隊長は真面目
少年隊の休日。いつもは訓練に明け暮れる日々だが、この日は貴重な自由時間だ。
しかし、隊長のカイルだけは特別に「帯刀許可」が下りていた。
「帯刀してても、ちゃんと遊べるのか?」
他の少年たちは半信半疑で、カイルの様子をこっそり観察していた。
ところがカイルは朝から帯刀姿のまま、まるで大人のように振る舞い、商店街を歩き回る。
「おお、カイル様、おはようございます!」
近所の子供たちもびっくりして敬礼。
だが、遊びに入るとその振る舞いはまるで子供そのもの。
カイルは剣を鞘からチラリと覗かせながら、鬼ごっこを提案。
「鬼は俺がやる!帯刀してるけど、手加減はしないぞ!」
帯刀の剣を抜く真似だけで、ひたすら鬼ごっこに全力疾走。
その姿はまるで武士の子供版。
途中で転んでも帯刀姿のまま起き上がり、剣をつかみ「これが俺の誇りだ!」と笑顔。
他の少年たちは「隊長、ほんとに剣重くないの?」と半分呆れながらも楽しそう。
午後には近くの池で水遊び。
カイルは帯刀姿のまま水に入り、「水も斬ってやる!」と言いながら、水しぶきをあげてはしゃぐ。
「カイル、剣はどうした?」と聞くと、剣はもちろん水に濡れても錆びない特製の鍛造品だった。
「これが俺の誇りだからな!」とまた胸を張るカイル。
そんな姿に、仲間たちは「やっぱ隊長は特別だな」と感心しつつ、和気あいあいとした休日が過ぎていったのだった。
少年隊の休日のはしゃぎぶりとは裏腹に、カイルには誰にも見せない顔があった。
実は彼、初任給を手にするとすぐに装備の補強に使い、残りは家族への仕送りに回していたのだ。
遊びに使うお金は一銭も残さず、隊のため、そして家族のために堅実に貯めている。
仲間は休日の無邪気なカイルしか知らず、その影には強い責任感と誠実な少年の姿があったのだった。




