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転生したらもふもふだった まるんな前脚で頑張る!  作者: 綾瀬 律


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13.お説教からのレベル上げ

『母上、どうしたの?』

『うふふっ、どうしたの?それは私の台詞よ?屋敷の管理をしないで飛び出して…』

 あ、という間があって。


『ハルカたちが心配でね?』

『あらそうなの?』

『…ごめんなさい!』

 起き上がって土下座するのはいいが、俺を離せ!ぎゅむっとなって苦しい。


『うさちゃんが苦しそうよ?』

『ぐえっ…』

 苦しくてついに声が漏れた。慌てて体を起こすと優しく眉間を撫でられた。


『ハルカ、ごめん…』

『はぁ、仕方ないわね、そのうさちゃんに免じて今回は許してあげるわ』


 アベルママは屈むと

『初めまして!アベルの母で人魚族の女王をしているアリレルよ!』

『初めまして!ハルカだ。こっちのネズミはルリハ』

『よろしくね、ハルカ』

『うん!』


 優しく背中を撫でれる。うん、悪くない。

 ルリハはこの騒動でも寝ている。余程疲れたんだろう。俺より遥かに小さなその体だ。ゆっくり寝かせてやろう。



『ゴブリンに驚いたでしょ?ごめんなさい。見えてたから、危なくなったら助けようと思ってたの』

 アベルも

『うん、ほんとにごめん…』

『死ぬかと思った…』

 死ぬ恐怖よりナツキに会えないかもと考えて怖かった。あ、ルリハが死ぬのは嫌だったな。


『お詫びに知りたいことを教えてあげるわ!』

 それなら聞きたいことは一つだ。

『ナツキに会えるか?』

 アリレルママは驚いて

『そうね…分かったわ。転生したわよ、あなたの弟は』

 そうか、ならいつかは会えるのか。


『そう簡単じゃないわ。あなたは魔獣なの。弟は人として転生したわ』

 レベルを上げて、人化するかもしくは従魔になれれば。


『…まずはレベルを上げましょう。30を目指しなさい。ベル、しばらくはこの子たちと屋敷の管理をしなさい。レベル上げにも協力するのよ!ここと屋敷を繋げるから』

 繋げる?それは空間魔法か…?


 アリレルママが目を瞑って呪文を唱える。床が光ってそこに複雑な、でもきれいな紋様が浮かび上がった。

『今日は屋敷で休むといいわ』


 そんなこんなでアリレルママと共に転移陣でアベルの管理する宮殿に移動した。

 そこで美味しい野菜を食べて寝た。しばらくは静養だ。




 …しばらく静養じゃ無かったのか?

 俺たちは今、魔獣を討伐している。させられている?だろうか。ゆっくり休むと思えば

『ほらほら、休んでる時間はないわよー』

 朗らかなアリレルママの声が飛ぶ。


 とんだスパルタだ。

『ハルカ、もうダメだ…』

 ついにルリハが倒れた。すかさずルリハを胸に抱く。



 何故こんな事になっているのか、全てはアリレルママの差金だ。

『強くなりたいんでしょ?』

 確かにそう言った。言ったが、やり方があると思う。


『効率的にレベルを上げる方法はね、強い敵を倒す事』

 それも分かる。分かるが物事には順序があるだろ?

 この前、命ガラガラゴブリンを倒したのに。


『もうゴブリンじゃレベルが上がらないわ!』

 とジャイアントトードの群れに突っ込まされた。

 石を連打して怒らせてそこに俺たちを押し出したのだ。

 マジかよ?

 俺っちより大きいんだぞ?カエル。凶悪顔で怖ぇ…。


 ルリハなんて足で踏み潰されたら終わりだ。しかも

「ぶもーぶもー」

 大合唱。カエルの歌なんて可愛いもんじゃない。カエルの咆哮だ。死ぬ、今度こそ死ぬ。


 ルリハは必死で土魔法を使い、体力が落ちたら俺が治癒魔法を飛ばす。

 俺は風と雷で応戦。頑張ったと思う。でも数が多い。

 アリレルママは浮かんで優雅に眺めてる。

 アベル?一際デカいカエルと格闘中。アベルよりデカい。援護は期待出来ない。ならば…頑張るしかない。


 でもやっぱり体力がないルリハが倒れた。抱えている俺も満身創痍だ。相手の攻撃は泥を飛ばすこと。これが地味に嫌だ。毛にあたれば汚れるし、体が重くなる。


 俊敏性が落ちて跳びにくい。すぐに浄化するが、魔力にも上限がある。

 クソ、こんな所で…クタバレ!

 俺から眩い光が迸り、カエルは一掃された。


 ゼェゼェハァハァ、もう大丈夫か?

 ブシュッ

 後か?油断した。泥に塗れて跳べない。背後からカエルの息遣いが聞こえる。

 ダメ、か。いや、まだ…。


 ザシュ


『ふぅふぅ、ヤッタか…?』

『ルリハ…』

『俺も、少しは…役に』

『ルリハ!』

 残り少ない魔力で治癒魔法を掛ける。


 パチパチ


『お見事よ!ふふっハルカも良く頑張ったわ』

『ルリハは?』

『大丈夫よ!疲れてるだけ』

 周りを警戒しつつも、素早く泥を脚で落として近くの木の下に避難する。胸元のルリハを見る。全身確認する。


 うん、大丈夫だ。良かった。

 ぎゅむと抱きしめる。温かい。良かった、ルリハがいてくれて。

『休みましょう』


 巣穴に運んでくれた。

 いや、こんな状況になってるのはアリレルママのせいなんだけどな?

『うふっでもレベルが上がったわよ?』


 何?



 ルリハ

 種族 白魔ネズミ

 年齢 3ヶ月

 レベル13

 体力 290

 魔力 380

 知力 470

 魔法 土魔法レベル6 風魔法レベル4 治癒魔法レベル1new 空間魔法レベル1new

 従魔契約者 ハルカ

 友達 人魚族の王子


 おっ、ルリハもレベル10突破か。

 レベルが4上がって体力と魔力も伸びてるな。もう急激な伸びは期待出来ないか。

 土魔法のレベルがまた上がってる。穴もまたたくさん掘ってたからな。


 さて、俺はどうだろうか。



 ハルカ

 種族 白魔うさぎ

 年齢 1ヶ月

 レベル15

 体力 350

 魔力 460

 知力 530

 魔法 浄化魔法レベル6 風魔法レベル7 治癒魔法レベル6 従魔法レベル5 空間魔法レベル3 氷魔法レベル2 雷魔法レベル5

 従魔 白魔ネズミ、魔蜂

 友達 人魚族の王子


 うん、全体的に上がったか。



 俺もルリハも人に感算したら、Bランク。それなりじゃなかろうか。頑張ったもんな。


『ハルカ、また上がったね!』

『アベルは?』

『僕は別メニューでね?ほらお母さんはお茶目だから』

 …無言を貫こう。毎晩ボロボロになって帰って来てるのを俺は知らない。

 俺を抱きしめて怖かったと泣いてるのも聞いてない。

『だからレベル40になったよ!』


 人に換算したら既に100超えてたろ?まだそんなに上がるのか?

『ちょっと龍の巣に放り込まれただけだよ!』

 普通に死ぬだろ?

 アリレルママ怖ぇ…。


 とそんな無茶振りがありつつ、俺は巣穴の拡張やハッチとの物物交換もしつつレベル上げに勤しんだ。

 人化はまだまだ遠い。




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