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台湾祓清愛哀歌ー祓清の絆  作者: シットライヌ
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台湾祓清愛哀歌

2000年代初頭の台湾。幽霊が実在する世界。それまでは20世紀から幽霊の存在は科学的に否定されていた。第二次世界大戦下のナチスドイツのオカルト研究を元にした旧日本帝国軍の大規模実験により霊界との門が通じてしまい、現在、幽霊がはっきりと視認され、幽霊が発する声や音が聴き取れるようになってしまった。霊界に通ずる門は生きている人間は見ることも触れることもできないため、門から霊界へ行くことも、霊界を見ることも出来ない。実験場は台湾島中心部の山中にあったとされるが、戦後の混乱期の影響で現在は所在が不明。霊界に通ずる門は、開いたままとも、閉じたものとも言われており、確認する方法が無い為、現在霊界への門が開いたままか。閉じているのか不明である。幽霊は物質としての質量が無く、触れることも触れられることも出来ないため、当初実害は小規模にとどまると想定されていたが人々の精神耗弱による精神障害や催眠効果による身体に対する物質的な被害(後に霊的被害、霊障と呼ばれることになる)などの様々な社会問題を生んだ。この為、科学的に否定されていた霊能力が見直され、現在では現実に実在するものとされており、危険性と必要性が認知され、霊能力の行使には多くの国で国家資格が必要で、一部の国では霊能力の行使が許可されているのは行政機関だけとされている。また、霊障を用いて、他者に対して危害を加える行為、呪詛は犯罪行為として禁止されている。そんな時代の台湾で祓清(除霊)や怪奇事件の解決を生業としている日本人の男性と香港生まれの中国人女性のバディによるハートフルオカルトミステリー。祓清(除霊)の基本手順は幽霊を発見し、行動を封じ、祓う。その為、霊能者は見鬼、霊感、と言われる幽霊の存在を感じ取り見つけ出す能力と、幽霊に結界などを使い、その場に縛り付け押さえ込む術、そして、幽霊を現世から切り離し、死後の世界へ送り返す、送魂の三つの要素で構成されている。祓清は宗教との結び付きが強く、台湾では道教系統が一番多く、その次に仏教系統の四大宗派、キリスト教プロテスタント系統の真耶蘇教会、特定の宗派に属さない霊能者の順番に多い。主人公の日本人男性の霊能は道教系をかじっており、中国風の剣と符術を使い祓清する。送魂は得意だが、霊感がほとんどない為、幽霊の発見が苦手。香港生まれの中国人女性は幼少期香港で英国人女性からケルト系魔術を教わっている。霊感が強く、幽霊の発見が得意だが、送魂は苦手としている。分霊と呼ばれる自身の霊魂の一部を切り離し、使い魔、式神を作り出す事が出来る。分霊の姿は黒犬、ラブラドールレトリバーの姿をしている。ケルト系魔術を使う霊能者は台湾ではかなり少ないとされている。

登場人物

主人公

1・佐藤さとう れん

日本人男性。道教系の術式を使い、中国風の剣と符術を用いて祓清を行う。霊感がほとんどなく、幽霊の探索に難があるが、送魂の実力は高い。心身の健康管理の為、八極拳の套路を行うことを日課としている。使用言語は日本語と台湾華語。自動車の運転担当。美鈴を「後輩さん」と呼ぶ。

2・リー 美鈴メイリン

香港出身の中国人女性。ケルト系魔術を使い、分霊の黒いラブラドールレトリバーを連れている。霊感が生まれながら高く、幽霊の探索の実力は高いが送魂は不得手としている。パソコンなどのデジタル機器担当。自主制作のホームページの管理を日々行なっている。使用言語は広東語と台湾華語。蓮を「先輩」と呼ぶ。

協力者

1・マーカス ウエイ

アフリカ系アメリカ人の両親から生れた、中国系アメリカ人。(幼少期に中国系アメリカ人の両親に養子として、引き取られた)。里親から道教系術式を学んだ道士。蓮に道教系の術式を教えた。(横浜の中華街で雑貨店を経営しながら、副業で祓清をしていた時に大学生だった蓮を助手としてアルバイトに雇った。その為、弟子にするつもりは無かった)蓮にとっては師匠のような存在。現在はアメリカに帰国し、里親の家業(貿易商)を引き継ぎ営んでいる。

2・イザベラ メイブ シンクレア 

スコットランド出身の英国人女性。ケルト系魔術代々受け継ぐ家系に生まれ、母親から手解きを受けた魔女。霊感が強いため、霊障に悩まされていた幼少期の美鈴にケルト系魔術を授けた人物。美鈴にとっての恩師。本業は翻訳家で、現在スコットランドで生活をしている。

3・陳巡査部長 

台湾人の男性。蓮と美鈴の事務所の近くの交番に勤務する、お巡りさん。外国人である蓮や大陸人である美鈴にも親切に接してくれる、誠実な警察官。

4・林担当員 

台湾人の女性。市役所の祓清の担当者。蓮や美鈴が祓清の活動を始めた頃からの付き合いで、まだまだ経験の浅かった二人に対して、親身に対応してくれる優しい市職員。

ヴィラン

枢栄会

インターネットを使って呪詛のやり方を売りさばいている謎の組織。

その実態は台湾人で

弟のジャン 志豪ジーハオ

姉のジャン 麗華リーファ

二人だけ。

実情は霊障を使って、金儲けを企むただの小悪党。

志豪は元々呪詛に興味があり、独学で呪詛の研究をしていた時に、旧日本帝国陸軍の研究資料に辿り着き、独自の呪詛のやり方を完成させると共に、旧日本帝国陸軍の思想に傾倒し、自分が旧日本帝国陸軍の思想の後継者だと思いこみ、所在不明の霊界への門を見つけ出すことが自分の使命と思うようになった。(志豪は旧日本帝国陸軍に興味があるが、現在の日本や金銭に関心がない。現実な問題として霊界への門を見つける事は不可能で、志豪の誇大妄想。ただし、呪詛に関しては天才)

姉の麗華は一切の思想に興味がない拝金主義者。弟の活動をビジネスとして考え協力している。志豪は呪詛に関して天才的だが他に関しては何も出来ない為、姉の麗華が他を受け持っている。

用語説明と補足説明

帰真剣(グイ ジェン ジエン) 

蓮が祓清の際に使っている中国風の剣。高名な女性剣士の愛剣であったという、真偽定かではない逸話がある。

シャドウ 

美鈴の分霊の黒のラブラドールレトリバー。性別はオス。(美鈴が子供の時に読んだ絵本のキャラクターが投影されている)

双霊シュアンリン相談事務所 

蓮と美鈴の事務所。台湾台北市大同区にある。

iMac

事務所で使っているパソコン。美鈴がホームページを自作し、依頼をメールで受けたり、祓清の記録を保存、宣伝を兼ねてプライバシー保護に気を付けながら、祓清の活動をブログにアップしている。

トヨタ カローラ アルティス 

事務所の自動車。運転手は運転免許を持っいる蓮が担当。色は黒。

国家公認祓清技能士 

台湾での祓清の国家資格。台湾では霊障事件の発生確率が高い(霊界への門が開いた土地という事実が原因かは不明。旧日本帝国陸軍の実験のせいで霊障が起こることになったが、昔から霊の存在を信じている者が多かったため、台湾での日本への不満は少ないと思われている)ため、民間委託が進み、祓清の国家資格を取れば、合法的に(依頼を受けて報酬を受け取ることも含めて)認められている。国家資格だが実務と登録は地方自治体(主に市役所)が所管。登録は市役所で行う。登録後、市役所から霊障の祓清の依頼があり、無事祓清に成功すると技能士の認定を受けることが出来る。(実質は実地試験のようなもの)。以降は国家公認祓清技能士として活動することが許される。その際に事務所に掲示する義務がある大型の証書の登録証と顔写真付きのカードで祓清の活動をする際に所持携帯義務がある技能士カードを渡される。

日本での祓清

日本では祓清は行政機関が行うこととなっているが霊障の発生が少なく、専門の部署は存在せず、霊障が発生した際は専門家に委託する。(現実世界の猟銃での害獣駆除のようなもの)報酬は支払われるがかなり安い。ボランティアのようなもので祓清だけで生計を立てることは困難である。

中国本土での祓清

中国も祓清は行政機関が行うこととなっているが警察や軍隊が行うため、やり方がかなり荒っぽい。また、闇業者が横行し詐偽行為や非道な高額請求などが問題になっている。

蓮と美鈴の出会い

横浜の大学に通っていた蓮は、参加していた大学のサークル祓清研究会のアルバイト(祓清の助手)の募集に応募しウェイと出会う。あくまでも助手で弟子にするつもりは無かったので、蓮には必要最低限の道教式の祓清のみを伝授したが、送魂に関して才能を発揮した。ウェイがアメリカに帰国することになった時に祓清を生業にしたいのであれば台湾に渡ることを進められる。特段、目標も資格も無く、就職氷河期であったことから、台湾行きを決意し、留学という形で台湾の大学に語学留学し、そこで美鈴と出会う。(蓮と美鈴がお互いを先輩、後輩さんと呼ぶのはこれが由来)。

同じ頃、中国の香港で大学進学を控えていた美鈴は、幼少期にイザベラに助けられた経験から自身も霊障に苦しむ人を助ける仕事をしたいという思いと、香港が英国から中国への返還に伴う不安感、そして恩師イザベラの英国スコットランドへの帰国という状況が重なり留学を決意。当初はイザベラについていき、英国スコットランドへの留学を考えたが、祓清の活動を行いたいと思い(英国は、祓清に関しては英国国教会が国家から委託され管理している)から、台湾への留学を決意する。留学先の台湾の大学で、自身と同じように国家公認祓清技能士の資格取得を目指し、祓清で生計を立てようとしている日本人留学生がいる事を聞き、会いに行ったのがコンビを組むキッカケとなった。二人で一緒に国家公認祓清技能士の登録を行った。登録後、市役所から霊障の祓清の依頼を二人で行い、無事、祓清に成功し技能士の認定を受けることが出来ため、その後もコンビを継続し現在に至る。



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