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佐古下悠理は行方不明 『臙脂色の紫陽花』編  作者: はるたろー
無色、それは透明
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私はそのとき腕時計を見て二十一時二十五分であることを確認しました。

娘は習い事で英会話をしていましたが、その日は英会話の日でもないですし、英会話は十七時から十八時なので時間も合いません。私は家を飛び出して市内中駆けずり回りました。

妻は既に警察にも連絡しており、数名の警察官も市内を捜索しているとのことでした。

妻は半分錯乱しており、実家で見てもらっていると連絡もありました。私が娘を見つけてあげなければならない。そういう思いでひたすら捜索していました。

娘はその日、見つかりませんでした。

翌日以降捜査員は増員され、河川や山の麓付近も捜索されましたが結局見つからず、それから日が経つごとに捜査員の捜索範囲は拡大され、そして次第に収縮していきました。

三年が経ちました。

娘は白骨遺体となり発見されました。DNA鑑定で娘と断定されたのです。私と妻の娘、ということでした。

娘の遺体は黒姫山山中に半分埋まっている状態だったそうです。これには故意的に埋められた形跡があったそうです。周辺の土が掘り返され、埋め戻された跡が三年経過したときにも確認ができたそうで、間違いないと警察は言っていました。

また、頭蓋骨には骨折の痕があったそうで、もはや確認も取れないがこれが致命傷になった可能性もある。他殺の疑いが強い、ということも教えてくれました。

私は、そのことだけは決して報道しないでほしい。と懇願しました。警察は私が娘が死後もネット社会に晒されることを拒絶した、という意味合いに捉えたでしょう。

実際は違いました。そのとき確信したのです。私は神がチャンスを下さったと。娘に他殺の疑いがある。殺害されたんだ。そして犯人は捕まっていない。そう、私に私刑を執行する権利を下さったのだと。

妻に話しに行こうと決めました。

彼女は娘が行方不明になってからは実家で過ごしていたそうですから。

しかし、妻は実家にはいませんでした。精神病院にて隔離されているということで、面会に行くと彼女はもう別のものになっていました。

ええ。そう。もう妻は半分死んでいました。

これはもう妻の分も仇を取らなければいけないと思いましたね。

私はだからこそ時間をかけ、ゆっくりと、様々な情報筋から娘のことを聞いて回りました。

するとどうでしょうか。

警察が捜査をしつつも犯人逮捕まで行けなかった理由が半分分かったのです。

そう。まさかですよね。犯人グループの内、一人は当時小学生の少女だったのですから。その少女は闇サイトで娘を売ったのです。女性を集団で暴行する悪質な者たちに。

私はその闇サイトに加害者側として登録し、犯人を特定するために何度も女性暴行を集団に紛れて行いました。

罪悪感ですか?

それは罪を悪いと思うか?ということですか?

自分の罪、それは娘と暮らす日々、妻とも良好に築けたはずの家庭を捨てた罪、ですね?

私はその罪を償う為に社会通念上の罪と言われる行為を甘んじて受け入れました。それには是とも非とも言いません。

そう、無、なのです。

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