ、盾も構えられない。料理だって作れない。
深いため息を吐いた。
『ハルカ、頑張ろうぜ!俺たちレベル1だったんだぞ。コツコツ上げればいいだけだ』
ルリハ…お前はいつだって変に前向きだ。でもそんなルリハに俺はいつだって救われて来た。
そうだな、コツコツと。
ルリハを抱きしめる。小さくて温かい。もふ度は俺の方が上だが、ベルベットみたいな肌触りはクセになる。
人ならキモいがうさぎとネズミなら許されるんだ。
『へへっ。ハルカは頭がいいから行動を起こす前に考える。俺は頭が悪いからまず行動だ!』
ルリハは自分は頭が悪いと言うが、猛勉強して俺と同じ一流の国立大学に入った。頭が悪いわけじゃない。
理解するのに時間がかかるだけで、理解すれば俺より理屈から分かっている。上辺だけの俺と違う。
違うところが多いが、感じる気持ちは近い。だから俺たちは親友なんだ。ルリハはナツキを知らない。会う必要すら無い。なのに、当たり前に俺と行動して、ナツキに会おうと考えている。
いや、考えてはいないか。それこそ当然だと思っている。そういう奴だ。
ならば、俺が弱音を吐く訳にはいかないな。
よし、レベルを上げるぞ!
実際にはジャイアントトードの群れ200匹オーバーなんて、Bランクでも脅威だ。なんせ1mあるんだから。
それをせいぜい20cm、ルリハに至っては6cm程度で殲滅したのだ。相当に凄いことだ。しかも魔法だけで、だ。
しかしアリレルやアベルは人よりも強い人魚族。その感覚がだいぶ、かなり…ズレていた。
決心した俺だが、アリレルママのスパルタは想像を超えた。カエルの次はオークの群れ。率いるのはジェネラル。
何十回と死ぬと思った。体当たりだってされたし、爪で引っかかれもした。あ、死んだ…そう思った。
でも、ルリハが
『ハルカ!』
すかさず治療する。
そう、おれが前でルリハは後ろ。ルリハは土と風の魔法を駆使して、俺は雷と風の複合魔法で竜巻を起こす。
それでも抜けてくる奴はいて、吹き飛ばされたり。しかし、新たに仲間になった魔蜘蛛が糸を張って受け止めてくれる。ルリハは治療をする。
言うなれば俺が前衛、ルリハが後衛、蜘蛛が補助だろうか。ハッチも撹乱したり、お尻や足を刺したり手伝ってくれた。
こうして、生き延びて…オークの群れを殲滅した。
『ブラボー!良くやったわ。みんな』
実は魔蜂のハッチや魔蜘蛛のスパも種族の為に、人化したいと考えていたのだ。もちろん、漠然と。
それが俺たちがしごかれ、もとい訓練されているのを見て、自分たちもと名乗りをあげた。
俺は止めた。しかしルリハは
『やりぃ!仲間が増えたぞ!!』
喜んでいた。
そして、共にアリレルママのしごき、ならぬ特訓の成果でレベルも上がっていった。
正直、たかがうさぎ、ネズミ、蜂に蜘蛛。そう思っていた。しかし、数が揃えば出来ることが増える。
ハッチもスパもたくさんの仲間を見送って来たと言う。だから強くなりたいと。
その想いはアリレルママの特訓に耐えうるだけの想いだった。
こうして、死ぬ気で、いや、元は安全に生きたかっただけだが、死ぬ気でレベル上げをして…強くなった。
しかも、嬉しいことに成長した。体が、だ。
元は20cm程度(巣穴に線を書いていた)だったが、少しずつ大きくなり、ついに30cmに成長した!
あの小さかったルリハもなんと、15cmに。まぁそれでもまだ小さいが、ネズミなんだからそんなもんだろ。
ルリハ
種族 白魔ネズミ
年齢 6ヶ月
レベル20
体力 400
魔力 480
知力 550
魔法 土魔法レベル10 風魔法レベル8 治癒魔法レベル8 空間魔法レベル7
従魔契約者 ハルカ
友達 人魚族の王子 魔蜂のハッチ 魔蜘蛛のスパ
ルリハのレベルが20突破。
レベルが4上がって体力と魔力も伸びてるな。もう急激な伸びは期待出来ないか。
土魔法のレベルは多分、カンスト。穴もまたたくさん掘ってたからな。で、俺が怪我するし魔獣は保管するしで治癒と空間がぐんと伸びた。
さて、俺はこうだ。
ハルカ
種族 白魔うさぎ
年齢 4ヶ月
レベル25
体力 490
魔力 550
知力 600
魔法 浄化魔法レベル10 風魔法レベル10 治癒魔法レベル9 従魔法レベル7 空間魔法レベル8 氷魔法レベル4 雷魔法レベル8
従魔 白魔ネズミ、魔蜂、魔蜘蛛
友達 人魚族の王子
俺自身も自分に常時治癒魔法を掛けているからか、治癒はかなり伸びだ。そして毛皮が汚れるのが嫌で、こちらも常時展開している浄化でレベルがカンスト。戦闘において主に使う風もカンストして、雷も伸びた。
ちなみにハッチはこうだ。
ハッチ
種族 魔大蜂
年齢 5ヶ月
レベル15
体力 280
魔力 380
知力 488
魔法 風魔法レベル10 空間魔法4 治癒魔法 5
従魔契約者 ハルカ
友達 ルリハ 人魚族の王子アベル 魔蜘蛛のスパ
凄いぞ!
あんなに小さかったのに今は5cmまで成長した。しかも、種とか野菜の苗を持って来てくれる為に、空間魔法が使えるようになった。で、前衛でケガをする俺のために治癒魔法まで。
ハチミツもくれるし、ハッチ様々だ。
で、スパはこんな感じだ。
スパ
種族 魔蜘蛛
年齢 8ヶ月
レベル15
体力 230
魔力 420
知力 480
魔法 土魔法6 風魔法6 空間魔法4 治癒魔法5
従魔契約者 ハルカ
友達 ルリハ 人魚族の王子アベル 魔蜂のハッチ
体力はハッチに劣るが、魔力は豊富だ。蜘蛛の糸は粘性もあり、丈夫で火に強い。同族は普通の蜘蛛だが、デス・スパイダーという蜘蛛らしくこちらの糸も丈夫。
しかも布を織れる。イタチに荒らされてたらしく、俺が討伐して感謝された。
そして白くてきれいな布や糸を貰った。嬉しくて服を作りたくなった。
もさもさ毛に覆われているが、裸だ。それが元人間としては居た堪れない。服が着たい。それに防御も弱い。だから防具が欲しい。さらに、戦えるように爪が欲しい。後は靴だ。柔らかな足裏を守りたい。
実はジャイアントトードの皮は防水性能がある。浄化が使えるから、雨を弾ける。でも、魔力を使う。だから、濡れない服や防具が欲しい。
糸を貰ったが、掴める手は無い。皮に穴を開ける事も出来ない。さて、魔法でなんとかならないか?
考え込んでいると、スパが寄ってきた。何かを差し出してくる。前脚で挟む。これは…蜘蛛の脚?えっと、思わずスパの脚を数える。ちゃんとあるな。良かった。
『抜けた奴』
抜けるのか?
『脱皮する』
マジか。これでどうしろと?脚を土に垂直に立ててぐりぐりする。丸い穴が掘れた。そらそうだ。
あ、皮に穴を開けろか?
うーん、でもカエルの奴は結構分厚い皮なんだ。
試しに出してみる。
ダメだ。力が入らない。
ん、待て。力で押そうとしなければいいのか。風魔法で太い木を持ち上げて、蜘蛛の脚を空間魔法で固定化。
これで木を打ち付ける。
カコーン
いけた。蜘蛛の脚も無事だ。スパはさらにバラバラと沢山の脚を渡してきた。なるほどな。俺はその脚を空間固定して、上から木で打ち付ける。
一気に穴が開いたぞ!
すると
『組み立てする!』
『マジか?』
『あぁ』
『ならこことここを合わせて、こうだ!』
『俺に任せな!』
かっちょいいぞ!頼んだ。
*読んでくださる皆さんにお願いです*
面白い、続きが読みたいと思って貰えましたらいいね、やブックマーク、↓の☆から評価をよろしくお願いします♪
評価は任意ですが…もらえるととっても嬉しいです!
モチベーションになりますのでどうぞよろしくお願いします♪




