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少年隊の訓練

ある晴れた日の午後、まるふく商店の広場には少年隊全員が集まっていた。

今日は特別な稽古の日。担当はショウイチだ。


グランツ侯爵の言葉が耳に残る。

「実戦を意識させろ。動きだけでなく、機転と勝負勘を鍛えるのだ。」


ショウイチは深く頷き、少年たちをじっと見つめた。


「おい、カイル、エリオット、ルーカス、シリル。今日はお前たち全員でかかってこい。俺がどこまで通用するか見せてやる。」


少年たちは目を輝かせ、わくわくとした表情で頷いた。

「はい、先生!全力で挑みます!」


ショウイチはゆっくりと左手を握りこぶしにして、その中に細かく挽いたコショウを隠していた。誰も気づいていない。


戦いが始まる。

少年たちは四方から囲むように一斉に突進してきた。


カイルは最前線で素早い動きで間合いを詰め、エリオットは力強い右ストレートを振りかざす。

ルーカスは鋭い蹴りを放ち、シリルは素早く回り込もうとした。


ショウイチは一歩も動じることなく、軽く笑みを浮かべていた。

全ては計画通り。


少年たちが一気に距離を詰めたその瞬間、ショウイチは左手のコショウを勢いよく投げつけた。


「くっ…何だこれ!?」


目にコショウが入った少年たちは一瞬で視界を奪われ、咳き込みながら手で顔を覆う。


「くそっ、見えない…!」

「目が痛い、攻撃できない!」


防御も攻撃もままならず、全員があっという間にバランスを崩し、ショウイチに捕まってしまった。


ショウイチは冷静に一人ずつ制圧し、少年隊は呆気なく敗北。


息を整えながら少年たちは口々に言った。

「まさか、そんな卑怯な手を…!」

「先生、参りました…!」


ショウイチはニヤリと笑いながら言った。

「実戦は何があるかわからん。格闘技のテクニックも大事だが、こうした機転も戦いでは必要だ。常に頭を使え。」


カイルは悔しそうに顔をしかめながらも、深く頷いた。

「これは…本当に勉強になりました。」


この日、少年隊はただ技術だけでなく、戦いに必要な知恵と柔軟な思考も身につけることとなった。




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