少年隊初めての実戦
少年隊結成から三ヶ月。
日々の訓練を積み、少しずつ騎士団の一員としての自覚と力を身につけた彼らに、ついに正式な任務が下された。
辺境の小さな村、グランツ侯爵領の最果ての地で、野盗の襲撃が発生したのだ。
本隊は即座に野盗討伐へと派遣されたが、兵力は足りず、少年隊には村の住民の避難と保護が命じられた。
「カイル、皆をまとめて村の安全確保にあたれ。敵と直接戦うな、逃げ遅れた者を守るんだ。」
ショウイチの冷静な指示に、少年隊はきりっと引き締まる。
村の避難誘導や負傷者の手当てに全力を注ぐ少年隊。
しかし、野盗の一部が討伐を免れ、村の裏手で少年隊と遭遇することとなった。
「こいつらが…少年どもか。生意気だな。」野盗のリーダーは嘲笑を浮かべ、数人の手下と共に斬りかかる。
少年隊は戦闘態勢を取り、カイルを先頭に応戦。
訓練で培った連携と俊敏な動きで敵の攻撃をかわしながらも、野盗の数は多く、苦戦を強いられる。
「後ろは任せた!全力で守り抜くぞ!」カイルの叫びに、少年隊は奮起する。
ショウイチは離れた高台から冷静に状況を見守りつつ、必要ならば援護に入る準備を整えていた。
この激しい衝突は、少年隊にとって初めての実戦の洗礼となり、彼らの真価が試される瞬間だった。
野盗のリーダーとカイルが激しく火花を散らす一騎打ちが始まった。
リーダーは大きな斧を振りかざし、重い一撃を放つが、カイルは俊敏な身のこなしでかわし、間合いを詰めて肘打ちを打ち込む。
「まだまだだ!」リーダーは逆に素早く斧を振るうが、カイルの鍔迫り合いからのローキックが的確に決まり、リーダーはバランスを崩す。
隙を見逃さず、カイルは渾身の右ストレートを叩き込んだ。
リーダーは呻きながらも立ち上がるが、その顔には明らかな痛みと焦りが浮かんでいた。
「俺がこの村の守り手だ!」カイルは叫び、さらに攻勢を強め、最後は強烈な膝蹴りでリーダーの膝を砕き、そのまま押し倒す。
リーダーは戦意を喪失し、動けなくなった。
これを見た手下たちは一気に動揺し、散り散りに逃げ出した。
少年隊は迅速に連携し、逃げる手下を追跡。
騎士団仕込みの動きで次々と捕縛していった。
「カイル、お前がいなかったら村は危なかったぞ!」
ショウイチは感心しつつ声をかけた。
カイルは息を切らしながらも誇らしげに胸を張り、少年隊の信頼もより一層厚くなったのだった。




